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人事総務ご担当者様向けクイズシリーズ人事総務ご担当者様向け 第27回実務トレーニングクイズ

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人事・総務の業務上で、知識をどのように実務に当てはめるかお悩みになる場面も多いかと存じます。

実務に不安を抱える人事・総務のご担当者様にお役立ていただけるよう、実務にまつわる問題をクイズ形式でご用意しました。

こちらの問題で自分の知識を確認してみましょう。

問1 60歳以上定年後再雇用と定時決定の関係について

従業員X(60歳)は、A社(給与15日締め・25日支払い)に正社員として勤務しています。4月1日に定年退職後、継続再雇用されることになり、社会保険の被保険者資格の喪失と取得を同日に行いました(いわゆる同日得喪)。賃金は定年退職前より減額され、標準報酬月額の等級は2等級低下しました。この場合、従業員Xの社会保険料の定時決定についての考え方はどうなるでしょうか。次のうちから正しいものを選んでください。

  1. 通常通り4月・5月・6月の報酬(平均月額)で定時決定を行う。
  2. 同日得喪が起きた4月を除いた5月・6月の報酬(修正平均)で定時決定を行う。
  3. 算定期間中に同日得喪が起きた場合は定時決定の対象とはならない。

正解:B…同日得喪が起きた4月を除いた5月・6月の報酬(修正平均)で定時決定を行う。

解説:従業員Xのように、60歳以上の者が、定年退職後継続再雇用された場合、再雇用された月から再雇用後の給与に応じた標準報酬月額に改定することが認められています。その際、社会保険の被保険者資格の喪失と取得を同時に行う(同日得喪)ことで、低下した報酬による標準報酬月額がすぐに適用されることになります。そのため、今回の場合は固定的賃金低下を理由とする随時改定は行われません。

また、定時決定では、「給与計算期間の途中で資格取得をしたことにより、4月・5月・6月のいずれかに 1 カ月分の報酬が支給されない月がある場合」は、修正平均を用いることになっています(該当の月を除いて算定)。そのため、従業員Xの場合、定時決定の届出対象月である4月の給与計算期間途中で同日得喪が行われていますので、4月を除いた5月・6月の報酬で修正平均を算出し、標準報酬月額を決定することになります。

問2 資格喪失後の傷病手当金について

健康保険法の改正により、傷病手当金の支給期間が「支給された日を通算して1年6か月」とされました。 退職後も傷病手当金の継続給付を受けていた元従業員Xから、「新しい会社で勤務を開始して継続給付が停止となったが、再度同じ病気で療養することになった。新しい会社では健康保険に加入していないので、以前もらっていた継続給付を再開したい。支給開始日から2年経っているが、実際に受給したのは1年2か月分なので、あと4か月分はもらえると思います。」と相談がありました。 この場合、元従業員Xの傷病手当金の取り扱いはどうなりますか。次のうちから正しいものを選んでください。

  1. 元従業員Xの言う通り、支給された期間が1年6か月に達するまでは受給が可能。
  2. 支給開始からの期間や支給された通算期間が1年6か月に達するか否かを問わず、傷病手当金は受給できない。
  3. 継続給付の場合は以前の制度が適用されるため、支給開始日から1年6か月経過している今回のケースでは受給できない。

正解:B…支給開始からの期間や支給された通算期間が1年6か月に達するか否かを問わず、傷病手当金は受給できない。

解説:傷病手当金の支給期間は健康保険法の改正により、令和4年1月1日以降、カウント方法が見直されました。改正前は「支給開始日から1年6か月」とされており、断続的な休職で傷病手当金が途切れる期間があっても、1年6か月の期間にカウントされていました。しかし、改正後は支給された日を通算して1年6か月とされ、支給開始日から1年6か月を超えても、実際に支給された日が通算して1年6か月を超えない限りは傷病手当金が支給されます。

資格喪失後の傷病手当金の継続給付とは、被保険者期間が1年以上あり、かつ現に傷病手当金を受けている、または受けられる状態であれば、被保険者として受けることができるはずであった期間において、継続して同一の保険者から給付を受けることができる制度です。

ただし、支給期間の通算は継続給付については適用されません。健康保険法第104条によれば、資格喪失後の継続給付は「継続して」受けることが定められています。そのため、一時的に労働が可能になり支給が停止された場合は、同じ疾病で再び労働不能になっても傷病手当金の支給は行われません。支給開始からの期間や支給された通算期間が1年6か月に達するか否かは関係ありません。

問3 無期転換の申込みに関する説明責任について

先日、期間の定めのあるパート従業員から、「通算契約期間が 5 年を超える有期労働契約を締結する際に無期転換の申込みができることの説明がなかったのは、会社の説明不足ではないか」と指摘を受けました。社内には、通算契約期間が5年を超えるパート従業員が数多く在籍しますが、今までそのようなことを言われたことも、実際に無期転換の申出があったこともありません。 会社は、無期転換の申込みができることを従業員に説明しなければならないのでしょうか。次のうちから正しいものを選んでください。

  1. 法律上、そのような説明をしたり、周知をしたりする義務は定められていない。
  2. 契約更新時に、口頭で簡単に説明するか、就業規則の該当箇所を明示すればよい。
  3. 無期転換の申込みについては、労働条件として明示する必要がある。

正解:A…法律上、そのような説明をしたり、周知をしたりする義務は定められていない。

解説:現状では、無期転換の申込みについて、会社が従業員に対して周知や説明をする義務はありません。そのため、現時点での正解は選択肢Aになります。ところが、令和6年4月1日以降、労働条件明示のルールが改正され、以下の①と②について、労働条件通知書などの書面等での明示が必要になります。

①無期転換権があることとその申込に関すること

②申込みによって無期転換した後の労働条件

書面等での明示は、無期転換申込権が発生する最初の契約更新時以降、すべての更新時で行う必要があるため注意が必要です。上記と合わせて、「(あれば)契約更新回数の上限を追加すること」や「就業場所・業務の変更の範囲を追加すること」も義務化されます。法改正に備えて、労働条件通知書などの書面フォームを見直す必要がありそうです。

なお、選択肢Bのように、就業規則の該当箇所を明示することまでは求められていませんが、後のトラブルを防止するためにも、就業規則の内容についても法改正に対応したものかどうかの確認をおすすめします。

今回のクイズはいかがでしたでしょうか?

皆様に知識を広げていただくために、これからも同様の実務クイズを出題してまいりますので、今後ともぜひチェックしてください。

クイズ提供元:社会保険労務士法人 未来経営(ESコモンズ メンバー)

長野県松本市に拠点を置き、それぞれ専門分野を持つ5名の社会保険労務士が在籍しています。私たちのビジョンである「元気な会社作りのお手伝い」を実現するため、母体である税理士法人未来経営ともに、人事労務分野に積極的に携わり、トータルな企業経営サポートを実現しています。

ESコモンズ主宰 有限会社人事・労務 URL:https://www.jinji-roumu.com/

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※本記事の内容についての個別のお問い合わせは承っておりません。予めご了承ください。