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人事総務ご担当者様向けクイズシリーズ人事総務ご担当者様向け 第13回実務トレーニングクイズ

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人事・総務の業務上で、知識をどのように実務に当てはめるかお悩みになる場面も多いかと存じます。

実務に不安を抱える人事・総務のご担当者様にお役立ていただけるよう、実務にまつわる問題をクイズ形式でご用意しました。

こちらの問題で自分の知識を確認してみましょう。

問1 新型コロナウイルス感染症罹患による傷病手当金について

眼科クリニックに勤務する事務職の職員Aが新型コロナウイルスに感染しました。令和4年10月3日にAの家族2名の陽性が判明したため、本人は無症状でしたが抗原検査を実施したところ陰性でした。翌日の4日に実施した抗原検査も陰性だったのですが、その日の夜に発熱と咽頭痛の症状が現れたため、5日朝に抗原検査を実施したところ陽性反応が出たということでした。療養期間を過ぎても体調が悪いため、本人の判断により発症日から12日間にわたって欠勤し、13日目にようやく通常業務に復帰することができました。
職員A以外の感染者はおらず、また感染経路は家族によることが明らかですので、健康保険の傷病手当金を申請するのですが、この場合、傷病手当金の対象となる期間はどうなりますか。次のうちから正しいものを選んでください。

  1. 療養解除基準が見直されたことにより、新型コロナウイルス感染症は、発症日から7日間のみが申請期間になる。
  2. 体調不良のため労務不能だった12日間が申請期間になる。
  3. 医師の意見が受けられないので、療養状況申立書によって保険者が労務不能であったと認めた日数が申請期間として認められる。

正解:C…医師の意見が受けられないので、療養状況申立書によって保険者が労務不能であったと認めた日数が申請期間として認められる。

解説:新型コロナウイルス感染症の患者に対する療養解除基準について見直され、令和4年9月7日からは、症状があっても入院していない場合は、発症日から7日間経過し、かつ、症状軽快後24時間経過した場合には、8日目から療養解除が可能になりました。つまり、何らかの症状が残っており労務ができない状態であっても、症状軽快であれば療養解除されてしまいますので、注意が必要です。

療養解除後も労務できる状態になければ、医療機関を受診して復帰時期を相談していただき、傷病手当金申請書に医師の意見がうけられるとよいのですが、原因が明らかなこともあって、改めて受診するケースは多くありません。そのため、解除後も労務できない状態にある場合には、療養状況申立書に自覚症状や具体的な療養状況を記載して、保険者に労務不能であったと認められれば、自主判断であっても受給できることがあります。

実務としては、実際に休業した期間を申請期間として記載し、療養状況申立書に労務ができなかった事情があることを具体的に記載して、後は保険者に判断を任せるのがよいでしょう。

問2 労働契約書に定められた労働時間を超えて週の所定労働時間が長くなってしまった場合の社会保険の加入要件について

令和4年10月より、100人以上の被保険者のいる事業所では、週の所定労働時間が20時間以上ある従業員にも社会保険の加入が適用拡大されました。 そこで質問です。雇用契約書で定められた所定労働時間が週 20 時間未満ですが、業務の都合等により恒常的に実際の労働時間が週 20 時間以上となった場合は、社会保険に加入すべきでしょうか。次のうちから正しいものを選んでください。

  1. 労働契約書において週20時間未満となっていれば、社会保険に加入する義務はない。ただし、次回契約を更新する際に契約する所定労働時間を見直す必要がある
  2. 週20時間以上の月が2か月連続した場合、引き続き同じ状態が続く見込みであれば、3か月目の初日に社会保険に加入する
  3. 週20時間以上勤務する見込みが確実となった時点で、直ちに社会保険に加入させる

正解:B…週20時間以上の月が2か月連続した場合、引き続き同じ状態が続く見込みであれば、3か月目の初日に社会保険に加入する

解説:たとえ労働契約書において週の所定労働時間が20時間未満であっても、実際の労働時間が20時間以上となった場合は社会保険に加入する必要があります。ただし、業務の都合上一時的に所定労働時間が長くなってしまったケースもあるため、連続する2月において週20時間以上となった場合で、引き続き同じ状態が続いている又は続くことが見込まれるときは、3か月目の初日より被保険者資格を取得します。

またシフト表は週20時間未満であっても、実際はシフト時間より長く勤務しており、実態は週20時間以上となっているようなケースでも上記と同じ取り扱いとなるでしょう。

問3 育児休業中の保険料免除要件

男性従業員Yが、来月出生予定の子の出生時育児休業(産後パパ育休)を分割して取得することになりました。パートナーと子の退院が月初のため、それに合わせて3日から7日までの5日間と、月の半ば以降はYの仕事が落ち着くため、16日から26日までの11日間を休業する予定です。 その場合、Yの保険料の免除についてどうなりますか。次のうちから正しいものを選んでください。

  1. 月の末日が育児休業期間ではないため、保険料免除の対象にはならない。
  2. それぞれの育児休業の期間は14日未満のため、保険料免除の対象にはならない。
  3. 同月内の育児休業は合算でき、このケースでは合計16日となるため、保険料免除の対象となる。

正解:C…同月内の育児休業は合算でき、このケースでは合計16日となるため、保険料免除の対象となる。

解説:2022年10月1日以降に取得する育児休業等について、月額保険料は以下の2つのパターンに該当するときは、その月の社会保険料が免除されることになっています。

①月の末日が育児休業等期間中である場合(就業予定日がある場合は、就業日を除く)

②同月中に14日以上育児休業等を取得した場合


今後、短めの育児休業等を複数回取得するようなケースが出てくることが予想されますが、②のパターンでは、休業は連続していなくてもよく、開始日と終了予定日の翌日が同一月に属する育児休業等については、合算できることがポイントです。今回の事例では、合算すると14日以上になるため、保険料免除の対象となります。

また、今回の事例では、休業期間に就労の予定はありませんが、産後パパ休業中は就業が認められるので要注意です。就業日数は育児休業等日数から除外することになりますので、実務上はしっかり押さえておきたいポイントです。

今回のクイズはいかがでしたでしょうか?

皆様に知識を広げていただくために、これからも同様の実務クイズを出題してまいりますので、今後ともぜひチェックしてください。

クイズ提供元:社会保険労務士法人 未来経営(ESコモンズ メンバー)

長野県松本市に拠点を置き、それぞれ専門分野を持つ5名の社会保険労務士が在籍しています。私たちのビジョンである「元気な会社作りのお手伝い」を実現するため、母体である税理士法人未来経営ともに、人事労務分野に積極的に携わり、トータルな企業経営サポートを実現しています。

ESコモンズ主宰 有限会社人事・労務 URL:https://www.jinji-roumu.com/

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※本記事の内容についての個別のお問い合わせは承っておりません。予めご了承ください。