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人事総務ご担当者様向けクイズシリーズ人事総務ご担当者様向け 第6回実務トレーニングクイズ

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人事・総務の業務上で、知識をどのように実務に当てはめるかお悩みになる場面も多いかと存じます。

実務に不安を抱える人事・総務のご担当者様にお役立ていただけるよう、実務にまつわる問題をクイズ形式でご用意しました。

こちらの問題で自分の知識を確認してみましょう。

問1 通勤災害について

次のうち、労災(通勤災害)にあたる事例はいくつあるでしょうか。

①帰宅途中、スーパーマーケットに立ち寄って食料品を購入し、その後通常のルートで帰宅途中に負傷した。
②出張中、地元有名店で食事するために移動している途中に事故にあった。
③出勤途中に体調が悪く、会社に連絡し有給を取得することとし自宅へ引き返す途中で負傷した。
④自宅敷地内にある車庫の中で転倒し、骨折した。
⑤アルバイトが予備校から直接出勤する途中で事故に遭いけがを負った。
⑥帰宅途中、スーパーマーケットに立ち寄って食料品を購入している時にスーパー内で負傷した。
⑦バイク通勤が禁止されている会社の従業員が、会社に無断でバイク通勤をしており、通勤途中で事故にあい負傷した。

  1. 2つ
  2. 3つ
  3. 4つ

正解:A…2つ(①と⑦)

解説:通勤災害とは、労働者が通勤により被った負傷、疾病、障害又は死亡を言います。「通勤」とは就業に関して、次に掲げる移動を、(1)住居と就業場所との往復、(2)就業場所から他の就業場所への移動、(3)住居と就業場所との間の往復に先行し、又は後続する住居間の移動を、合理的な方法及び経路により行うことをいいます(業務の性質を有するものを除く)。 

ただし、通常の移動経路から逸脱したり、又は移動を中断した場合には、逸脱又は中断の間とその後の移動は「通勤」とはなりません。一方、逸脱又は中断が日常生活上必要な行為であって、厚生労働省令で定めるやむを得ない事由により行うための最小限度のものである場合は、逸脱又は中断の間を除き「通勤」となります。よって…

①スーパーでの食料品の買い物は日常生活上必要な行為にあたり、必要最小限のものである場合は、逸脱又は中断の間を除き「通勤」となり通勤災害となります。

⑦バイク通勤は「合理的な方法」に当たりますので通勤災害として認められます。労災認定と会社のルール(就業規則等)は別のものと考えます。

問2 高年齢雇用継続基本給付金を受けていた方が転職した場合の給付について

前職で60歳の定年後1年間継続雇用され、高年齢雇用継続基本給付金を受けていた方を採用することになりました。前職を退職してから基本手当は受けていない状況です。この方は前職で高年齢雇用継続基本給付金を既に受給していますが、引き続き受給することはできるでしょうか。なお、再就職後の賃金は60歳時点の75%未満となる予定です。次のうちから正しいものを選んでください。

  1. 一度退職しているので、高年齢再就職給付金の受給対象になる
  2. 手続き不要で、前職で受給していた高年齢雇用継続基本給付金を引き続き受給できる
  3. 高年齢雇用継続基本給付金は受給できるが、新たな申請が必要となる

正解:C. 高年齢雇用継続基本給付金は受給できるが、新たな申請が必要となる

解説:高年齢雇用継続基本給付金を受けていた60歳超の方が、離職後基本手当を1日も受けずに受給期間内に再就職したときには、再び高年齢雇用継続基本給付金が支給されます。

ですが、高年齢雇用継続基本給付金は一度請求手続きをしていても、再就職後に自動的に支給が継続されるわけではありません。新たにハローワークへの支給申請が必要となりますので、忘れずに申請するようにしてください。

なお、退職後に基本手当を受給している場合は、基本手当の所定給付日数が100日以上残っている場合に限って高年齢再就職給付金が支給されます。
まとめると次の通りです。

◆高年齢雇用継続基本給付金
 60歳以後基本手当を1日も受けていない
 60歳以後の賃金(みなし賃金を含む)が60歳時点の75%未満となっている

◆高年齢再就職給付金
基本手当を受けている かつ 基本手当の所定給付日数が100日以上残っている
再就職先の賃金月額が基本手当の基礎となった賃金日額の30日分の額の75%未満

問3 社会保険適用拡大における加入対象者の月額賃金

令和4年10月から厚生年金保険の適用対象者が101人以上の企業は、一定の要件を満たしたパート・アルバイト社員も社会保険の被保険者としなければならないとする社会保険の適用範囲が拡大されます。自社のパート・アルバイト社員が適用対象者か否かを判断する一定の要件の内、月額賃金が「88,000円以上」という要件がありますが、この「88,000円以上」に含まれる賃金の範囲はどうなるでしょうか。次のうちから正しいものを選んでください。

  1. 基本給、諸手当、残業代、臨時的な賃金までが含まれる
  2. 基本給、諸手当までが含まれる
  3. 基本給、諸手当(家族手当、通勤手当、精皆勤手当は除く)までが含まれる。

正解:C. 基本給、諸手当(家族手当、通勤手当、精皆勤手当は除く)までが含まれる。

解説:社会保険適用拡大の適用対象となる要件として、時給などを月額に換算したものに、各種手当等を含めた所定内賃金の額が、88,000円以上であることが挙げられます。ここに含まれない賃金として、下記が挙げられます。

  • 1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
  • 時間外労働、休日労働及び深夜労働に対して支払われる賃金(割増賃金等)
  • 最低賃金に算入しないことが定められた賃金(家族手当、通勤手当、精皆勤手当)

よって基本給、固定的賃金となる諸手当(家族手当、通勤手当、精皆勤手当は除く)を月額に換算したときに88,000円以上となれば、適用対象の要件の一つに当てはまります。加えて下記の1~3全てに当てはまれば、そのパート・アルバイト社員は社会保険の被保険者とする必要があります。
1:週の所定労働時間が20時間以上
2:2ヶ月を超える雇用の見込みがある
3:学生ではない

社会保険適用拡大は令和4年10月から行われますので、まずは上記条件に当てはまる新たな加入対象者を把握した上で、会社の対応方針を決めていきましょう。

今回のクイズはいかがでしたでしょうか?

皆様に知識を広げていただくために、これからも同様の実務クイズを出題してまいりますので、今後ともぜひチェックしてください。

クイズ提供元:社会保険労務士法人 未来経営(ESコモンズ メンバー)

長野県松本市に拠点を置き、それぞれ専門分野を持つ5名の社会保険労務士が在籍しています。私たちのビジョンである「元気な会社作りのお手伝い」を実現するため、母体である税理士法人未来経営ともに、人事労務分野に積極的に携わり、トータルな企業経営サポートを実現しています。

ESコモンズ主宰 有限会社人事・労務 URL:https://www.jinji-roumu.com/

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※本記事の内容についての個別のお問い合わせは承っておりません。予めご了承ください。