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人事総務ご担当者様向けクイズシリーズ人事総務ご担当者様向け 第12回実務トレーニングクイズ

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人事・総務の業務上で、知識をどのように実務に当てはめるかお悩みになる場面も多いかと存じます。

実務に不安を抱える人事・総務のご担当者様にお役立ていただけるよう、実務にまつわる問題をクイズ形式でご用意しました。

こちらの問題で自分の知識を確認してみましょう。

問1 基本手当日額の計算

離職時における年齢が32歳の人の賃金日額が4,500円だった時、この人の基本手当の日額はいくらになるでしょうか。下の表を元に算定してください。なお、基本手当の受給要件はすべて満たしているとしてください。

-表1-

離職時に60歳未満の受給資格者
賃金日額の範囲 基本手当の日額
2,577円以上4,970円未満 賃金日額×100分の80
4,970円以上12,240円未満 賃金日額×100分の80~50
12,240円以上 賃金日額×100分の50
  1. 4,500円
  2. 3,600円
  3. 2,250円

正解:B…3,600円

解説:基本手当の算定は賃金日額により乗じる率が異なります(表1)。今回の場合、賃金日額は一番上の行の「2,577円以上4,970円未満」の範囲に入るため、乗じる率は100分の80となります。
したがって、4,500円×100分の80=3,600円が基本手当の日額となります。

問2 歩合給に対する年次有給休暇の取り扱い

当社の営業社員は基本給のほかに、新規契約件数に応じて支払われる歩合給があります。なお年次有給休暇を取得した場合は、「所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金を支払う」と就業規則に定めています。そのため年次有給休暇を取得した場合は、基本給については控除せずそのまま満額支給していますが、歩合給については特段なにも支給していません。 そうしたところ、営業社員から「歩合給についても補償すべきだ」といわれました。年次有給休暇を取得した場合の歩合給についてはどう処理すべきでしょうか。次のうちから正しいものを選んでください。

  1. 歩合給はあくまで契約件数に応じたインセンティブなので、なにも支給する必要はない
  2. 歩合給であっても有給を取得した日数に応じた「通常の賃金」を支払うべき
  3. 歩合給が基本給を上回る程度支給されている場合は、歩合給といえども「通常の賃金」を支払うべき

正解:B…歩合給であっても有給を取得した日数に応じた「通常の賃金」を支払うべき

解説:たとえ歩合給であったとしても、年次有給休暇を所得しなかったら得られたであろう歩合給相当額を、「通常の賃金」として支払わなければいけません。この場合の通常の賃金の計算方法は以下のとおりとなります。

通常の賃金=算定期間における歩合給総額算定期間における総労働時間算定期間における1日の平均所定労働時間

例えば歩合給が10万円で算定期間における総労働時間が200時間、所定労働時間が8時間であった場合、歩合給に対する通常の賃金は4,000円になります。

10万円200時間×8時間=4,000円

計算する際のポイントは、分母が1か月の「平均所定労働時間」ではなく、「総労働時間」というところです。よく固定賃金は控除せずそのまま支給して、歩合給についてはなにも支給していないケースがみられます。しかしこれは労基法違反となりますので、注意が必要です。

問3 勤務時間が定まっていないシフト制で勤務するアルバイトの労働条件通知書

新しくアルバイトの従業員を採用することになり、労働条件通知書を渡そうと思っています。ただし当社は飲食店で季節変動が大きいため、アルバイトの勤務時間や出勤日については、毎月シフト表を作成して明示しています。このような変動的なシフト制による場合、労働条件通知書に明示する「始業及び終業の時刻」や「休日」に関する項目は、どのように記載すればいいでしょうか。次のうちから正しいものを選んでください。

  1. 勤務時間を特定することができないため、労働条件通知書には「シフト表による」と記載したうえで毎月のシフト表を交付する
  2. 「シフト表による」と記載するだけでは足りず、日ごとの始業及び終業時刻を明記するか、原則的な始業及び終業時刻を記載したうえでシフト表を交付する
  3. シフト表が出来上がった時点で、改めて勤務時間を労働条件通知書に記載し、その都度雇用契約を締結し直さなければいけない。

正解:B…「シフト表による」と記載するだけでは足りず、日ごとの始業及び終業時刻を明記するか、原則的な始業及び終業時刻を記載したうえでシフト表を交付する

解説:使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して「始業及び終業の時刻」や「休日」に関する事項などを書面により明示しなければならないこととされています。そのため労働条件通知書等に、単に「シフトによる」と記載するだけでは足りず、労働日ごとの始業及び終業時刻を明記するか、原則的な始業及び終業時刻を記載したうえで一定期間分のシフト表等をあわせて労働者に交付するなどの対応が必要です。

同様に休日についても、具体的な曜日等が確定していない場合は、休日の設定にかかる基本的な考え方などを明示しなければいけません。

  • 一定の期間中に労働日が設定される最大の日数、時間数、時間帯
  • 一定の期間中の目安となる労働日数、労働時間数
  • 一定の期間において最低限労働する日数、時間数

などを設定し、労働条件通知書等にて明示するのがいいでしょう。

今回のクイズはいかがでしたでしょうか?

皆様に知識を広げていただくために、これからも同様の実務クイズを出題してまいりますので、今後ともぜひチェックしてください。

クイズ提供元:社会保険労務士法人 未来経営(ESコモンズ メンバー)

長野県松本市に拠点を置き、それぞれ専門分野を持つ5名の社会保険労務士が在籍しています。私たちのビジョンである「元気な会社作りのお手伝い」を実現するため、母体である税理士法人未来経営ともに、人事労務分野に積極的に携わり、トータルな企業経営サポートを実現しています。

ESコモンズ主宰 有限会社人事・労務 URL:https://www.jinji-roumu.com/

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※本記事の内容についての個別のお問い合わせは承っておりません。予めご了承ください。