更新日:2025/04/08
昨今、健康経営が注目されていますがまだまだ知識に不安のある方もいらっしゃるかもしれません。
健康経営についてもっと知りたい人事・総務のご担当者様にお役立ていただけるよう、健康経営にまつわる問題をクイズ形式でご用意しました。
こちらの問題で自分の知識を確認してみましょう。
問1 週休3日制の導入
正解:B…1日の労働時間は変えず、給与を減少させる(給与減額型)
解説:株式会社マイナビが企業に調査した「中途採用実態調査」によると、週休3日制未導入企業に対して導入可能かを聞いたところ、導入可能と答えた企業が57.7%、不可能と答えた企業が42.3%と導入に前向きな企業のほうが多い結果となっています。上記①②③パターンのうち、どの方法を選択するかという問いには①パターン(給与維持側)が42.0%、②パターン(給与減額型)が45.5%、③パターン(総労働時間維持型)が12.5%という結果になっています。
週休3日制というスタイルが登場してきた背景には、ワークライフバランスの浸透や少子化よる人手不足などが挙げられます。従業員にとっては休日が1日増えるので、休養を取りやすく、稼働日の生産性や創造性が上がり、効率的に働いたり新たなアイデアを創出したりすることにつながるというようなメリットがある反面、業務改善をせずに、ただ休日を増やすだけだと、必要な業務をこなせず、社内や得意先に迷惑をかけたり目標達成ができなかったりするデメリットもあります。
今後、週休3日制の導入を検討するのであれば、自社の状況や目的、社員の意向などに照らして慎重に検討することが求められます。
問2 ビジネスケアラー
正解:C…ビジネスケアラーとは、仕事をしながら家族の介護を行う労働者のことをいい、仕事と介護の両立の難しさから、余儀ない離職を選択するケースが増加している。
解説:2025年には、「団塊の世代」が75歳以上、つまり後期高齢者となります。2025年問題とは、超高齢社会が訪れることで生じる、雇用や医療、福祉といった様々な分野への多大な影響を指します。また、ビジネスケアラーとは、仕事と家族などの介護を両立する労働者のことを指します。2025年以降、超高齢化が進むとされている中、このビジネスケアラーも急増する可能性があり、仕事と介護の両立がますます難しくなると考えられています。
経済産業省によりますと、ビジネスケアラーの増加は、5年後の2030年にはピークを迎え、約318万人に達する見込みで、労働力の減少、介護離職の増加の影響により、労働生産性の低下が大きな問題となると予測されています。この問題は、当然企業単位でも同じことが言え、業種に関係なく多くの企業がその問題に直面する可能性があり、労働生産性の低下による社会全体への経済的損失は約9兆円にまで上る可能性があります。
このような状況を受け、国のみならず企業におかれましてもビジネスケアラー増加への対応策を検討する必要がありそうです。大きな影響が懸念されているにもかかわらず、ビジネスケアラーへの支援が十分とは言えない今、「ビジネスケアラー」が安心して仕事と介護の両立ができる、そんな職場環境の整備が求められます。
問3 人的資本経営
正解:B…人的資本経営とは、人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営の在り方
解説:人的資本経営とは、従業員が持つ知識や能力を「資本」と捉え、その価値を最大限に引き出す経営手法のことです。人材を投資の対象として捉えることで、企業の長期的な成長につなげます。人的資本経営を実現する主なメリットは、次のとおりです。
・人材獲得、人材育成へつながる ・従業員エンゲージメントが向上する ・生産性が向上する ・企業イメージアップにつながる ・投資や融資を受けやすくなる
人的資本経営は、企業の成長を支える重要な戦略です。従業員にとって働きやすくスキルアップが望める環境を用意することで、企業への愛着心・信頼が芽生え、従業員エンゲージメントの向上が期待できます。 従業員エンゲージメントの向上は、従業員の定着率向上やパフォーマンスの発揮につながるため、企業の業績を上げるためにも重要な要素です。
さらに、従業員を大切にすることは企業イメージを向上させ、求職者や顧客から高い評価を得られることにもつながり、採用力向上も期待できます。また、人的資本の情報開示により投資家や金融機関から評価され、資金調達が容易になります。この資金を活用して商品開発やサービスの拡大、人材投資が進められ、事業の着実な発展につなげることができます。
人的資本経営は、企業価値向上と持続的成長を実現する、これからの時代において重要な経営の考え方といえるでしょう。
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