バックオフィス業務のお悩みや、PCAの業務ソフトをお使いの皆様の
お悩み解決を提供する総合サイト

第2回健康経営トレーニングクイズ

健康経営トレーニングクイズシリーズ

公開日:2024/11/12

jr240901_img01_pc.jpg
jr240901_img01_sp.jpg

昨今、健康経営が注目されていますがまだまだ知識に不安のある方もいらっしゃるかもしれません。

健康経営についてもっと知りたい人事・総務のご担当者様にお役立ていただけるよう、健康経営にまつわる問題をクイズ形式でご用意しました。

こちらの問題で自分の知識を確認してみましょう。

問1 フィードバック

社員それぞれの生産性など勤務成績を順位付けし、その結果をフィードバックすることにしました。下位の成績を受け取った社員の仕事ぶりはどのように変化したでしょうか。次の3つの中から選んでください。

  1. 低いフィードバックを受けたことで、モチベーションが下がり成績が低下した
  2. 低いフィードバックを受け取っても、仕事ぶりに変化はなかった
  3. 低いフィードバックを受け取ったことで、やる気が高まり成績が向上した

正解:C…低いフィードバックを受け取ったことで、やる気が高まり成績が向上した

解説:ハーバード大学教授のフランチェスカ・ジーノらは、新生銀行子会社のアプラスにおいて、成績の順位をフィードバックすることでスタッフの働きぶりがどのように変わるか実験を行いました。対象となったアプラスのスタッフの仕事は、ローン申請書のデータ入力など比較的定型的な繰り返し作業であり、これまで自分たちの成績がフィードバックされたこともありませんでした。そこで、「あなたの成績は24人中下位10人以内です」という情報を与えると、情報を与えられなかったスタッフと比較して、その後の成績が14%も向上しました。これは「社会的比較」といい、同僚と比較して自分が劣っていると認識したことで、傷ついた自尊心を回復させようと努力したことが、成績向上に寄与したと考えられます。

「社会的比較」は人々に強力な影響を与えますが、過度に強調すると同僚間での協力関係が損なわれるなど、負の効果も研究から確認されているため、その使い方には慎重であるべきだと言われています。

問2 デジタルデトックス

企業が従業員に対してデジタルデトックスを推奨することのメリットとして正しいものを選んでください。

  1. デジタル機器に対する依存度が低下する
  2. 従業員の⼼⾝の健康が改善し、⻑期的には⽣産性やクリエイティビティの向上が期待できる
  3. デジタル機器に頼らないことで企業の業績は落ちるが、従業員の健康のためにはやむを得ない

正解:B…従業員の⼼⾝の健康が改善し、⻑期的には⽣産性やクリエイティビティの向上が期待できる

解説:デジタルデトックスへの関⼼が高まっている理由は、従業員の⼼⾝の健康が業績に直接影響を与えるためです。過剰なデジタル機器の使用は、眼精疲労、睡眠障害、肩こりや腰痛などの⾝体的な不調を引き起こし、更にメンタルヘルスにも悪影響を及ぼす可能性があります。ただし、デジタル機器を一切使わないということではなく、一定期間、意識的に距離をとり、ストレス軽減や⼼⾝のリフレッシュを図るための取り組みです。

企業としては、従業員が適切に休息を取れるよう、リフレッシュを促す環境整備や就業時間外のメール制限を導入することが必要です。また、セルフケアの一環として、従業員がプライベートな時間においてもデジタル機器と距離を置ける方法を実践できるよう、デジタルデトックスに関する基礎知識を⾝につけてもらうことも重要です。これにより、従業員がリフレッシュし、集中⼒やモチベーションを取り戻すことで、業務効率が向上し、企業の⻑期的な成⻑と競争⼒維持に寄与する施策として注⽬されています。

問3 ゆるブラック企業

ブラック企業にもホワイト企業にも当てはまらない、「ゆるブラック企業」という言葉が主に若手ビジネスパーソンの間でトレンドになっています。「ゆるブラック企業」とはどのような企業を指すでしょうか。次の3つの中から選んでください。

  1. 労働環境は整っているけれど、賃金水準が低い企業のこと
  2. 労働環境は整っているけれど、やりがいや成長実感がわかない企業のこと
  3. 労働環境は整っているけれど、コンプライアンス意識が低い企業のこと

正解:B…労働環境は整っているけれど、やりがいや成長実感がわかない企業のこと

解説:ゆるブラック企業とは、ブラック企業と見なされるような長時間労働やパワハラなどの法令違反とは明確に距離を置き、働きやすい環境づくりを志向する一方で、「仕事にやりがいがない」「スキルアップできる環境ではない」と、ある種の物足りなさが指摘されている企業のことです。働き方を改革したのに「なぜか若手の離職が続く…」と悩む企業は「ゆるブラック」化している可能性があるかもしれません。

日本経済新聞が転職口コミサイト「オープンワーク」の協力を得て、口コミ投稿のあった6,680社の投稿を分析すると、半数近くが「ゆるブラック」傾向にあったそうです。新卒で入社した人気企業を去った20代の本音としては、主に以下が挙げられます。
・人事評価の基準がみえない。社内政治で人事が決まり、実力で評価されづらい。
・希望する部署への異動までに10年、若いうちに成長できる経験を積めるか不安。
・キャリアを積んでイキイキと仕事をしている同世代の活躍をSNSで見て焦りが出る。

「ゆるブラック」状態の組織は、キャリア志向が強い人、自立心が旺盛な人には向かない職場であり、結果、仕事のできる有能な社員は転職するというサイクルが生まれます。働き方改革が提唱されて約5年、残業や待遇など労働環境の改善だけが、会社、社員にとってのメリットなのかを今一度考えなおす時期かもしれません。

今回のクイズはいかがでしたでしょうか?

皆様に知識を広げていただくために、これからも同様の実務クイズを出題してまいりますので、今後ともぜひチェックしてください。

クイズ提供元:社会保険労務士法人 未来経営(ESコモンズ メンバー)

長野県松本市に拠点を置き、それぞれ専門分野を持つ5名の社会保険労務士が在籍しています。私たちのビジョンである「元気な会社作りのお手伝い」を実現するため、母体である税理士法人未来経営ともに、人事労務分野に積極的に携わり、トータルな企業経営サポートを実現しています。

ESコモンズ主宰 有限会社人事・労務 URL:https://www.jinji-roumu.com/