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給与明細の見方を知っていますか?勤怠・支給・控除などの項目を解説!

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会社から毎月受け取る給与明細ですが、手取り支給額だけチェックして、その他の項目はあまり気にしていない人や毎月変わりがないのでほとんど確認しないという人も多いのではないでしょうか。

社会人になりたての頃は、給与をもらうと支給額と手取額の差に驚く人もいるようです。また、新卒入社2年目の社員から、基本給は上がったのに前年より給与の手取額が減ったのはなぜですか、という問い合わせを受け、理由を説明することもあります。

この記事では給与明細の勤怠・支給・控除などの項目を詳しくわかりやすく解説します。

給与明細の見方を知る上で確認しておきたい2つの日付

給与明細の見方を知る上で、確認しておきたいのは締め日と支給日です。

締め日は、給与計算がされる期間の最終日のことです。一般的には、毎月1日〜末日までの「末締め」、毎月16日〜翌15日までの「15日締め」のようにしている企業が多いです。

支給日は、会社が実際に給与を従業員に支払う日です。労働基準法第24条で賃金は「毎月1回以上、一定期日を定めて支払わなければならない」と定められていますが、支給日自体は会社によって、さまざまなので確認しておきましょう。

給与明細に記載されている項目の意味

給与明細には、勤怠・支給・控除の区分があり、それぞれに項目が記載されています。そして、勤怠区分の項目には日数と時間、支給と控除区分の項目には金額が記載されます。

勤怠とはカンタンにいえば勤務状況のことです。労働日数や時間、休暇などです。

支給は基本給や割増賃金、各種手当など会社が社員に支給するお金です。

控除は会社が社員の給与から天引きする項目です。主に税や社会保険などですが、社員の依頼により天引きする場合もあります。

月給の社員を例に、給与明細のそれぞれの区分の一般的な項目をみていきましょう。項目の意味がわかれば、給与明細の意味が理解できるようになりますよ。

  • 勤怠
  • 支給
  • 控除

勤怠

勤怠には、有給休暇や欠勤日数などが記載されます。給与が日割計算された場合の根拠となる数字です。

また、残業時間も記載されます。残業の割増は残業した時間帯や月の残業累計時間により割増率が異なるため、割増率ごとに項目わけした時間数が記されます。

記載される勤怠状況は給与の計算期間と残業の計算期間分です。必ず月の初日から末日が計算期間とは限りません。それぞれの計算期間は就業規則等で定められています。

勤怠
①就業日数
会社カレンダーなどで定められた、給与計算期間に就業する日数です。同じ計算期間でも会社によってちがいます。例えば、祝日が休みの会社と休みでない会社では祝日休みの会社のほうが就業日数は少なくなります。

②出勤日数
出勤日数は出勤した日数です。月により変動します。週休2日の会社なら20前後ですが、ホテルや病院など24時間勤務のある場合は月10日ということもあります。

③特別休暇
会社ごとに規程で定められた特別休暇を取得した日数です。一般的には忌引きや結婚による特別休暇などの慶弔関連を定めている会社が多いのですが、なかには誕生日休暇や結婚記念日休暇などを特別休暇としている会社もあります。
特別休暇は有給・無給を会社で定められます。

④有給休暇取得日数
給与計算期間に有給休暇を取得した日数です。指定有休や有給休暇の計画付与もこの欄に集計されます。年次有給休暇が10日以上付与された場合、5日間の有休を取得する必要があるので注意しましょう。

⑤有給休暇残日数
有給休暇の残日数です。付与日数から有給休暇を取得するたびに減っていきます。有給休暇残日数にマイナスはありません。残日数がゼロにもかかわらず有給休暇を取得してしまうと欠勤となります。

⑥労働時間
該当月に労働した時間の月計です。1日8時間勤務で20日出勤した場合は160時間です。時短勤務者で1日6時間勤務であれば20日出勤して120時間となります。

⑦法定内残業(1.00)
1日8時間週40時間以内の残業です。法律の労時時間の範囲内のため残業ですが、法的には割増賃金の対象外です。通称100%残業ともいわれます。1日6時間の時短勤務者が6時間を超え8時間までの時間帯に働いた場合などが該当します。

⑧法定外残業(1.25)
一般的に残業といわれる1日8時間を超えて労働した時間数です。また、週休2日の会社の所定休日(会社の定めた週2日目の休日)に休日労働した時間もこの欄に集計されます。

⑨60時間超残業(1.50)
残業の累計が60時間を超えると割増率があがります。そのため、残業時間が60時間を超えた場合は、超えた時間数をこの欄に記載します。

⑩深夜残業(1.50)
労働基準法で定められた深夜時間帯である22時から翌5時までの間に労働した時間です。

⑪休日労働(1.35)
労働基準法で定められた、1週間に1日、または4週間を通じて4日以上の休日のことを法定休日といいます。その法定休日に労働した場合は、時間外労働とは割増率がちがうため、この欄に集計します。

⑫宿直回数
宿直や夜間待機の回数です。ホテルや病院など24時間のシフト勤務でいう夜間の泊まり勤務の回数です。

⑬欠勤日数  
就業日に欠勤した日数です。有給休暇や特別休暇は休んでいても欠勤ではありませんので欠勤日数にはカウントされません。

⑭遅刻早退時間
該当月に遅刻や早退した時間です。時間有給休暇を使った時間は有給ですので集計の対象外です。

支給

支給の区分の項目は会社が支払う賃金の内訳です。支給項目は基本給以外にも会社ごとに定める各種手当が該当します。

手当には残業手当の基礎となる基準内賃金に含めるものと対象としないものがあり、会社の規程で決まっています。

残業手当の計算の基礎となる残業基準額は「基準内賃金÷月間所定労働時間」に割増率をかけて計算します。月間所定労働時間は年間所定労働時間÷12ケ月で計算しますので覚えておきましょう。

支給
①基本給
基本給は基本となる月給額です。給与辞令や会社の規程、雇用契約書などで定められています。基本給を月間の所定労働時間で割って最低賃金を下回る金額を設定することはできません。

②~④各種手当
各種手当は会社の規程で定められています。例えば、役職手当・住宅手当・扶養手当などが該当します。

⑤通勤手当
通勤費は公共交通機関の定期代やマイカー通勤のガソリン代などです。公共交通機関の場合は1か月当たりの定期代、マイカー通勤の場合は通勤距離により所得税の非課税額の上限があり、超えた金額は課税されます。

⑥法定内残業手当(1.00)
残業基準額に勤怠区分の法定内残業時間をかけて計算した額です。法定内残業は割増して払うかは会社が決められます。法的には割増なしで問題なく、特に規程で定めていなければ、割増して払われません。

⑦法定外残業手当(1.25)
残業基準額に勤怠区分の法定外残業時間をかけ、1+割増率0.25である1.25をかけて計算した額です。

⑧60時間超残業手当(1.50)
残業基準額に勤怠区分の60時間超残業時間をかけ、1+割増率0.50である1.50をかけて計算した額です。

⑨深夜残業手当(1.50)
残業基準額に勤怠区分の深夜残業時間をかけ、1+割増率0.50である1.50をかけて計算した額です。

⑩休日労働手当(1.35)
残業基準額に勤怠区分の休日労働時間をかけ、1+割増率0.35である1.35をかけて計算した額です。

⑪宿直手当
宿直や夜間待機は勤務ごとに1回いくらで手当が定められています。その単価に宿直回数をかけて宿直手当となります。

⑫欠勤控除
欠勤日数に応じて計算された給与から引かれる額です。
[基準内賃金]÷[会社カレンダーなどで定められている年間の所定労働日数÷12ケ月]で計算した1日の欠勤控除額をもとに計算します。

⑬遅刻早退控除
遅刻や早退した時間に応じて計算された給与から引かれる額です。
[基準内賃金]÷[年間所定労働時間÷12ケ月]で計算した1時間の控除額をもとに計算します。

控除

控除区分には税金や社会保険料、社員から天引き依頼のあった項目が並びます。税や社会保険以外の項目は、会社が立て替え払いしたものであっても、社員から依頼がない限り、会社から一方的に天引きできないことになっています。

控除
①健康保険料

健康保険料は社員と会社が半額ずつ負担します。会社ごとに加入している保険とはちがい、政府管掌の協会けんぽに加入していれば都道府県ごとに保険料率が決められています。
報酬ごとに決められる標準報酬月額に保険料率をかけて計算します。東京都の20244月納付分から保険料率は9.98%です。この率で計算した保険料の半額が社員負担額として控除されます。
健康保険組合の場合は組合が独自で保険料率を決めています。

②介護保険料
介護保険料は40 歳から64 歳まで引かれます。会社員は健康保険とセットで給与引きされるルールです。20244月から保険料率は1.6%です。この率で計算した保険料の半額が社員負担額として控除されます。

③厚生年金保険料
厚生年金保険料は社員と会社が半額ずつ負担します。全国一律18.3%です。この率で計算した保険料の半額が社員負担額として控除されます。

④雇用保険料
雇用保険料は事業の業種により保険料率がちがいます。また、社員と会社では保険料の負担する割合もちがいます。2024年は2023年から雇用保険料率に変更がないため、保険料は飲食業や小売業などの「一般事業」であれば、支払額かける社員負担0.6%と会社負担0.95%を乗じて算出されます。

⑤所得税
所得税は給与にかけられる税金です。毎月概算額を計算し天引きして会社が納付します。年末調整で毎月納付した額の累計とその年の正しい所得税額の差額を調整する仕組みです。

⑥住民税
住民税は給与から天引きして会社が市町村に納めます。毎年1月に会社が市町村に前年に社員に支払った給与額を報告し、市町村から会社に社員の住民税の通知書が届き天引きするルールです。冒頭の社会人2年目の社員の手取りが減るケースは住民税の控除が理由であることが多いです。

⑦親睦会
会社ごとに親睦会があれば、その会費が給与から控除されます。会社と親睦会は別の組織で会計も別なので、給与引きした会費は会社から親睦会に支払います。

⑧マッチング拠出
確定拠出年金を導入している会社で個人掛金を拠出している場合は天引きされます。会社が会社負担分と合わせて運用機関に支払います。

⑨団体保険
会社の団体保険に加入している場合は天引きされます。会社が社員分をまとめて保険会社に支払います。

⑩財形貯蓄
財形貯蓄している場合は天引きされます。会社が社員分をまとめて銀行に振込みます。

まとめ

給与明細には多くの情報が詰まっています。見方を知っていれば勤務状況から残業手当なども計算できますし、自身が払っている税金や社会保険料がいくらなのか把握できます。

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