新規CTA

更新日:

インボイス制度の事業者にあたえる影響について詳しく解説

fl200701_img01_pc.jpg
fl200701_img01_sp.jpg

電帳法・インボイス対応と経理業務の自動化で新しい働き方をかなえませんか?

世の中には、電子取引に対応できる様々なクラウドツールがありますが、この資料では、他の一般的なストレージツールでは対応できない部分について具体的な解説と経理業務がどのように楽になるかをご紹介。

消費税率アップと同時に発表されたため注目度が低くメディアで話題になることは少ないのですが、企業にとって大きな影響をあたえる重要な制度であるインボイス制度。

特に経理部門にとっては、社内への制度周知や取引先との調整方法の提案、システムの修正など大プロジェクトといっても過言ではありません。

この記事ではインボイス制度とはどのようなものか、その概要と導入までの手順、注意するポイントついて詳しく解説します。

インボイス制度とは?

インボイス制度は「適格請求書等保存方式」のことです。複数税率に対応した消費税の仕入税額控除の方式として導入されます。適格請求書発行事業者が発行する「適格請求書」の保存が仕入税額控除の要件となります。

適格請求書は商品ごとの消費税率や消費税額が明記された請求書です。請求書のなかに消費税率が複数ある場合に、それぞれの商品の税率と税額を正確に把握するために使われます。売手が買手に対して正確な適用税率や消費税額等を伝えられるようになっています。

インボイス制度では適格請求書発行事業者として登録した課税事業者だけが「適格請求書」を発行することができます。適格請求書が発行できないと、販売先は消費税の仕入税額控除を行うことができず、消費税の支払い負担が増えてしまいます。

そのため、消費税の課税事業者はインボイス制度導入前に適格請求書発行事業者として登録する必要があります。


引用:国税庁|適格請求書発行事業者の申請から登録まで
http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/300416.pdf

インボイス制度はいつから

インボイス制度は2023年(令和5年)10月1日からスタートします。

3月決算の多くの企業は期中であり、個人事業主の課税期間は1月1日から12月31日であることを考えると大半の事業者は会計期間の途中ということになります。

インボイスの対象は?

インボイス制度の対象は消費税の課税事業者です。売上1,000万未満で消費税の免税事業者として届出している事業者は適格請求書発行事業者として登録することができません。

課税事業者とは?

消費税はすべての事業者に納付義務あるわけではありません。課税事業者に該当するか否かは会計年度の前々年度の課税売上を基準に考えます。

次のような場合は課税事業者に該当します。

  1. 課税売上1,000万円を超える事業者
  2. 設立から2年以内の資本金1,000万円以上の事業者
  3. 事業年度開始の日から6カ月間における課税売上高が1,000万円を超える且つ、給与等支払額が1,000万円を超える事業者
  4. 資本金1,000万未満で設立2年以内であっても、売上5億円を超える特定の企業が50%以上の株式を取得して実質支配している事業者

1.に該当した場合は翌々年度から「消費税課税事業者選択届出書」を所轄の税務署に提出しましょう。

3.に該当した場合はその年から課税事業者となります。

免税事業者が2023年(令和5年)10月1日を含む課税期間中に登録を受けた場合は登録日から課税事業者となる経過措置が設けられています。

免税事業者はどうなる

インボイス制度が始まると、適格請求書発行事業者登録をしていない免税事業者は適格請求書を発行できません。

現在は消費税転嫁対策特別措置法があり、免税業者であっても消費税を請求しないことを禁止していますが、2021年3月31日までの特別措置ですのでインボイスの開始時期には影響がありません。

消費税の納税額は

(売上に係る消費税)-(仕入れに係る消費税)= 納付する消費税

で計算します。

現状は、免税事業者は消費税を納付しませんので売上に係る消費税を請求するだけの状態です。そのため免税事業者は今まで売上に係る消費税額を益税として利益としてきました。インボイス制度開始後も免税事業者でいる場合は、得意先から販売価格の引き下げ要請や適格請求書事業者への登録要請などが行われる可能性があります。

顧客の立場からいえば、適格請求書でない仕入の請求書は仕入税額控除の対象外となりますので、取引先を選別する可能性もあります。免税事業者は取引先の動きに注意しておきましょう。企業によっては代わりの仕入先を検討するきっかけとなることも考えられます。

免税事業者が課税事業者を選択することも可能ですが、消費税の納税義務が発生することと、2年間は免税事業者にもどることができないことを踏まえて判断する必要があります。また、消費税は法人税とちがい欠損金をだしていても納付しなければいかない税金であることも覚えておきましょう。

インボイスの事業者登録番号とは?

インボイスの請求書には適格請求書発行事業者登録番号の記載が必須です。この番号は登録申請書を提出し審査を受けた後に税務署から登録完了通知で知らされます。国税庁サイトでも登録事業の情報は公表される予定です。

令和5年度税制改正の大綱(閣議決定)を踏まえた、令和5年4月1日以後の登録申請の取扱いについては、国税庁ホームページ「インボイス制度特設サイト」の「申請手続」をご確認ください。 

インボイスの適格請求書に記載する事項

インボイスの適格請求書に記載する事項を確認しましょう。必須事項が記載されていない請求書は適格請求書として求められませんので注意してください。

適格請求書には 1. ~ 6.を記載します。

  1. 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
  2. 取引年月日
  3. 取引内容(軽減税率の対象品目である場合はそれが分かるようにする)
  4. 税率ごとに合計した額(税抜き又は税込み)及び適用税率
  5. 消費税額(端数処理は一請求書当たり、税率ごとに1回ずつ)
  6. 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称印

適格請求書を発行した側も、発行した請求書の写しを保存しなければなりませんので社内に周知しましょう。

例外的に、バスや鉄道などの公共交通機関の3万円未満のものや卸売市場の受託販売や協同組合と通した委託販売などの取引などは、適格請求書を交付することが困難な取引として適格請求書の交付義務が免除されます。請求書を受け取る買手側も帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます。

インボイス制度では税額計算の方法を選択できる?

インボイス制度では消費税の計算方法を次の2つから選択することができます。

積上げ計算:適格請求書に記載のある消費税額等を積み上げて計算する方法。
適格請求書に記載した消費税額の合計額に78/100を掛けて消費税額を算出する方法です。売上と仕入のどちらも積み上げ計算方式を採用しなければなりません。

割戻し計算:適用税率ごとの取引総額を割り戻して計算する方法。
売上については税率ごとに区分して算出した課税標準額に7.8/100(軽減税率対象の場合は 6.24/100) を掛けて割り戻し計算をして算出する方法です。仕入については「割り戻し計算」と「積上げ計算」のどちらかを選択できます。

積上げ計算は適格請求書発行事業者のみが選択可能です。原則は割戻し計算となります。

まとめ

消費税率変更と同時に仕入税額控除の方式は区分記載請求書等保存方式となりましたが、これはインボイス制度導入につながるものです。インボイス制度導入は経理部門では税率変更よりも大きなインパクトがあります。社内システムの変更や取引先との調整も必要となり、事前準備を入念に行わないと混乱をきたしかねません。

インボイス制度により今まで免税事業者が得ていた益税がなくなり、中小企業や個人事業主にも大きな影響があると予測されます。

インボイス制度を理解してスムーズに制度導入できるように事前準備を進めましょう。

電帳法・インボイス対応と経理業務の自動化で新しい働き方をかなえませんか?

世の中には、電子取引に対応できる様々なクラウドツールがありますが、この資料では、他の一般的なストレージツールでは対応できない部分について具体的な解説と経理業務がどのように楽になるかをご紹介。

新規CTA

※本記事の内容についての個別のお問い合わせは承っておりません。予めご了承ください。