メルマガ登録はこちら

更新日:

高齢者雇用で助成金や給付金がある?社会保険手続き方法も解説

mt_sa190601_koureisyakoyou_pc.jpg
mt_sa190601_koureisyakoyou_sp.jpg

日本では少子高齢化に伴い、企業における60歳以上の高齢者の役割に変化が表れています。厚生労働省は「高年齢者雇用安定法」を2013年に一部改正し、「希望した社員を65歳まで雇用」するための環境整備を企業に義務付けました。高齢化が進む現状において企業は、ただ雇用を保証するのはなく戦力として活躍を期待せざるを得ない状況といえるでしょう。

この記事では、企業の高齢者雇用における現状やメリット、注意点などを解説します。

高齢者雇用は企業へのメリットも大きく人材不足を解消できる

年金の支給開始年齢が、2025年まで段階的に65歳へ引き上げられるので、社員にとっては65歳まで働ける環境が必要となります。そして、企業にとっても少子高齢化の影響により人材確保が不可欠となってくるのです。そのため企業では、さまざまな再就職制度を取り入れていく必要があります。高年齢者雇用安定法で定められた65歳という年齢を意識して、企業で多く取り入れられているのは再雇用制度です。しかし、再雇用制度では一度退職してからの雇用となり、今までのような高いモチベーションを保って働くことは難しいといえます。働く側の高齢者にとって、モチベーションを保ったまま65歳まで仕事するためには、再雇用ではなく定年年齢を65歳まで延ばすことではないでしょうか。

定年年齢を65歳にすると再雇用のように退職という区切りがないので、企業にとってもさまざまなメリットが生まれます。まず、社員が最初から「65歳まで仕事をする」という高いモチベーションを保ったまま65歳まで仕事を全うすることができます。また、再雇用では一度退職するという性質上、同じ役職で雇用されるケースは多いことではありません。そのため、再雇用の高齢社員と社員の間で気を使い合うなどし、仕事がやりづらくなってしまうケースもあります。そのため、再雇用社員へは、会社の主たる業務を任せることができないという問題が出てくるのです。

しかし、定年年齢を65歳へ延ばしておけば、このような気の使い合いも起きず、生産性を保ったまま65歳まで戦力として働いてもらうというメリットが生まれます。また、65歳で定年を迎えても継続雇用制度を取り入れていれば、若い社員たちへ知識やスキルを伝承する期間を設けられるというメリットもあるでしょう。

高齢者雇用はまだまだ発展途上

2017年に行われた総務省の調査によると、2065年には日本の人口約4割が65歳以上になるといわれています。そのため、企業は60歳が当たり前だった定年制度を、65歳まで延長することやそれ以降の継続雇用制度で人材確保しなければ厳しい状況といえるでしょう。

※以下は、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構がとりまとめた「65歳超雇用推進マニュアル(その3)」からの抜粋になります。

(1)定年制度

2018年の「高年齢者雇用状況報告」(厚生労働省)によると、定年年齢としては60歳が最も多く、企業全体の76.6%を占めています(図3)。これに対し、65歳定年の企業は16.1%、65歳を超える定年年齢を定めている企業は2.0%、定年制度はないという企業は2.6%あり、これらを合わせると20.7%となります。

希望者全員65歳以上までの雇用の確保は76.8%の企業で実施されているものの、定年年齢の引上げとなると、まだ取組みは進んでいないようです。

資料出所:厚生労働省「平成30年 高年齢者の雇用状況」(再集計)
(2)65歳を超える継続雇用等の雇用確保制度

66歳以上の希望者全員を対象とした継続雇用制度を定めている企業は6.0%あります(図4)。これに66歳以上定年を定めている企業と定年制度なしの企業を加えても、働くことを希望する者全員が66歳以上まで働けるしくみのある企業は10.6%と限られています。

資料出所:厚生労働省「平成30年 高年齢者の雇用状況」(再集計)

ほとんどの企業では、本人が働きたいと希望していても65歳を超えた場合は、働けるしくみが整っていないということになります。

高年齢者雇用安定法では、企業へ対し希望者に限り65歳まで雇用するための環境整備を義務づけていますが、これは定年年齢を定めた法ではないので、多くの企業では定年年齢は60歳と据え置かれたままであり、定年年齢の引上げとなるとまだ取り組みはまだまだ進んでいないのが現状のようです。

高齢者雇用を進めるポイントとは?自社の現状を把握し検討する重要性

高齢者雇用を検討するにあたり、進め方や注意しなければいけないことがあります。

まず、高齢者を雇用するにあたっては、情報収集が不可欠です。法律や制度、国からの支援はあるのかなどを調べましょう。そして、65歳を定年年齢に設定している企業などの事例や情報を集めます。それらにより、自社が現在どのような状況なのか問題点を把握することが大切です。自社の定年制度や継続雇用などの有無や条件などを調べましょう。次に、自社は高齢者にとって、働きやすい環境か、または戦力として働ける業務は具体的に何かを洗い出します。そして、人材の年齢バランスや構成も重要です。5・10・15年後まで予測しておきましょう。

現状の問題点が把握できたら、企業の経営陣へ問題点を理解してもらい、それを解決する取り組みへ関わってもらうことが重要です。経営陣がしっかりと取り組むかどうかで、高齢者を雇用できるかどうかが決まります。そして、問題点の解決とともに、どのような制度にするのか契約内容を細かく検討していきます。「定年年齢を何歳にするか」「役職がある社員の扱い」「賃金制度」「勤務時間」「65歳以降の継続雇用について」などについて細かく検討します。特に賃金制度は、それまでの賃金を据え置いたまま契約してしまうと、企業にとってはかなりコストがかかってしまうので、検討を重ねる必要があります。

高齢者雇用で知っておくべき社会保険の取り扱い

65歳を超えた高齢社員を雇用する場合には、社会保険の取り扱いについても注意しておく点があります。厚生年金保険については、厚生年金保険に加入している企業で勤務しているなら、70歳まで加入することが義務づけられています。年金を受け取れる年齢になった際には、被保険者本人が日本年金機構へ手続きをしますので企業が特別何かをやる必要はありません。しかし、70歳を超えたときには「厚生年金保険被保険者資格喪失届」を提出する必要があります。

健康保険については75歳で資格喪失となるので、対象の社員がいる場合は「健康保険被保険者資格喪失届」の提出が必要です。また、健康保険は75歳まで資格がありますので、70歳以上の高齢者を新たに雇った場合には「健康保険被保険者資格取得届」を提出する必要があります。ここで説明した、企業が提出すべき届の提出先は企業所在地の所轄年金事務所です。

助成金や給付金が受け取れる?高齢者雇用は社会が求めている重要事項

高齢者を雇用することで、国から助成金を受け取ることができます。例えば、一部の条件を紹介すると「65歳以上への定年引上げ」「定年の定めの廃止」「希望者全員を対象とする66歳以上の継続雇用制度の導入」です。これは、厚生労働省の「65歳超継続雇用促進コース」の内容で、この中のどれかを導入すれば事業主は助成金を受け取ることができます。助成金を受け取るには、就業規則の整備や労働期間などのさまざまな条件はありますが、高齢者を雇用することは社会的にも求められていることです。

また、給付金には厚生労働省の「高年齢雇用継続給付」があります。これは、高齢の社員に対して給付されるものなので、企業にとっては高齢者を雇用するための賃金を補うものと考えましょう。企業では継続雇用の契約をする際には、賃金を大幅に減らすなどの賃金制度にせざるを得ません。しかし、あまりにも給料が減ってしまっては、高齢社員はモチベーションも低下してしまいます。こうなると、企業にとっては戦力とならない社員を多く抱えるという結果になるのです。そのため「高年齢雇用継続給付」は、企業の負担を減らし高齢者に効率良く働いてもらうための給付金といえるでしょう。

高齢者も戦力化のステージへ

厚生年金の支給年齢が引き上げられ、働きたいと願っている高齢者は多くいます。65歳以降も意欲と能力のある限り活躍し続けることができる社会にしていくことが求められているのです。みなさんも環境整備を始めてみてはいかがでしょうか。

PCAの「働き方改革」はこちら!
※賃金制度へのご提案やお役立ていただけるシステムがございます。

バックオフィス業務におすすめのPCAクラウドの詳細はこちら

※本記事の内容についての個別のお問い合わせは承っておりません。予めご了承ください。