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人事総務ご担当者様向けクイズシリーズ人事総務ご担当者様向け 第20回実務トレーニングクイズ

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人事・総務の業務上で、知識をどのように実務に当てはめるかお悩みになる場面も多いかと存じます。

実務に不安を抱える人事・総務のご担当者様にお役立ていただけるよう、実務にまつわる問題をクイズ形式でご用意しました。

こちらの問題で自分の知識を確認してみましょう。

問1 出生時育児休業(産後パパ育休)給付金について

従業員から出生時育児休業(産後パパ育休)を取得したいと申し出がありました。申し出があったのが令和5年4月3日から20日までの18日間の休業で、そのうち10日と14日の2日は就業を希望しています。就業日は始業から終業まで所定労働時間を働き、給与は休業開始時賃金日額の100%が支給されます。この場合、出生時育児休業給付金の考え方はどのようになるでしょうか。次のうちから正しいものを選んでください。

  1. 就業日を除いた16日間について、休業開始時賃金日額の80%の給付金が支給される
  2. 就業日を除いた16日間について、休業開始時賃金日額の67%の給付金が支給される
  3. 就業日を含めた18日間について、休業開始時賃金日額の67%の給付金が支給される

正解:B…就業日を除いた16日間について、休業開始時賃金日額の67%の給付金が支給される

解説:出生時育児休業給付金は、雇用保険の被保険者が出生時育児休業(産後パパ育休)を取得した場合、一定の要件を満たすことで支給を受けることができます。名称が異なっていますが基本的な考え方、支給要件等は育児休業給付金と同様です。

給付率については、出生時育児休業給付金の給付率は休業開始時賃金日額の67%と、育児休業給付金と同じ給付率です。出生時育児休業給付金が支給された日数は、育児休業給付金の給付率67%の上限日数である180日に通算されることになります。

また出生時育児休業は事前に申し出ることで休業期間中の就業が可能となっていますが、就業した時間・日数に対し、賃金が「休業開始時賃金日額の80%以上」支払われている場合には出生時育児休業給付金は支給されません。
よって、今回のケースでは就業日を除いた16日間について、休業開始時賃金日額の67%の給付金が支給されることになります。

なお、令和5年3月に示された「こども・子育て政策の強化について(試案)~次元の異なる少子化対策の実現に向けて~」において、出生時育児休業給付金の支給率及び女性の産休後の育休について28日間を限度に80%程度に引き上げる旨の記載があります。今後給付率が変更となる可能性がありますので、改正について注視していきましょう。

問2 育児休業中の第2子の出産

当社で育児休業中の女性従業員から第2子を妊娠したと報告を受けました。話を聞くと、出産予定日は第1子の育児休業中になりそうです。このような、第1子の育児休業と第2子の産前休業が重複するような場合、どちらの休業になるのでしょうか?次のうちから正しいものを選んでください。

  1. 育児休業よりも必ず産前休業が優先されるため、第2子の産前休業となる
  2. 本人が産前休業を申請しなければ、第2子の育児休業が開始されるまでは第1子の育児休業が継続する
  3. 本人が産前休業を申請しなければ、第2子の出産日に第1子の育児休業が終了する

正解:C…本人が産前休業を申請しなければ、第2子の出産日に第1子の育児休業が終了する

解説:第2子の産前休業と第1子の育児休業では、産前休業が優先されます。ただし、従業員が第2子の産前休業を請求したときに限ります。産前休業は従業員が事業主に請求することにより取得でき、必ず産前休業を取得しなければならないものではありません。

一方、産後休業は、従業員の請求の有無に関わらずその就業を禁止する強制的な休業です。したがって、請求により第2子の産前休業が始まると、その時点で第1子の育児休業が終了しますが、産前休業の申請がない場合、第2子の産後休業が開始される前日(出産日)に第1子の育児休業は終了します。

実は、その休業が、育児休業なのか産前休業なのかは、受給できる出産手当金及び育児休業給付金に大きく影響します。なぜなら、出産手当金は、出産のために仕事をしておらずその間の給与の支払いがなかった場合に支給されるものに対して、育児休業給付金は、原則、育児休業中に仕事をしておらず給与の支払いがなかった場合(一部例外あり)に支給されるからです。

つまり、第2子の産前休業を請求しない場合、第1子の育児休業が継続され第2子出産日までは育児休業給付金の支給が継続されます。さらに、出産手当金は、産前期間中に妊娠出産のために仕事をせずに給与の支払いがなければ支給されるため、出産日まで育児休業と出産手当金を両方受給できるのです。

問3 社会保険の被扶養者認定

パートとして勤務しているAさん(45歳)が、「同居する主人の扶養(協会けんぽ)に入りたいのですが、収入の基準(130万円未満)を満たしているのかわからないので教えてほしい」と総務部に相談にきました。Aさんの令和4年1月1日から12月31日までの年間収入は200万円です。ちなみに令和5年4月以降は、家庭の事情でシフトを減らしてもらうことになっているため、毎月8万円を超えることはないとのことです。この相談に対する回答として正しいものを、次のうちから選んでください。

  1. 令和4年の年間収入が130万円を大きく超えているため、被扶養者に認定されない
  2. 令和5年の年間収入が予測できないので、被扶養者に認定されない
  3. 令和5年4月以降、収入が130万円未満となる見込みなので、被扶養者に認定される

正解:C…令和5年4月以降、収入が130万円未満となる見込みなので、被扶養者に認定される

解説:被扶養者として認定されるには、主として被保険者の収入により生計を維持されていることが必要です。認定については、以下の基準により判断をします。

  • 認定対象者(60歳未満)が被保険者と同一世帯に属している場合 認定対象者の年間収入が130万円未満であって、かつ、被保険者の年間収入の2分の1未満であること
  • 認定対象者(60歳未満)が被保険者と同一世帯に属していない場合 認定対象者の年間収入が130万円未満であって、かつ、被保険者からの援助による収入額より少ないこと

ここでいう年間収入とは、過去の収入のことではなく、被扶養者に該当する時点および認定された日以降の年間の見込み収入額のことをいいます。よって、令和5年4月以降の収入見込みが130万円未満かどうかで判断するということになります。よって今回のケースでは被扶養者に認定されるといえます。

今回のクイズはいかがでしたでしょうか?

皆様に知識を広げていただくために、これからも同様の実務クイズを出題してまいりますので、今後ともぜひチェックしてください。

クイズ提供元:社会保険労務士法人 未来経営(ESコモンズ メンバー)

長野県松本市に拠点を置き、それぞれ専門分野を持つ5名の社会保険労務士が在籍しています。私たちのビジョンである「元気な会社作りのお手伝い」を実現するため、母体である税理士法人未来経営ともに、人事労務分野に積極的に携わり、トータルな企業経営サポートを実現しています。

ESコモンズ主宰 有限会社人事・労務 URL:https://www.jinji-roumu.com/

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※本記事の内容についての個別のお問い合わせは承っておりません。予めご了承ください。