更新日:2020/09/08
経理部に新入社員が配属された場合、まずは彼らに仕事内容の説明をしなければいけません。簿記の資格を取得して入社してくる社員もいますが実際の仕事は簿記の知識だけではこなせませんので、しっかり教育する必要があります。
会計の種類や目的、携わる仕事の意味を知っていれば体系的に仕事を理解でき成長スピードも速まります。
この記事では経理の仕事の基礎知識について詳しく解説します。
まずは、経理の業務をするうえで欠かすことのできない基本的な用語について把握しておきましょう。
経理があつかう会計の種類は複数あります。会社の規模によっては担当分けされていたり、境界があいまいな場合もあると思いますが、それぞれの特性と目的を知っておきましょう。
通常の経理担当は「1.財務会計」からスタートします。財務会計は日常の入金や支払などの処理をルールに従い進めていくことが第一歩です。
財務三表とは決算書類のうち「賃借対照表(B/S)」「損益計算書(P/L)」「キャッシュフロー計算書(C/F)」の3つを指します。財務会計はこの計算書類を会計基準に従って適正に作成することを目的としています。
経理の仕事はこれらの書類を正しく作成するための作業です。
財務三表についてより詳しく知りたい場合は、こちらの記事も参考にしてください。
経理の仕事に債権債務の管理があります。債権債務の管理は正しい決算の数字を出すうえでとても重要です。債権債務の管理に付随する仕事を確認しましょう。
自社が他社に対して有する金銭要求の権利を管理することで、いわゆる売掛金の管理です。
売掛金の管理に付随する業務は次のようなものがあります。
売上の計上・請求書の作成・入金処理などは本来営業の仕事ですが、規模の大きな会社でないと明確な線引きは難しく、経理担当の仕事となっている会社もあります。
自社が他社に対して有する金銭支払いの義務を管理することで、いわゆる買掛金の管理です。
買掛金の支払いに付随する業務は次のようなものがあります。
買掛金の検収は各部門が行い、支払処理は経理担当という会社もあります。仕入検収システムを導入している会社では各部門は検収作業までということも多々あります。
企業によっては取引先のマスタ管理や定期的な信用調査なども経理が管轄していることもあります。
例にあげた業務はすべて債権債務の管理にかかわる仕事で経理のルーチンの多くを占めます。債権債務の管理ができるようになると資金繰りも理解できるようになります。
財務会計では年次決算と月次決算があります。年次決算は決算書類を作成しますが、月単位でも資産状況や損益計算を行います。これを月次決算といいます。月次決算を行うために多くの業務があります。
例えば25日締翌20日払い、給与末日払いの会社の月間スケジュールをみてみましょう。
月初:小払い補充
10日:源泉徴収税と特別徴収の住民税の納付
中旬:定時払いの振込手続(データ伝送)
20日:定時払い支払日(前月の定時払いにもとづいて支払)
25日:定時払いの締日
下旬:給与振込手続(データ伝送)
末日:給与振込 *月次締日
※小払いの精算・一般払いと入金処理は日々の業務です。
このスケジュールで進められるように支払手形を準備したり、逆に期日が到来する受取手形を取り立てたり、電子債権を現金化して支払資金を準備します。
経理の仕事は多岐にわたり一通りのことができるようになるまでには覚えることが山のようにあります。
規模の大きな会社ですと分業が進んでいることもありますが、できれば月次決算を一人で組めるくらいの担当者が数人いると本決算もスムーズに進んでいき、安心です。