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時間外労働の際の勤務手当計算方法、計算根拠と除外される賃金とは

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また、割増賃金の計算基礎から除外される賃金も7項目存在します。この記事では時間外労働の割増賃金や割増賃金の計算方法、除外される賃金について詳しく解説していきます。

目次

  1. 時間外労働の勤務手当を支払うとき
  2. 各給与支払形態別、割増賃金の計算方法
  3. 割増賃金の計算方法から除外できる手当
  4. 割増賃金率の引き上げ及び代替休暇について
  5. まとめ

1.時間外労働の勤務手当を支払うとき

労働基準法によって、労働者は原則1日に8時間、週に40時間を超えて働くことはできない決まりになっています。また、会社側は労働者に勤務時間に応じた休憩時間を与えることも義務付けられています。やむを得ず、法定労働時間を超えて時間外労働(残業)や法定休日に労働させる場合は、あらかじめ、労使協定(「36(さぶろく)協定」)を締結し、所轄の労働基準監督署長に届け出なければなりません。

上記の協定に基づいて、18時間の法定労働時間を超えての勤務を行わせる場合は時間外労働となり、会社側は労働者に対して、時間外労働に従事させた時間に応じた割増賃金を支払うことになります。労働者に時間外労働に従事させた以上、経営状態が厳しい企業であっても、労使間での合意があったとしても、割増賃金を支払わない場合は労働基準法違反となります。

労働者のためにも、労働基準法違反を避けるためにも、労働者に適切な割増賃金を支払いましょう。適切な割増賃金を算出するための計算方法については、次の項目をご覧ください。

2.各給与支払形態別、割増賃金の計算方法

割増賃金の支払いは、労働基準法で定められた計算式によって金額が決められるのですが、月給、日給、時給、出来高給など賃金形態により計算式が異なります。具体的な計算式の紹介はここでは省きますが、役付手当、技能・資格手当、精勤手当などが式に盛り込まれていて、それに基本給や日給、時給などを加えて計算される形になります。

法定労働時間を超える時間外労働の割増率は1.251ヶ月に60時間を超える時間外労働についての割増率は1.5、但し中小企業は適用を猶予されています)です。

ちなみに法定休日の割増率は1.35、深夜労働の割増率は1.25となっています。

3.割増賃金の計算方法から除外できる手当

割増賃金を計算する際には、各種手当を計算式に盛り込むのですが、中にはこの計算式から除外することができる手当があります。その手当はそれぞれ「家族手当」「通勤手当」「別居手当」「子女教育手当」「住宅手当」「臨時に支払われた賃金」「1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金」の7項目です。これらは、時間外で働くことと直接的に関わるものではない手当であるため、除外の対象となっています。

たとえば、時間外で働いたからと言って通勤にかかる費用が上がるわけではありませんし、同様に家賃が上がるわけでもありません。割増賃金はあくまでも時間外の労働に対して支払われるものだということです。そのため、これら7項目は計算式に含めずに割増賃金を算出しなければいけません。

ただし、通常は除外の対象である7項目であっても、手当を一律で支給している場合などは計算式から除外できないケースもあるので、事前に確認しておくこと必要があります。

4.割増賃金率の引き上げ及び代替休暇について

割増賃金を支払うことよって、時間外労働も法律上は行うことはできますが、やはり時間外労働そのものの抑制も必要となります。この抑制を目的とした取り組みも「割増賃金の引き上げ」「代替休暇」という形で行われています。

割増賃金の引き上げは60時間を超える時間外労働が発生した際、割増賃金率をこれまでの25分から5割以上の率に引き上げるというものです。この引き上げは全ての企業が対象となるのではなく、大企業のみが対象となります。中小企業は割増賃金率の引き上げを猶予されています。

また、もう1つの取り組みの「代替休暇」は、同じくひと月に60時間を超える時間外労働が発生した際、法定で決められている、割増賃金率の引き上げ分の割増賃金の支払いに代わって、有給休暇を与えることができるようにしたものです。これは労働者への休息の機会提供を目的としたものとなっています。(但し、「代替休暇」適用については、各事業場で労使協定を結ぶことが必要になります)

5.まとめ

時間外労働に関して割増賃金を支払わなければならないことや、計算式の存在、代替休暇について紹介しました。昨今は特に、時間外労働に対する社会の目が厳しくなってきています。もっとも良いのは時間外労働がなくなることですが、すぐになくすことはなかなか簡単なことではありません。

そのため、まずは時間外労働に対する適切な割増賃金を支払うことが重要となります。各企業の担当者の方はその方法に関してしっかりと確認しておくようにしましょう。

情報提供元

オフィスステーション

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