前準備処理の概要

セットアップを実行して運用を開始する前に、前準備として会社基本情報と各種マスター(会社マスター、取引先、仕訳パターン、予約伝票など)を設定することが必要です。

登録した内容は、「マスター確認リスト」で印刷したり、ファイル出力したりして確認することができます。

「随時」-「汎用データの受入」処理で汎用データを受け入れて、マスターとして登録することもできます。

  • マスターを登録する際に記入しておくと便利な「マスター登録用紙」を、プログラムディスクのDocフォルダのPDFファイルにて提供しています。

 

前準備で登録する内容について、以下を説明します。

「システムの基本仕様」-「マスターの管理」も併せてご覧ください。

マスター項目一覧

  • 「前準備」-「会社基本情報の登録」のマスター項目
    『PCA hyper 会計シリーズ』の連動先データ領域、会社名、コードなどの会社の基本的な情報や、コード桁数、伝票番号管理、承認、項目名称などに関する設定を行います。

  • 「前準備」-「社名欄の登録」のマスター項目
    請求書に利用する社名欄を設定します。

  • 「前準備」-「メール送信文の登録」のマスター項目
    『PCA Hub 取引明細』サービスをご利用の場合、取引先に送信するメール内容を登録します。

  • 「前準備」-「使用科目の設定」のマスター項目
    『債権・債務管理オプション』で使用する勘定科目、補助科目を設定します。

  • 「前準備」-「消込設定」のマスター項目
    消込機能を利用する際に必要な設定を行います。

  • 「前準備」-「会社マスター」-「金融機関の登録」のマスター項目
    会社口座の登録と振込先金融機関の編集を行います。

  • 「前準備」-「会社マスター」-「担当者の登録」のマスター項目
    担当者に関する情報を登録します。

  • 「前準備」-「会社マスター」-「締日グループの登録」のマスター項目
    締日に関する情報を登録します。

  • 「前準備」-「会社マスター」-「休日カレンダーの登録」のマスター項目
    休日を登録した「休日カレンダー」を登録します。複数パターンのカレンダーを登録できます。

  • 「前準備」-「取引先」-「区分マスターの登録」のマスター項目
    区分マスターを登録します。
    分類用途に応じて債権、債務それぞれ最大5種類の区分マスター(請求先区分、支払先区分)が登録可能です。

  • 「前準備」-「取引先」-「請求先の登録」のマスター項目
    請求先マスターの登録、変更、削除を行います。

  • 「前準備」-「取引先」-「得意先の登録」のマスター項目
    得意先マスターの登録、変更、削除を行います。

  • 「前準備」-「取引先」-「照合口座の登録」のマスター項目
    照合口座マスターの登録、変更、削除を行います。

  • 「前準備」-「取引先」-「支払先の登録」のマスター項目
    支払先マスターの登録、変更、削除を行います。

  • 「前準備」-「取引先」-「仕入先の登録」のマスター項目
    仕入先マスターの登録、変更、削除を行います。

  • 「前準備」-「取引先」-「配信先の登録」のマスター項目
    『PCA Hub 取引明細』サービスをご利用の場合、配信先となる請求先を登録します。

  • 「前準備」ー「商品」ー「商品の登録」のマスター項目
    債権伝票(請求書明細)等で利用する商品を設定します。

  • 「前準備」-「仕訳パターン」-「債権仕訳パターンの登録」のマスター項目
    頻繁に使用する債権仕訳をパターン登録しておくことができます。

  • 「前準備」-「仕訳パターン」-「債務仕訳パターンの登録」のマスター項目
    頻繁に使用する債務仕訳をパターン登録しておくことができます。

  • 「前準備」-「予約」-「債権予約伝票の登録」「債権予約伝票(請求書明細)の登録」のマスター項目
    定期的に発生する債権伝票や登録するとわかっている債権伝票、債権伝票(請求書明細)をあらかじめ債権予約伝票として登録します。

  • 「前準備」-「予約」-「債務予約伝票の登録」のマスター項目
    定期的に発生する債務伝票や登録するとわかっている債務伝票をあらかじめ債務予約伝票として登録します。

以上のマスターには、登録が必須な項目、管理のために登録が必須な項目、効率的に作業を進めるために登録しておくと便利な項目の3種類があります。
以降、それぞれの種類ごとに項目の説明をしています。

登録が必須な項目

  1. 基本情報(メニューの「前準備」-「会社基本情報の登録」)
    『PCA hyper 会計シリーズ』の連動先データ領域、会社名、コードなどの会社の基本的な情報や、コード桁数、伝票番号管理、承認、項目名称などに関する設定を行います。

  2. 使用科目マスター(メニューの「前準備」-「使用科目の設定」)
    『債権・債務管理オプション』で使用する勘定科目、補助科目を設定します。
    設定した勘定科目、補助科目は『債権・債務管理オプション』の各処理で状況に応じて使用することができます。

  3. 請求先マスター(メニューの「前準備」-「取引先」-「請求先の登録」)
    債権管理に必要な請求先の登録、修正、削除を行います。

  4. 支払先マスター(メニューの「前準備」-「取引先」-「支払先の登録」)
    債務管理に必要な支払先の登録、修正、削除を行います。

管理のために登録が必須な項目

  1. 社名欄マスター(メニューの「前準備」-「社名欄の登録」)
    請求書に利用する社名欄を設定します。

  2. メール送信文の登録(メニューの「前準備」-「メール送信文の登録」)
    『PCA Hub 取引明細』サービスをご利用の場合、取引先に送信するメール内容を登録します。

  3. 消込設定(メニューの「前準備」-「消込設定」)
    消込機能を利用する際の必要な設定を行います。

  4. 担当者マスター(メニューの「前準備」-「会社マスター」-「担当者の登録」)
    担当者別の債権・債務管理が必要な場合に登録します。
    担当者を登録し、データ入力処理で担当者を設定しておくと、帳票出力処理で担当者別の集計が可能となります。
    担当者別の管理が必要ない場合は、登録済の「共通担当者」を使用して運用します。

    帳票出力処理の条件指示画面で「主担当者」を指定して集計することができます。

  5. 金融機関マスター(メニューの「前準備」-「会社マスター」-「金融機関の登録」)
    以下のケースで必要な会社口座情報、「支払先の登録」で設定した振込先金融機関情報の編集を行います。

    • 振込データの作成

    • 入金データを受け入れて回収情報を作成する場合のマッチング情報として使用

    • 帳票での集計軸として使用

  6. 区分マスター(メニューの「前準備」-「取引先」-「区分マスターの登録」)
    帳票での集計軸として使用することができます。

  7. 締日グループマスター(メニューの「前準備」-「会社マスター」-「締日グループの登録」)
    締日に関する情報を登録します。締日グループごとに3つまでの締日を設定可能です。

  8. 得意先マスター(メニューの「前準備」-「取引先」-「得意先の登録」)
    得意先の登録、修正、削除を行います。

  9. 仕入先マスター(メニューの「前準備」-「取引先」-「仕入先の登録」)
    仕入先の登録、修正、削除を行います。

  10. 配信先マスター(メニューの「前準備」-「取引先」-「配信先の登録」)
    『PCA Hub 取引明細』サービスをご利用の場合、配信先となる請求先を登録します。

  11. 商品マスター(メニューの「前準備」-「商品」-「商品の登録」)
    債権伝票(請求書明細)等で利用する商品を設定します。

登録が必須でないが、効率的な作業のために登録しておくと便利な項目

  1. 仕訳パターンマスター(メニューの「前準備」-「仕訳パターン」-「債権仕訳パターンの登録」「債務仕訳パターンの登録」)

    日常よく使用する仕訳や、毎月定期的に発生する仕訳を債権仕訳パターン、債務仕訳パターンとして登録します。

    債権仕訳パターン、債務仕訳パターンを使用すると、簿記に詳しくない方でも入力作業ができ、入力する項目が減ることで作業が簡単になります。

    データ入力の際にツールバーの[仕訳パターン]をクリックすると、参照ウィンドウから仕訳パターンを入力することができます。

    仕訳パターンを選択すると、登録済の仕訳の各項目が自動で入力されます。

    金額を入力したり、項目を変更したりすることも可能です。

  2. 予約伝票マスター(メニューの「前準備」-「予約」-「債権予約伝票の登録」「債権予約伝票(請求書明細)の登録」「債務予約伝票の登録」)

    毎月、毎週、毎日のように定期的に発生する伝票や登録するとわかっている伝票をあらかじめ予約伝票として登録しておくことができます。

    期日が到来した予約伝票については、『債権・債務管理オプション』の起動・終了時に登録を確認する画面が表示されます。

    「債権管理」-「債権伝票」-「債権伝票入力」「債権伝票入力(請求書明細)」、「債務管理」-「債務確定」-「債務伝票入力」処理で、登録済の予約伝票を参照することもできます。

    データ入力の際にメニューバーの[設定]-「予約伝票」を選択すると、参照ウィンドウから予約伝票を入力することができます。

    予約伝票を選択すると、登録済の仕訳の各項目が自動で入力されます。

    金額を入力したり、項目を変更したりすることも可能です。

前準備で行う設定の変更について

前準備で行う設定には、運用開始後に変更できないもの、変更すると注意が必要なものがあります。

各設定の変更について、以下にまとめていますので、慎重に登録してください。

変更できない項目

会社基本情報の登録」で設定する項目

  • 請求先・得意先、支払先・仕入先、担当者、区分、商品コードのコード桁数は、登録済のマスターが存在する場合は、「ファイル」-「データの保守」で桁数を増やす変更のみ行うことができます。

運用途中で変更すると注意が必要な項目

会社基本情報の登録」で設定する項目

使用科目の設定」で設定する項目

  • 使用科目の「残管理」の設定を変更しても登録済の伝票の残高には反映されません。

消込設定」で設定する項目

  • 勘定科目を変更しても消込が実行済のものについては、仕訳の内容が書き換わることはありません。

「取引先」-「請求先の登録」「支払先の登録」「配信先の登録」で設定する項目

  • 請求先の登録」-「請求、回収条件」タブの「請求締管理」:運用中に設定を変更すると、未請求の伝票がすべて都度請求される等の動作が発生することがあります。

  • 支払先の登録」-「精算、支払条件」タブの「精算締管理」:運用中に設定を変更すると、未精算の伝票がすべて都度精算される等の動作が発生することがあります。

  • 配信先の登録」:同期済の配信先の内容を変更すると、Hub取引先と不整合が発生するため、再同期が必要になります。

『PCA hyper 会計シリーズ』で設定する項目

『債権・債務管理オプション』で使用する勘定科目、補助科目等のマスターは、『PCA hyper 会計シリーズ』で管理しています。

同じマスターであるかはコード一致で判断しています。

『PCA hyper 会計シリーズ』でマスターのコード変更、削除などがされると『債権・債務管理オプション』との関係が切れたり、別のマスターと判断されてしまったりすることがあります。

例1)

『債権・債務管理オプション』でも使用している勘定科目Aのコードを『PCA hyper 会計シリーズ』で変更した場合、『債権・債務管理オプション』でコードを自動で変更することはありません。

「ファイル」-「データの保守」-「設定」-「連動製品との整合の確認と修正」を実行することで、勘定科目Aが『PCA hyper 会計シリーズ』と連動できないマスターであることを確認できますので、確認と修正を実行してください。

例2)

『債権・債務管理オプション』でも使用している勘定科目Bを『PCA hyper 会計シリーズ』で削除した場合、『債権・債務管理オプション』では、勘定科目Bの情報が残り続けます。

「ファイル」-「データの保守」-「設定」-「連動製品との整合の確認と修正」を実行して、勘定科目Bを別の勘定科目に紐付けてください。

【ご注意】

「データの保守」-「設定」-「連動製品との整合の確認と修正」での変更は一括で行われますが、どの伝票のどの情報を書き換えたという情報は確認できませんので、『PCA hyper 会計シリーズ』でのマスターのコード変更や削除については、一定の留意が必要となります。

金融機関、担当者、区分、請求先、得意先、支払先、仕入先、商品、仕訳パターン、予約伝票の追加はいつでも可能ですが、削除できない条件があります。

詳細については、「システムの基本仕様」-「マスターの管理」-「マスター削除時の制限」をご覧ください。

マスター登録処理の画面について

前準備の一部の処理では、処理画面が「一覧表示画面」と「個別表示画面」から構成されています。

一覧表示画面

登録済のマスターの内容が一覧表示されます。設定項目を変更することはできません。

  • ツールバーの[最新]ボタンをクリックすると、表示内容を最新の情報に更新します。

≪一覧表示画面でできること≫

  • ビューによる表示項目の絞り込み:「一覧表示画面」は画面左側のビュー部分と画面右側のマスター一覧部分に分かれています。
    ビューの選択により、表示するマスターを絞り込むことができます。

  • 件数の確認:ステータスバーの右端に一覧表示されているマスターの件数を確認することができます。

  • マスターの削除:マスターの削除を行うことができます。
    複数マスターを一括削除する場合は、[Shift][Ctrl]キーを使用し、複数のマスターを選択してから削除します。

  • リスト項目の設定:ツールバーの[リスト項目の設定]ボタンをクリックすると表示される「リスト項目の設定」画面で、マスター一覧部分に表示する項目を設定することができます。
    表示する項目にチェックマークを付けます。

  • 項目ごとのソート:マスター一覧部分のリスト項目のタイトルをクリックすると、項目ごとにソートすることができます。

  • 一覧の即時表示設定:起動時などにすべてのデータをすぐに表示するか否かを、メニューバーの「表示」-「即時に一覧を表示する」のチェックマークの有無により切り替えることができます。
    チェックマークがないと、処理の起動時間が短縮される場合があります。

  • コードのジャンプ機能:マスター一覧部分にフォーカスがある状態で、コードを入力すると、該当するマスターに表示がジャンプします。

  • コードのダイレクト入力(※一部処理):「コードダイレクト入力」欄に任意のコードを入力して、[Enter]キーを押すか、右側のボタンをクリックすると、個別表示画面が直接表示されます。
    既存のコードの場合は、登録済のマスターの参照モードで個別表示画面が表示され、新規のコードの場合は、新規登録モードで個別表示画面が表示されます。
    メニューバーの「表示」-「起動時にコードダイレクト入力へ移動する」にチェックマークを付けると、処理の起動時にコードダイレクト入力欄にフォーカスが移動します。

  • メニューバーの「編集」-「新規登録」を選択すると、マスターの新規登録画面を表示することができます。

  • メニューバーの「編集」-「詳細」を選択すると、選択中のマスターの個別表示画面を表示することができます。

個別表示画面

各マスターの詳細項目が表示されます。各項目を設定・変更することができます。

  • ツールバーの[最新]ボタンをクリックすると、表示内容を最新の情報に更新します。

≪個別表示画面でできること≫

  • マスターの項目設定・変更:マスターの内容を設定・変更することができます。

  • マスターの削除:マスターの削除を行うことができます。

  • 他マスターの表示:ツールバーの[前移動][次移動]ボタンで登録済の他のマスターを表示させることができます。

  • 「一覧表示画面」への切替:ツールバーの[一覧]ボタンで表示画面を切り替えることができます。

≪入力モードについて≫

「個別表示画面」では、入力状態として、以下のモードがあります。
モードにより、操作を行った場合の動作が異なりますのでご注意ください。モードは画面上に表示されます。

  • 新規:新規にマスターを登録する状態です。マスター登録後、新規モードが継続します。
    ツールバーの[新規]ボタンをクリックすると、新規モードになります。

  • 参照:登録済のマスターを参照している状態です。各項目にフォーカスを移動すると、修正モードに移行します。

  • 修正:登録済のマスターの内容を修正している状態です。該当するマスターにロックがかかります。マスター登録後は、設定により動作が異なります。
    ツールバーの[修正]ボタンをクリックすると、修正モードになります。

≪修正モード時の登録後の動作について≫

  • 連続入力

    チェックマークあり:「逆順」の設定により前(次)のマスターが表示されます。

    チェックマークなし:該当マスターの修正モードが継続します。

  • 逆順

    チェックマークあり:「連続入力」のチェックマークがある場合、前のマスターが表示されます。

    チェックマークなし:「連続入力」のチェックマークがある場合、次のマスターが表示されます。

  • 登録確認

    チェックマークあり:登録時に確認の画面が表示されます。

    チェックマークなし:登録時に確認の画面が表示されません。

  • 修正したら閉じる

    チェックマークあり:「個別表示画面」を閉じて「一覧表示画面」に戻ります。

    チェックマークなし:修正モードが継続します。

データベースの照合順序について(コードの大文字小文字の取扱)

使用するデータベースの設定によって、照合順序が異なる場合があります。

照合順序が異なると、『債権・債務管理オプション』のコードで使用する英字の大文字と小文字の取扱が異なります。

『債権・債務管理オプション SQL版』に同梱している「SQL Server」をそのままセットアップした場合など、照合順序が「辞書順」で設定されていると、大文字と小文字は区別されません。

『PCAクラウド 債権・債務管理オプション』(緊急時用プログラムを含む)のデータベース照合順序は「バイナリ順」で、英字の大文字と小文字が区別されます。

照合順序が異なるデータのやりとりの際に、大文字と小文字のみ異なるマスターが存在する場合、受入等ができない場合がありますので、ご注意ください。

≪例≫

「辞書順」では“A1234”と“a1234”は同一コードとみなします。

「バイナリ順」では“A1234”と“a1234”は別コードとみなします。

「バイナリ順」で大文字小文字のみが異なるコードのマスターが登録済の場合、新規登録時、コード変更時に以下のように確認のメッセージが表示されます。

  • 新規登録の場合:コード入力欄の横に“大文字小文字のみが異なるコードが登録されています。”と表示されます。

  • コード変更の場合:変更を確認する画面が表示されます。
    コードを変更する場合は、[はい]ボタンをクリックします。コード変更を中止する場合は、[いいえ]ボタンをクリックします。