新規CTA

更新日:

人事総務ご担当者様向けクイズシリーズ人事総務ご担当者様向け 第25回実務トレーニングクイズ

jr_quiz03_img01_pc.jpg
jr_quiz03_img01_sp.jpg

人事・総務の業務上で、知識をどのように実務に当てはめるかお悩みになる場面も多いかと存じます。

実務に不安を抱える人事・総務のご担当者様にお役立ていただけるよう、実務にまつわる問題をクイズ形式でご用意しました。

こちらの問題で自分の知識を確認してみましょう。

問1 出張時の移動時間は労働時間となるか

X社では、従業員が出張する際に先方とのアポイント時刻が早い場合などは、会社に寄らずに直行することを認めています。また出張先までの移動時間は、通勤時間として労働時間には含めていません。今回、営業担当者が自分の都合で社用車を会社に置いて帰ってしまったため、早朝に出社して車を乗り変えてから出張先へ向かいました。直行ではありませんが、移動時間は労働時間に含める必要はないでしょうか。次のうちから正しいものを選んでください。

  1. 一度会社に出社しているため、移動時間も労働時間に含めなくてはいけない
  2. いままでと変わらず、移動時間を労働時間に含める必要はない
  3. 移動時間に関わらず、通常の始業時刻から労働時間となる

正解:B…いままでと変わらず、移動時間を労働時間に含める必要はない

解説:原則として、出張先までの移動時間は通勤時間として労働時間には含まれません。ただし、物品の監視等特段の指示がある場合は、労働時間として取り扱わなければいけません。また会社に一度出社することが義務づけられていたり、出社時に会社からの指示を受けて出張先へ向かわなければいけないような場合も、移動時間は労働時間として扱います。

今回のケースでは、自己の都合により社用車を置いて帰宅したため出社することになり、その際に会社から特段指示なども受けていません。あくまで会社を経由しただけです。そのため移動時間は通勤時間であり、労働時間とはなりません。

なお、出張先が遠方であるため、先方への到着時間が会社の始業時刻より遅くなる場合があります。このような場合であっても、あくまで移動時間は通勤時間です。しかし会社の許可あるいは指示のもと移動しているため、遅刻とはせずに会社の始業時刻から労働時間として扱うのが通常です。

問2 介護休業の申出で医師の診断書を必ず提出させることは可能か

X社では不正を防ぐため、従業員が介護休業を申出する際には必ず医師の診断書を添付してもらい、提出がない場合は休業を認めない取り扱いをしています。先日、社員Yから「医師の診断書を取るのは手間もお金もかかるので、提出を義務づけするのはやめてほしい。診断書がなくても介護休業を認めてほしい。」との訴えがありました。会社としてはどう対応すべきでしょうか。次のうちから正しいものを選んでください。

  1. 会社は介護休業の申出時に医師の診断書を義務づけすることはできないため、社員Yの訴えの通り、診断書がなくても介護休業を認めなければならない。
  2. 会社は介護休業の申出時に医師の診断書の提出を義務づけすることができるが、特別な事情がある場合は事後の提出でも良い。
  3. 会社は介護休業の申出時に医師の診断書の提出を義務づけすることができ、診断書がない場合は休業を認める必要はない。

正解:A…会社は介護休業の申出時に医師の診断書を義務づけすることはできないため、社員Yの訴えの通り、診断書がなくても介護休業を認めなければならない。

解説:介護休業を取得する場合、開始予定日の2週間前までに書面で申し出る必要があります。
使用者は、申出時に「対象家族の氏名及び労働者との続柄」、「対象家族の要介護状態」の証明書類の提出を労働者に対し求めることができます。証明書類は医師の診断書だけに限らず、障害者手帳・介護認定証・入院証明書等が該当し、提出は事後でも差し支えないとされています。

ただし通達によると、対象家族が要介護状態にある事実は「対象家族が2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態である旨を記載されていれば足りる」とされており、証明書類(医師の診断書を含む)の提出を義務づけることまではできないと解されています。更に、労働者が証明書類の提出を拒否した場合でも申出自体の効力には影響がないとしています。

以上のことから、介護休業の申出において、労働者から証明書類の提出を義務づけること及び証明書類を提出しないことによる介護休業の申出の拒否は、法よりも厳しい規定を置くことになるため、認められないとされています。

ただし、虚偽の申出により介護休業給付金の不正受給があった場合、受給額の返還納付処分を受けることになり、事業主も連帯して処分を受ける場合があります。そのため、証明書類の強制はできないとしても、会社に悪影響を及ぼすこともあることを説明し、なるべく提出してもらえるような雰囲気づくりをしていくことが重要です。

問3 育児休業期間中の就労について

X社において、2023年4月に女の子を出産し、現在、育児休業を取得中の従業員Yがいます。そんな折、2023年10月に会社の人手不足が深刻化し、業務が滞る日が増えてきたため、X社はYに対して一時的な就労を依頼したいと考えています。しかし、育児休業開始当初、Yの育児休業期間中の就労は予定されていませんでした。X社の打診に対して、Yは就労に前向きですが、正式に復帰することなく育児休業は継続したいという意向があります。この状況下で、どのような場合であればYの就労は可能でしょうか。次のうちから正しいものを選んでください。

  1. YとX社が協議し、毎週火曜日に4時間の就労を行うという条件で合意した場合。
  2. YとX社が協議し、特定の日や時間を固定せず、Yの都合やX社の必要性に応じて都度就労日・就労時間を調整する条件で合意した場合。
  3. 育児休業制度上、X社都合での一時的な就労は、Yの同意があっても認められない。

正解:B…YとX社が協議し、特定の日や時間を固定せず、Yの都合やX社の必要性に応じて都度就労日・就労時間を調整する条件で合意した場合。

解説:育児・介護休業法の育児休業は、子の養育を行うために、休業期間中の労務提供義務を消滅させる制度であり、休業期間中に就労することは想定されていません。ただし、労使の協議の結果として、子の養育に差し支えない場合に限り、一時的・臨時的な就労を認められます。ただし、恒常的・定期的な就労となると、育児休業の意味合いが失われるため、これは認められません。

一時的・臨時的な就労を行う場合、就労が月10日(10日を超える場合は80時間)以下であれば、育児休業給付金が支給されます。また、育児休業期間中に賃金が支払われた場合は、育児休業給付金が減額支給される場合等もありますので、一時的・臨時的な就労について検討する際には、この点も考慮することが重要です。

一方、産後パパ育休(出生時育児休業)制度は、休業期間中の就労に関して別の規定があるため、混同しないよう注意が必要です。

今回のクイズはいかがでしたでしょうか?

皆様に知識を広げていただくために、これからも同様の実務クイズを出題してまいりますので、今後ともぜひチェックしてください。

クイズ提供元:社会保険労務士法人 未来経営(ESコモンズ メンバー)

長野県松本市に拠点を置き、それぞれ専門分野を持つ4名の社会保険労務士が在籍しています。私たちのビジョンである「元気な会社作りのお手伝い」を実現するため、母体である税理士法人未来経営ともに、人事労務分野に積極的に携わり、トータルな企業経営サポートを実現しています。

ESコモンズ主宰 有限会社人事・労務 URL:https://www.jinji-roumu.com/

新規CTA

※本記事の内容についての個別のお問い合わせは承っておりません。予めご了承ください。