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第12回健康経営トレーニングクイズ

更新日:2025/10/10

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昨今、健康経営が注目されていますがまだまだ知識に不安のある方もいらっしゃるかもしれません。

健康経営についてもっと知りたい人事・総務のご担当者様にお役立ていただけるよう、健康経営にまつわる問題をクイズ形式でご用意しました。

こちらの問題で自分の知識を確認してみましょう。

問1 座りすぎ対策とアクティブ・デザイン

長時間の座位は、肩こり・腰痛のほか、循環器疾患や代謝異常のリスク増加と関連が指摘されています。オフィスの「アクティブ・デザイン」を取り入れ、自然と体を動かせる仕掛けを整えることが注目されています。次のうち、職場における座りすぎ対策として適切なのはどれでしょうか?

  1. 長時間座っていても健康影響は小さいため、特段の対策は不要
  2. 1時間に1回ほどの立ち上がり・ストレッチのリマインドや、立ち会議・歩いて話す動線づくりを進める
  3. 歩数ノルマを厳格に設定し、未達の場合は評価を下げる

正解:B…② 1時間に1回ほどの立ち上がり・ストレッチのリマインドや、立ち会議・歩いて話す動線づくりを進める

解説:長時間座位は、腰痛・肩こりだけでなく、代謝・循環器系への負荷増加とも関連が指摘されています。対策の要は「座位時間の連続を断つこと」であり、1時間に1回程度の立ち上がり・ストレッチのリマインド、立ち会議やハイテーブルの活用、プリンタや共有備品の分散配置など、自然に体を動かす動線設計(アクティブ・デザイン)が有効です。タスク切り替えに合わせたマイクロブレイク(1〜2分の離席)や、歩きながらの短い打合せ、階段利用の促進も取り入れやすい施策です。

制度面では、参加しやすい社内チャレンジ(歩数イベント、姿勢改善キャンペーン)、腰痛予防のセルフケア配布、希望者向けの座位・立位の切替デスク導入などを組み合わせます。ペナルティ型の運用やノルマの強制は逆効果になりやすいため、楽しさ・選択肢・心理的安全性を重視した設計が成功の鍵です。効果検証として、座位時間の自己申告、姿勢に関する不調訴え、業務満足度などの簡易指標を定点観測し、レイアウトや運用を継続的にアップデートしていきます。

問2 月経・PMSと職場の配慮

月経困難症やPMS(心身の不調)によって、集中力低下や痛みが業務に影響する場合があります。本人の申出に基づき、柔軟な働き方や環境配慮を行うことは、健康経営・ダイバーシティ推進の観点で重要です。次のうち、職場対応として望ましいものはどれでしょうか?

  1. 症状は自己管理のため、申出があっても基本的に配慮は行わない
  2. 性別による制度差は不公平のため、月経に関する制度は設けない
  3. 生理休暇の周知、在宅勤務や時差勤務の活用、温熱グッズ・休憩スペース等の環境配慮を整え、本人の希望を尊重する

正解:C…生理休暇の周知、在宅勤務や時差勤務の活用、温熱グッズ・休憩スペース等の環境配慮を整え、本人の希望を尊重する

解説:月経困難症やPMSの症状は個人差が大きく、本人の申出に基づく柔軟な配慮が成果につながります。制度面では、生理休暇の周知に加え、在宅勤務・時差勤務・一時的な業務調整、温熱グッズや休憩スペースの整備、席替えや服装の柔軟化などの環境配慮を併用します。申出時のプライバシー配慮(情報の取り扱い・面談場所・記録の最小化)や、体調の機微に対する上司・同僚の理解促進が重要です。

運用のポイントは、本人の希望を尊重しつつ医学的受診勧奨や産業医・保健師への相談導線を用意すること、評価や賃金に不利益が生じないよう人事制度と整合を取ること、そして管理職・人事・当事者の三者で「使いやすい」制度設計にすることです。固定化された性別役割意識や偏見を減らす研修・社内広報も欠かせません。結果として、安心して働ける環境は離職抑制・採用力強化にもつながり、ダイバーシティ&インクルージョンの推進そのものが健康経営の土台を強化します。

問3 睡眠と勤務間インターバル

慢性的な睡眠不足は、集中力低下やヒューマンエラー、生活習慣病のリスク増加などにつながります。近年は、勤務終了から次の始業まで一定時間を確保する「勤務間インターバル制度」の導入が注目されています。次のうち、睡眠・休養の確保に向けた適切な方針はどれでしょうか?

  1. 勤務終了から次の始業まで一定時間(例:11時間)のインターバルを確保する制度を検討・導入する
  2. 業務効率を最優先し、残業の直後に早朝シフトを入れることも柔軟に認める
  3. 睡眠は私生活の問題であり、会社の関与や啓発は不要である

正解:A…勤務終了から次の始業まで一定時間(例:11時間)のインターバルを確保する制度を検討・導入する

解説:睡眠不足は、注意力・意思決定・創造性を低下させ、ヒューマンエラーや労災リスクを高めます。勤務間インターバル(例:11時間)の確保は、深夜業・長時間残業といった疲労蓄積要因を構造的に抑える手段であり、シフト勤務や繁忙期の業務でも最低限の回復時間を担保できます。導入時は、シフト設計(前倒し/後ろ倒しの連続を避ける)、会議時間の固定化(早朝・終業直後の会議を減らす)、メール・チャットの夜間送信ルール(タイマー送信の推奨)など、現場運用に落ちるルール整備が有効です。

個人への啓発も効果的で、就寝前のデジタルデトックス、カフェイン・アルコール摂取のタイミング、短時間仮眠の活用、光・室温・寝具など睡眠衛生の基本を社内で共有すると、制度の実効性が上がります。さらに、業務特性(高温作業、運転業務、高精度作業など)に応じた疲労リスク管理(FRMS)を導入し、インターバル遵守状況・残業時間・エラー発生・体調申告等の指標を定期レビューすることで、健康と生産性の両立を継続的に実現できます。

この記事の執筆者
社会保険労務士法人 未来経営(ESコモンズ メンバー)

長野県松本市に拠点を置き、それぞれ専門分野を持つ5名の社会保険労務士が在籍しています。私たちのビジョンである「元気な会社作りのお手伝い」を実現するため、母体である税理士法人未来経営ともに、人事労務分野に積極的に携わり、トータルな企業経営サポートを実現しています。

ESコモンズ主宰 有限会社人事・労務 URL:https://www.jinji-roumu.com/