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第13回健康経営トレーニングクイズ

更新日:2025/11/11

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昨今、健康経営が注目されていますがまだまだ知識に不安のある方もいらっしゃるかもしれません。

健康経営についてもっと知りたい人事・総務のご担当者様にお役立ていただけるよう、健康経営にまつわる問題をクイズ形式でご用意しました。

こちらの問題で自分の知識を確認してみましょう。

問1 VDT作業と目の休息

パソコンやタブレットに向かう時間が長い職場では、目の疲れや肩こり、集中力低下が起こりやすく、業務品質や安全にも影響します。VDT作業の健康影響を抑えつつ生産性を保つため、日々の運用で実施すべき基本対策として適切なものはどれでしょうか。
※VDT作業(ビジュアル・ディスプレイ・ターミナル作業)とは、パソコンやスマートフォンなどのディスプレイとキーボード、マウスなどを使って行う作業のこと

  1. 1時間に1回程度、10分前後の休止や作業切替を設け、姿勢・視距離を調整する
  2. ブルーライトカット眼鏡を着用すれば休憩は基本的に不要である
  3. 連続作業は3時間までは問題なく、細かな中断は非効率である

正解:A…1時間に1回程度、10分前後の休止や作業切替を設け、姿勢・視距離を調整する

解説:VDT作業では、連続作業が30~60分を超えると眼精疲労や肩首のこり、集中力低下が生じやすくなります。小休止は「席を立つ」「別作業に切り替える」「遠方を見る」などで筋・眼の緊張を一度リセットでき、結果的にミスと再作業を減らし生産性を高めます。椅子の高さ・腰支持、机面の反射、モニタの高さ・角度・明るさ、視距離(おおむね手を伸ばした先)を調整し、書類と画面の視線移動も最短に整えることが重要です。ブルーライト眼鏡など単独対策に頼るより、休止+環境見直し+姿勢のセットを日課化することが実効策になります。

問2 プレゼンティーズム(Presenteeism)

欠勤(アブセンティーズム)だけでなく、体調不良のまま出社して生産性が落ちる状態(プレゼンティーズム)も、企業の損失要因になります。健康経営では、この見えにくい損失の把握と低減が重要です。次の説明のうち、プレゼンティーズムが企業にもたらす具体的な悪影響として適切なものを選んでください。

  1. 出社しているため欠勤損失はなく、短期的にも生産性は必ず上がる
  2. 個人の体調問題なので企業コスト(医療費・代替人件費・管理工数)への影響は基本的にない
  3. 業務のミス増加や対応遅延による生産性・品質の低下、ヒヤリハット・事故・クレームの増加などの損失

正解:C…業務のミス増加や対応遅延による生産性・品質の低下、ヒヤリハット・事故・クレームの増加などの損失

解説:プレゼンティーズムは「出社しているのに本来の力が発揮されない」状態で、企業には具体的な損失を生みます。例えば、判断力・注意力の低下に伴うミスや再作業の増加、対応遅延による生産性・品質の低下、顧客対応の不備から生じるクレーム・ブランド毀損、ヒヤリハットや事故リスクの上昇などです。さらに、代替要員の手配や管理者のフォロー工数、チームの士気低下、離職率上昇に伴う採用・育成コストの増大、健保・医療関連費の間接的な増加にもつながり得ます。したがって、柔軟な働き方や一次予防の強化、早期相談の導線づくり等で低減を図ることが重要です。

問3 パワーナップ(短時間仮眠)の導入

昼食後は眠気が強まり、判断力や反応速度の低下が起こりやすくなります。業務への悪影響を抑える手段として、社内ルールに短時間仮眠(パワーナップ)を取り入れる企業が増えています。職場で実施する際に望ましい運用はどれでしょうか。

  1. 睡眠負債を一気に解消するため、60分以上しっかり眠る
  2. 午後の早い時間に15〜20分程度の短時間仮眠とし、起床後は軽いストレッチ等で寝だるさを解消する
  3. 全員の生産性を揃えるため、毎日11時に30分の仮眠を義務化する

正解:B…午後の早い時間に15〜20分程度の短時間仮眠とし、起床後は軽いストレッチ等で寝だるさを解消する

解説:昼食後の低下を補う仮眠は「長さ」「タイミング」「起床後行動」が鍵です。15~20分なら深い睡眠に入る前に起きられ、覚醒鈍麻を避けつつ注意力・反応速度を回復できます。実施は13~15時の早めの時間帯が無難で、直前のカフェイン少量摂取→仮眠→起床時にストレッチ・散歩・給水を組み合わせると効果的です。スペースやルールを整備し、業務上の中断ポイントを明確にしてチームで運用すること、衛生面(アイマスク・枕カバー等)や周囲配慮も重要。義務化や60分以上の長時間睡眠は体内時計を乱し逆効果になりやすい点に注意します。

この記事の執筆者
社会保険労務士法人 未来経営(ESコモンズ メンバー)

長野県松本市に拠点を置き、それぞれ専門分野を持つ5名の社会保険労務士が在籍しています。私たちのビジョンである「元気な会社作りのお手伝い」を実現するため、母体である税理士法人未来経営ともに、人事労務分野に積極的に携わり、トータルな企業経営サポートを実現しています。

ESコモンズ主宰 有限会社人事・労務 URL:https://www.jinji-roumu.com/