更新日:2023/04/11
注文書は企業間の取引で日常的に使われますが、いつも客先から注文書を受け取るだけで自社ではあまり発行したことのない企業もあるのではないでしょうか。
注文書が届いたら機械的に請書に捺印して客先に返信するだけという方もいるでしょう。
注文書を作成する際に、取引内容により記載事項が法律で定められている建設工事もあれば、特に定めがなく注文内容がわかればよいとされる民法の契約に該当する取引もあります。
この記事では、注文書とはなにか、発注書との違い、注文書の書き方や記載事項、インボイス制度の影響などについて詳しく解説します。
注文書とは、注文者が仕入先や業者に対して注文する意思を示すために作成し、交付する書類です。注文者が注文書を交付する際には、仕入先や業者が注文した仕事を記載された内容で請ける意思を明確にする「注文請書」も同時に交付するのが一般的です。
民法上、注文書の交付は契約の申し込みに該当します。契約内容が特定できる注文書とそれを受ける請書があれば契約は成立します。
注文書には、お互いの認識の相違から起こるトラブルを防ぐ役割があります。注文書を作成せずに口頭の約束だけで仕事を進めていると、双方の認識違いや、「言った」「言わない」のトラブルになる可能性があります。
注文書に取引内容を詳細に記載することで、お互いの認識を再確認でき、誤解によるトラブルを防ぐことができます。注文書を交わすことで、注文者も仕事を受けた相手も安心して仕事ができるようになります。
注文書には特に定められた様式や絶対記載項目などはありませんが、一般的な注文書に記載しておくと良いとされる項目はあります。
注文書に次のような項目が書いてあれば、取引の詳細な内容がわかり、仕事をする上での信頼感につながるでしょう。
【注文書に記載する項目】
会社間で基本契約書を交わしている場合は記載項目が省略されることがあります。例えば商品単価や支払条件を基本契約書で取り決めていれば、注文書には記載しなくても問題になることはないでしょう。
また、注文書に押印は必須ではありません。印鑑や社印を押していないからといって、注文書が無効になるわけではありません。しかし、慣例的に通常の取引では押印しますので押して相手に交付するのが無難でしょう。
建設工事の注文書には決まりがあるので注意が必要です。通常の注文書は民法の契約として考えればよいのですが、建設工事については下請法の要件をみたさなければなりません。
【下請法で注文書に記載すべき事項】
このように建設工事の注文書に記載する項目は、かなり細かく決まっています。注文書を発行する際には注意しましょう。
注文書はインボイス制度の影響を受けません。インボイス制度は適格請求書等保存方式のことで、消費税の仕入税額控除の制度です。
インボイス制度は請求書に関係する制度です。注文書には注文金額や消費税が記載されていますが、インボイスでいう「仕入」とは「注文」ではなく、「代金の支払い」をさしていますので、契約を結ぶだけで、支払いの証憑とならない注文書は関係ありません。
注文書はインボイス制度の影響を受けませんが、領収書や納品書はインボイスの影響を受ける可能性があるため注意しなくてはいけません。特に納品書には注意が必要です。
なぜなら、インボイス制度では請求書と納品書のセットで適格請求書の記載事項をみたす請求方法が認められているからです。その場合は、納品書に消費税を記載すれば請求書に「税率ごとの消費税額等」の記載は不要と定められています。
注文書には公に定められた様式はありません。通常は注文書と注文請書をセットで仕入先や業者に交付します。内容は同じでタイトルが「注文書」「注文請書」となったセットです。
注文書の内容を相手方が「請け負います」と注文請書に署名・捺印して返信してくれば契約が成立する仕組みです。
相手方が注文内容を確認できる様式であれば、自社で様式を決めても問題ありません。既存のテンプレートを使うのもよいのですが、自社にフィットしたテンプレートをインターネットなどで探すのも難しいものです。
PCAの仕入・在庫管理ソフトである『PCAクラウド商管』『PCAサブスク商管』は、自由なレイアウトで注文書を作成できます。既存のテンプレートを探すよりも短時間で納得のいく様式が作れるので、オススメです。
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注文書が契約を約する書類であるため印紙がいるのではないかと疑問を持たれる方もいるでしょう。「注文書」には印紙の貼付けは不要です。しかし、注文を請け負う側が注文者に返す「注文請書」には印紙が必要です。
印紙の金額は請負に関する契約書と同じ額です。当然、税抜き注文金額が1万円未満の注文請書や納品の注文請書に印紙を貼る必要はありません。
印紙について詳しく知りたい方は、「印紙税の基本をマスターする」という記事がおすすめです。印紙税の基本や誤解が生じやすい点について、鳥飼総合法律事務所弁護士の沼野友香 氏と山田重則 氏が易しく解説していきます。また、「印紙税って節税できるの?-弁護士が教える効果的な節税策」という記事もあります。こちらも同じく鳥飼総合法律事務所弁護士の沼野友香 氏と山田重則 氏が、文書の書き方によって変わる印紙税の節税方法を詳しく解説しています。
注文書は法的に決まった様式がないため、自社の様式が決まっていないと作成するときに困ることがあるでしょう。
建設工事以外は記載する項目も契約内容が伝わればよいことから、何を記載するかも迷ってしまいます。
自社にあった様式を検討してみてはどうでしょうか。
PCAの仕入・在庫管理ソフトは自由に様式を作成できるので役に立ちますよ!