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人事総務ご担当者様向けクイズシリーズ人事総務ご担当者様向け 第8回実務トレーニングクイズ

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人事・総務の業務上で、知識をどのように実務に当てはめるかお悩みになる場面も多いかと存じます。

実務に不安を抱える人事・総務のご担当者様にお役立ていただけるよう、実務にまつわる問題をクイズ形式でご用意しました。

こちらの問題で自分の知識を確認してみましょう。

問1 社会保険適用拡大における「週20時間」の考え方

令和4年10月以降、社会保険の適用範囲が拡大されます。新たに社会保険が適用される対象者の条件の一つに「1週間の所定労働時間が20時間以上の者」が挙げられますが、所定労働時間が一定ではなく、短期的・周期的に変動するような場合、「週20時間」はどのようにカウントするでしょうか。次のうちから正しいものを選んでください。

  1. 当該周期におけるもっとも所定労働時間が少ない週が20時間以上か否かで判断する
  2. 当該周期におけるもっとも所定労働時間が多い週が20時間以上か否かで判断する
  3. 当該周期における1週間の所定労働時間を平均し、20時間以上か否かを判断する

正解:C…当該周期における1週間の所定労働時間を平均し、20時間以上か否かを判断する

解説:原則、週の所定労働時間は、就業規則、雇用契約書等により確認します。しかし中には所定労働時間が短期的・周期的に変動するような短時間労働者も存在します。そのような場合の「週20時間」の考え方については、「短時間労働者に対する健康保険 ・厚生年金保険の適用拡大Q&A集」に「1週間の所定労働時間が短期的かつ周期的に変動し一定ではない場合等は、当該周期における1週間の所定労働時間を平均し、算出します。」との回答があります。

変形周期が1ヶ月であれば、1ヵ月の所定労働時間を 12 分の52 で除して算出します(1年間を 52 週とし、1ヵ月を 12 分の 52 週とし、12 分の 52 で除すことで1週間の所定労働時間を算出する)。変形周期が1年であれば、1年の所定労働時間を 52 で除して算出します。

また雇用契約書等で定められた所定労働時間が週 20 時間未満である者が、業務の都合等により恒常的に実際の労働時間が週20時間以上となった場合の取り扱いですが、実際の労働時間が、連続する2月において週20時間以上となった場合で、 引き続き同様の状態が続いている又は続くことが見込まれる場合は、実際の労働時間が週20時間以上となった月の3月目の初日に、被保険者の資格を取得することになります。

問2 新型コロナウイルス感染症と労災保険給付

業務中において新型コロナウイルスに感染し仕事を休んだ場合、労働者災害補償保険より保険給付を受けることができます。では、感染経路が業務によることが明らかではないものの、感染リスクの高い業務に従事している従業員が、コロナウイルスに感染し仕事を休んだ場合はどうでしょうか。次のうちから正しいものを選んでください。

  1. 業務外で感染したことが明らかな場合を除き、原則労災保険給付の対象となる
  2. 感染経路が業務によることが明らかでなければ労災保険給付の対象となることはない
  3. 新型コロナウイルスに感染したことにより仕事を休んだ場合は、労災保険給付ではなく、健康保険の傷病手当金が給付される

正解:A…業務外で感染したことが明らかな場合を除き、原則労災保険給付の対象となる

解説:新型コロナウイルス関連して労災対象となるのは、感染経路が業務によることが明らかであるケースに限らず、感染経路が不明であっても、感染リスクが高い業務※1に従事し、それにより感染した蓋然性が強い場合は労災保険給付の対象となります。

医師、看護師、介護の業務に従事される方々については、業務外で感染したことが明らかではない限り、原則として労災対象となります。また新型コロナウイルス感染症による症状が持続し、療養や休業が必要と認められる場合にも、労災保険給付の対象となります。

※1 複数の感染者が確認された労働環境下での業務、顧客等との近接や接触の多い労働環境科下の業務

問3 育児休業中に支払われた賞与に係る社会保険料の扱い

育児休業を取得中の従業員がいます。会社で決算賞与を支給することになり、育児休業中の従業員も支給対象となりました。さて、この場合、賞与に係る保険料は免除の対象になるでしょうか。また免除となった場合に、将来の年金給付額に影響はあるでしょうか。次のうちから正しいものを選んでください。

  1. 賞与に係る保険料に関しては免除の対象とならない。
  2. 賞与に係る保険料は免除の対象になるが、将来の年金額には反映されない。
  3. 賞与に係る保険料は免除の対象になり、将来の年金額にも反映される。

正解:C…賞与に係る保険料は免除の対象になり、将来の年金額にも反映される。

解説:会社が年金事務所に育児休業等取得者申出書を提出したときは、育児休業を開始した日の属する月から終了する日の翌日が属する月の前月まで、保険料を徴収はしないことになっています。

この保険料の免除は毎月の給与、そして賞与にも適用されますので、今回の場合については育児休業中の従業員に支払う賞与からは保険料を控除しない取扱いになります。

年金給付額を計算する際には、免除期間については保険料を納めたものとして扱います。会社が賞与支払い届を提出することで、育児休業中の従業員も賞与に係る保険料を納めたものとして、年金給付額に反映されることになります。

さて、賞与の保険料免除に関して今後注意が必要なのが、令和4年10月からの「育児休業等期間中の保険料の免除要件の見直し」です。これまでは月末に1日でも育児休業を取得していれば、その月に支払われた賞与の保険料は免除になりましたが、令和4年10月1日以降は、賞与に係る保険料については1月を超える育児休業等を取得している場合に限り、保険料免除の対象になります。

最近ではパパ育休の取得促進などもあり、賞与支給月の月末を絡めて短期間の育児休業を取得するパターンも見受けられましたが、令和4年10月1日以降は免除のルールが変わりますので、ご注意ください。

今回のクイズはいかがでしたでしょうか?

皆様に知識を広げていただくために、これからも同様の実務クイズを出題してまいりますので、今後ともぜひチェックしてください。

クイズ提供元:社会保険労務士法人 未来経営(ESコモンズ メンバー)

長野県松本市に拠点を置き、それぞれ専門分野を持つ5名の社会保険労務士が在籍しています。私たちのビジョンである「元気な会社作りのお手伝い」を実現するため、母体である税理士法人未来経営ともに、人事労務分野に積極的に携わり、トータルな企業経営サポートを実現しています。

ESコモンズ主宰 有限会社人事・労務 URL:https://www.jinji-roumu.com/

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※本記事の内容についての個別のお問い合わせは承っておりません。予めご了承ください。