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ハラスメント対策として相談窓口を設置しよう

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厚労省パワハラ指針を読み解く!企業が講ずべきパワハラ防止措置と実務対応

企業が講ずべきパワハラ防止措置にスポットを当てて、わかりやすく解説。各回に実務で使える書式の無料ダウンロードもあります。

企業に対してパワーハラスメントの防止を義務付ける法律が施行されました。しかし、社員のメンタルヘルス対策のために相談窓口を設置しようと考えているものの、具体的にどのようにすればよいのか分からない・実際に対応できるかといった不安を感じる企業担当者もいるでしょう。

この記事ではそのような人たちに向けて、パワハラ対策義務化で必要な対策のうち、相談窓口とはどのようなものか、どのような対応をすべきなのかなどについて解説します。相談窓口の業務や対応方法など、自社でのパワハラ防止対策に悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。

パワハラ対策義務化について

パワハラとは

パワハラとはパワーハラスメントのことで、社会的地位の高い人が下の人におこなう自らの権力や立場を利用した嫌がらせのことです。

職場におけるパワハラは、優越的な関係を背景とした言動・業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの・労働者の就業環境が害されるもの、これら3つの条件をすべて満たした行為であると厚生労働省が定義しています。優越的な関係については、上司から部下に対してだけではなく、部下から上司に対しても起こり得ることがある点に注意が必要です。異動したばかりの上司に対して、部署の業務全体を把握している部下が問題のある行動をする場合もあるなど、職制上の上下関係だけにとどまることはありません。

業務上必要かつ相当な範囲を超えたものとしては、例として暴行や傷害などの身体的な攻撃をはじめ、侮辱や暴言といった精神的な攻撃、明らかに遂行不能な業務の強要といえる過大な要求などが挙げられます。労働者の就業環境が害されるものについては、こうした言動が労働者にとって身体的・精神的苦痛になることで能力の発揮に重大な悪影響が生じることを意味しています。なお、職場でのパワハラについては本人がパワハラと感じたらすべてパワハラに該当するわけではなく、客観的に見て業務上必要であったり相当な範囲であったりするレベルの言動であればパワハラにはなりません。

判断の基準としては「平均的な労働者の感じ方」が採用され、社会一般の労働者が就労できないほどの苦痛と感じる言動かどうかが問題になります。ちなみに、ここでいう労働者とは正社員はもちろんのこと、パートやアルバイトなどを含む、事業主が雇用しているすべての労働者のことです。

パワハラ対策義務化

2016年に厚生労働省によっておこなわれた「職場のパワーハラスメントに関する実態調査報告書」では過去3年以内にパワハラを受けた人は全体の3割という結果になったほか、都道府県労働局が受けたいじめや嫌がらせに対する相談件数も2018年度には8万件を超えたことなどから、職場のパワハラが問題視されるようになり、2019年の通常国会で労働施策総合推進法(パワハラ防止法)が改正されました。その後、2020年6月1日にパワハラ防止法が施行され、大企業に対してパワハラ対策が義務付けられたのです。

大企業に対しては2020年6月1日から義務化が適用されていますが、中小企業でも2022年4月1日から義務化が適用になります。これまでも企業独自でパワハラ対策をおこなってきたところもあるかもしれませんが、対策が義務化されたことでより一層の対策が求められるでしょう。企業に求められる対策としては、パワハラを禁じる方針を明確にして社員に周知することやパワハラを受けた人からの相談に応じるための体制整備、パワハラがあった場合の適切な対応・再発防止などが挙げられます。

なお、企業がこれらの対策義務化をおこなわなかった場合の罰則は今回の法改正では設けられていませんが、場合によっては事業主に対して指導や勧告の可能性があるほか、社名が公表される可能性もあるでしょう。労働者が安心して働ける職場環境を整えるためにも事業主はパワハラ防止対策に力を入れることが大切です。


相談窓口とは

2020年6月1日に施行されたパワハラ防止法によって、企業は「パワハラ防止のための措置」を講じることが義務化されましたが、具体的な措置として厚生労働省が発表しているガイドラインではハラスメント相談窓口を設置することが記載されています。この規定により、企業は社内で相談窓口を設置して相談に応じる担当者を決めたり、相談に対応するための制度を設けたりして、それを労働者に周知する必要があるでしょう。窓口相談の担当者に対しては相談を受けた場合の対応についての研修を実施するほか、相談が来たらあらかじめ作成したマニュアルに沿って対応できるように指導しなくてはいけません。

相談窓口の役割は労働者が相談しやすい環境を作り、なるべく早い段階でパワハラの事実を確認し、対応することです。

相談方法としては対面のほか、電話やメール、チャットツールなどが挙げられます。多くの手段を設けることで、相談者が相談しやすい枠組みを作れるでしょう。相談者のプライバシーを守り、不利益を被らないように配慮しながら対応を進めていくことが求められます。

なお、社内相談窓口を設置することが難しい場合は相談窓口の外注をすると良いでしょう。メンタルヘルスサービスを提供する会社や法律事務所などでサービスを提供していることが多いです。


相談窓口の対応の流れについて

相談窓口の対応としては、まず、窓口の担当者が相談者の話を聞くことからはじまります。担当者は詰問するような態度ではなく、相談者に寄り添うような気持ちで、じっくりと話を聞くことを心がけることが大切です。

また、繰り返し体験を語ることが一層苦痛となるおそれがあるため、相談時には必ず記録を作成します。1回の相談時間は50分程度に設定し、超えるようであれば日を改めて面談をおこなうと良いでしょう。相談者が調査の実施など、会社としての対応を希望する場合は事実確認をおこなうため、相談者の許可を得たうえで行為者にヒアリングをします。また、中立な意見を求めるために第三者に事実確認をする場合もあります。

これらの調査を経て事実確認ができたら、人事労務担当者や行為者の上司とも連携を取りながら、行為者への措置を検討します。パワハラがおこなわれていたと認定されれば、行為者は謝罪や減給や降格、場合によっては懲戒解雇になることもあるでしょう。

相談窓口を設置してパワハラ対策義務化に対応しよう

パワハラ防止法に基づいてパワハラ対策を講じるためにも、困っている社員が相談できる窓口の設置を進めましょう。社内で担当者を決め、自社内に相談窓口を設置するか、それが難しいようであれば外部に依頼する方法もあります。義務化に対しての罰則は特に設けられていませんが、従業員にとって働きやすい労働環境を作るためにも、企業として適切な対応をおこなうことが大切です。

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