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人事総務ご担当者様向けクイズシリーズ人事総務ご担当者様向け 第23回実務トレーニングクイズ

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人事・総務の業務上で、知識をどのように実務に当てはめるかお悩みになる場面も多いかと存じます。

実務に不安を抱える人事・総務のご担当者様にお役立ていただけるよう、実務にまつわる問題をクイズ形式でご用意しました。

こちらの問題で自分の知識を確認してみましょう。

問1 歩合給の場合の最低賃金額について

当社は基本給(月額固定給)のほか、歩合給(出来高)を支給している従業員が数名います。月給制の場合は、固定給を1か月平均所定労働時間で除した額と最低賃金額を比較することとなっていると思いますが、歩合給が支給されるような場合はどのように比較すればよいでしょうか。次のうちから正しいものを選んでください。 ※例:基本給100,000円、歩合給85,000円、1か月平均所定労働時間160時間、月間総労働時間200時間)

  1. (基本給100,000円+歩合給85,000円)÷1か月平均所定労働時間(160時間)と最低賃金額を比較する
  2. (基本給100,000円+歩合給85,000円)÷月間総労働時間(200時間)と最低賃金額を比較する
  3. 基本給100,000円÷1か月平均所定労働時間160時間+歩合給85,000÷月間総労働時間200時間と最低賃金額を比較する

正解:C…基本給100,000円÷1か月平均所定労働時間160時間+歩合給85,000÷月間総労働時間200時間と最低賃金額を比較する

解説:固定給と歩合給が併せて支給されている場合は、それぞれを1か月平均所定労働時間と月間総労働時間とで除してから足し合わせた額を最低賃金額と比較します。上記のケースであれば、基本給100,000円÷1か月平均所定労働時間160時間=625円と歩合給85,000÷月間総労働時間200時間=425円を足し合わせた1,050円が最低賃金を上回っているか確認します。

ただし、時間外労働、深夜労働をしたことによる割増賃金は歩合給とはなりませんので、計算から除外する必要がります。なお、オール歩合給制の場合は、歩合給を月間総労働時間で除した額と最低賃金額を比較することとなります。

問2 所定労働時間が変更された場合の、時間単位で取得可能な年休の取扱いついて

弊社はパート社員であっても時間単位年休の取得を許可しています。この度、時間単位年休として取得できる時間が3日と4時間残っているパート社員の労働時間が、7時間から5時間に減ることになりました。この場合、残っている年休の合計時間はどうなりますか。 次のうちから正しいものを選んでください。

  1. 年休付与時の条件で、7時間×3日+4時間=25時間
  2. 所定労働時間の変更によって、5時間×3日+4時間=19時間
  3. 所定労働時間の変更によって、5時間×3日+3時間=18時間

正解:C…所定労働時間の変更によって、5時間×3日+3時間=18時間

解説:日単位で残っている部分の年休は、変更後の所定労働時間に応じて調整されます。一方、日単位未満の部分は、所定労働時間の変動に比例して変更されます。

今回、所定労働時間が7時間から5時間に変更されたため、残りの3日と4時間の年休は、3日と4時間/7時間(変更前の1日あたりの時間数)×5時間(変更後の1日あたりの時間数)として計算されます。

【変更前】3日(1日あたりの時間数は7時間)+4時間
【変更後】3日(1日あたりの時間数は5時間)+3時間(比例して変更すると2.85時間となりますが、1時間未満の端数は切り上げます)

その結果、18時間の年休が残っていることになります。

問3 2以上の適用事業所に使用される者の社会保険料について

2つの適用事業所に使用されている従業員がいます。会社Aでは140万円、会社Bでは20万円の報酬を受け取っています。このとき、社会保険の資格と保険料はどのように取り扱うでしょうか。次のうちから正しいものを選んでください。

  1. 会社Aで標準報酬の等級の上限を超えているので、会社Aのみで加入し、保険料を負担する
  2. 2つの事業所でそれぞれ社会保険に加入し、それぞれの標準報酬をもとに保険料を負担する
  3. 2つの事業所で社会保険に加入するが、保険料は報酬の比率により案分して負担する

正解:C…2つの事業所で社会保険に加入するが、保険料は報酬の比率により案分して負担する

解説:厚生年金保険及び健康保険では、適用事業所に使用される者は全員が被保険者となります。そのため、2つ以上の適用事業所に同時に使用される者も、各事業所で被保険者として扱う必要があります。

このような状況の被保険者は、「健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」を10日以内に日本年金機構へ提出します。そして、主たる事業所を選択して、管轄する年金事務所や保険者を決定します。決定した標準報酬月額および保険料額は、選択した事業所の所在地を管轄する事務センターから、それぞれの事業所へ通知します。

報酬月額は各事業所の合算額により標準報酬月額が決定され、保険料はこの標準報酬月額を基に、報酬の比率により按分されることになっています。

今回のクイズはいかがでしたでしょうか?

皆様に知識を広げていただくために、これからも同様の実務クイズを出題してまいりますので、今後ともぜひチェックしてください。

クイズ提供元:社会保険労務士法人 未来経営(ESコモンズ メンバー)

長野県松本市に拠点を置き、それぞれ専門分野を持つ5名の社会保険労務士が在籍しています。私たちのビジョンである「元気な会社作りのお手伝い」を実現するため、母体である税理士法人未来経営ともに、人事労務分野に積極的に携わり、トータルな企業経営サポートを実現しています。

ESコモンズ主宰 有限会社人事・労務 URL:https://www.jinji-roumu.com/

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※本記事の内容についての個別のお問い合わせは承っておりません。予めご了承ください。