バックオフィス業務のお悩みや、PCAの業務ソフトをお使いの皆様の
お悩み解決を提供する総合サイト

第10回健康経営トレーニングクイズ

更新日:2025/08/08

jr240901_img01_pc.jpg
jr240901_img01_sp.jpg

昨今、健康経営が注目されていますがまだまだ知識に不安のある方もいらっしゃるかもしれません。

健康経営についてもっと知りたい人事・総務のご担当者様にお役立ていただけるよう、健康経営にまつわる問題をクイズ形式でご用意しました。

こちらの問題で自分の知識を確認してみましょう。

問1 遠隔監視・モニタリングとプライバシー

テレワークやリモートワークが拡大する中、従業員の業務状況をオンライン上でモニタリング(遠隔監視)するケースが増えています。ログイン時間や操作履歴などを収集することで生産性向上を図る狙いもありますが、プライバシーや個人情報保護の観点から問題も指摘されています。次のうち、適切なモニタリング方針はどれでしょうか?

  1. 監視ソフトをインストールし、社員のプライベート端末でも常時モニタリングする
  2. 「テレワークは信用できない」という前提で、常時カメラをオンにして顔を監視する
  3. 何をどのように収集・分析するか、またその利用目的を明確にし、従業員に事前に説明する

正解:C…何をどのように収集・分析するか、またその利用目的を明確にし、従業員に事前に説明する

解説:リモート勤務が普及するにつれ、従業員の業務実態を把握するためのモニタリングツールが活用されるようになりました。しかし、業務に必要な範囲を超えた個人情報の取得や過度な監視は、プライバシー権の侵害、従業員のモチベーション低下につながる恐れがあります。実際、ILO(国際労働機関)や各国のプライバシー関連法でも「取得するデータは業務に必要な範囲に限定し、活用目的を明確化すること」が推奨されています。

日本でも、個人情報保護法やガイドラインで、利用目的の通知・公表や適切な管理の必要性が示されています。従業員の理解と合意形成を図った上で、業務効率化とプライバシー保護を両立させる方策を取ることが、健康経営の観点からも望ましいとされます。

問2 介護離職防止と職場の支援制度

高齢化が進む中、従業員が家族の介護を理由に離職を余儀なくされる「介護離職」が増えています。企業が人材を確保・活用する上でも、介護と仕事の両立支援策は年々重要度を増しています。次のうち、日本における介護離職防止策として正しいものはどれでしょうか?

  1. 介護休業制度を設けるが、実質的には有給休暇の消化のみで対応する
  2. 介護を理由に在宅勤務を希望する従業員には、給与を減らしてその代わり柔軟な働き方を許す
  3. 時間単位で介護休暇を取得できる仕組みを整備し、必要なときに柔軟に取得できるようにする

正解:C…時間単位で介護休暇を取得できる仕組みを整備し、必要なときに柔軟に取得できるようにする

解説:厚生労働省の「介護休業制度」や「介護休暇制度」に関するガイドラインでは、家族の介護を担う労働者が安心して働き続けられるよう、休業や休暇だけでなく短時間勤務や在宅勤務等の柔軟な働き方を認めることを推奨しています。特に時間単位の休暇制度は、通院やデイサービスの送迎など、まとまった休みではなく短時間の対応が必要な場面で有効です。また、給与の減額などペナルティ的な運用は、労働者の経済的・精神的負担を増大させる恐れがあり、結果的に離職を加速する可能性があります。実際に、介護休業や介護休暇を有給化する動きや、介護離職防止のための企業事例も増えており、企業の競争力向上にも寄与すると指摘されています(厚生労働省「仕事と介護の両立支援」関連資料より)。

問3 グリーンHRと職場の健康

近年、気候変動やSDGsへの関心が高まる中で、企業の人事部門でも「グリーンHR(Green Human Resources)」の取り組みが注目されています。社員の健康と環境への配慮を両立する施策としてはどのようなものが考えられるでしょうか?

  1. 企業がオフィス用の電力を再生可能エネルギーで賄い、就業中の社員には適度な温度設定や換気を確保する
  2. 省エネのために空調を極力使わず、真夏でも冷房を禁止して社員の体力向上を図る
  3. 排出されるCO₂量を減らすため、出社日を無理やり増やして公共交通機関を活用させる

正解:A…企業がオフィス用の電力を再生可能エネルギーで賄い、就業中の社員には適度な温度設定や換気を確保する

解説:「グリーンHR(Green Human Resources)」とは、従業員の健康維持だけでなく、環境面の持続可能性も考慮した人事施策を指します。例えば、オフィスで使う電力を再生可能エネルギー(太陽光や風力など)に切り替えることで、企業のカーボンフットプリント削減に寄与しつつ、空調や照明を適切に維持して従業員が快適に働ける環境を守ることができます。

真夏の冷房制限による熱中症リスクや、生産性低下を防ぐためには、適切な温度・湿度管理と併せて、換気にも配慮が必要です。また、テレワークの拡充によって通勤に伴うCO₂排出量を減らす取り組みも、企業のSDGs推進に有効とされています。

健康経営と環境保全を両立させる「グリーンHR」は、今後ますます注目される分野です。

この記事の執筆者
社会保険労務士法人 未来経営(ESコモンズ メンバー)

長野県松本市に拠点を置き、それぞれ専門分野を持つ5名の社会保険労務士が在籍しています。私たちのビジョンである「元気な会社作りのお手伝い」を実現するため、母体である税理士法人未来経営ともに、人事労務分野に積極的に携わり、トータルな企業経営サポートを実現しています。

ESコモンズ主宰 有限会社人事・労務 URL:https://www.jinji-roumu.com/