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第5回健康経営トレーニングクイズ

更新日:2025/03/11

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昨今、健康経営が注目されていますがまだまだ知識に不安のある方もいらっしゃるかもしれません。

健康経営についてもっと知りたい人事・総務のご担当者様にお役立ていただけるよう、健康経営にまつわる問題をクイズ形式でご用意しました。

こちらの問題で自分の知識を確認してみましょう。

問1 個人報酬かチーム報酬か

ある工場では、それまで個人の出来高に応じて支払っていた報酬を、チーム全体の成績に応じて支払う制度に変更しました。これにより生産性はどのように変化したでしょうか。

  1. チーム制により、生産性が1割以上も伸びた
  2. チーム制により、フリーライダー(タダ乗り)が現れ、生産性は落ちた
  3. 最初は協力して生産性が上がったものの、やがて以前と同じになった

正解:A…チーム制により、生産性が1割以上も伸びた

解説:ワシントン大学セントルイス校のバートン・ハミルトンらは縫製工場を舞台に、それまで個人が1枚仕上げるごとに一定額を支払う報酬制度から、チーム全体の縫製枚数を合計し、報酬をチームメンバーで分け合う制度に変更しました。すると、生産性が10~14%も向上したのです。

一般的にチーム制にすると「誰かがサボっても、他の人の努力で同じ報酬が得られてしまう(フリーライダー)」という問題が指摘されます。しかしこの縫製工場では、高いスキルのスタッフが低いスキルのスタッフに助言・指導することの効果のほうが大きく、生産性を大幅に向上させることに成功しました。また、チームメンバー同士の相互監視や、「自分が手を抜けば仲間に迷惑をかける」という社会的圧力が適度に働いたことも、プラスの効果を生みました。

お互いに教え合う企業文化や、「誰が何をしているか」が見える化されている職場であれば、今回のケースのように、チーム報酬の導入による大きなメリットを享受できる可能性が高まるといえます。

問2 感情労働

これまで「労働」は大別すると「肉体労働」「頭脳労働」の二つでしたが、近年、表情や声や態度で適正な感情を演出することを求められる「感情労働」という概念が定着してきました。では、次の職業のうち、感情労働が特に求められるのはどれでしょうか?

  1. システムエンジニア
  2. カスタマーサポートのオペレーター
  3. 建築現場の作業員

正解:B…カスタマーサポートのオペレーター

解説:感情労働とは、業務中に自分の感情をコントロールし、求められる感情を表現する仕事を指します。例えば、顧客からのクレーム対応を担うカスタマーサポートのオペレーターや、患者に安心感を与える医療・介護職、子どもたちを励ます教育現場など、多くの職種で求められています。

一見「自然にできること」のように思われがちですが、実際には高度なスキルと精神的エネルギーを必要とします。たとえば、忙しい中でもクレーム対応に冷静さを保つ接客スタッフや、感情を押し殺して厳しい状況に対応する医療従事者が挙げられます。このような状況が続くと、知らず知らずのうちに心の疲れがたまり、ストレスや「燃え尽き症候群」につながることがあります。

近年、感情労働が注目されるのは、こうした負担が離職率の上昇や職場の生産性低下に影響を与えるためです。企業にとって、従業員の心身の健康を守り、彼らの努力を適切に評価する仕組みづくりが、組織の成長を支える鍵となります。

問3 障害者雇用

全ての事業主に、法定雇用率以上の割合で障害者を雇用する義務があります。障害者雇用率について、正しいものを選んでください。

  1. 精神障害者は週所定労働時間によらず1人としてカウントする。
  2. 診断されていても手帳を持っていなければ1人としてカウントすることは出来ない。
  3. 法定雇用率を達成できない場合、すべての事業主が障害者雇用納付金を申告納付する必要がある。

正解:B…診断されていても手帳を持っていなければ1人としてカウントすることは出来ない。

解説:精神障害者について、当面の間、週所定労働時間が20時間以上30時間未満の場合は、雇入れからの期間に関係なく1人としてカウントすることが出来ます。また、令和6年4月以降、週所定労働時間が10時間以上20時間未満の場合は0.5人としてカウントすることが出来るようになりました。

障害者雇用率のカウントにあたっては、障害者手帳を持つ障害者を雇用することで、障害者を雇用しているとカウントされることになります。ただし、障害者雇用助成金の対象となる障害者には手帳を持たない統合失調症やうつ病の方も対象として含まれます。
法定雇用率を達成できなかった場合、前年度(4月から3月まで)の各月ごとの算定基礎日における常用雇用労働者の総数について、100人を超える月が5か月以上である事業主は、障害者雇用納付金の申告納付する必要があります。

ちなみに、法定雇用率は令和8年7月に2.5%から2.7%に引き上げられることが決まっており、今後障害者雇用は拡大していくと考えられます。法定雇用率を達成することは大切ですが、併せて適切なマッチング・支援や雇用環境の整備なども大切です。

この記事の執筆者
社会保険労務士法人 未来経営(ESコモンズ メンバー)

長野県松本市に拠点を置き、それぞれ専門分野を持つ5名の社会保険労務士が在籍しています。私たちのビジョンである「元気な会社作りのお手伝い」を実現するため、母体である税理士法人未来経営ともに、人事労務分野に積極的に携わり、トータルな企業経営サポートを実現しています。

ESコモンズ主宰 有限会社人事・労務 URL:https://www.jinji-roumu.com/