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月次決算とは?月次決算業務の内容やデータの流れを解説

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月次決算早期化のための業務設計

「経理業務を効率化したい」とお考えの方向け。改善点は経理業務だけでなく会社の業務全体かもしれません。 業務設計による月次決算早期化の方法をご紹介

経理担当者の中にも年次決算は実施しているけれども、月次決算は行っていないという方もいるでしょう。月次決算は年次決算のように法律で定められているわけではなく会社が任意で行います。

決算というだけあって年次決算ほどではありませんが手間のかかる作業です。経理部門にとっては負担になることもあります。しかし、月次決算は会社の状況をリアルタイムに把握するために有効で、経営判断の材料となる管理会計では月次決算の数字は非常に重要です。

この記事では月次決算について、目的や進め方やポイントを詳しく解説します。


月次決算とは?

月次決算とは月単位の決算のことです。通常「決算」といえば会計年度ごとの決算をイメージしますが、会社によっては四半期決算、月次決算を実施していることもあります。

月次決算は会社の締日を基準に1カ月を会計期間とします。例えば、3月31日が決算日の会社であれば、毎月1日から末日までの期間を対象に月次決算を実施します。毎月の月次決算を積み重ねた先に年次決算があるというイメージです。


月次決算の目的

作業的には年次決算の単月版である月次決算ですが、年次決算とは目的が少々異なります。月次決算は次のような目的のために行います。

  • 損益状況や資産状況をリアルタイムに把握する
  • 資金繰の精度をあげ、過剰な借入を抑制する
  • 予算達成の進捗率を把握し、精度の高い通期見通しをたてる
  • 部門別の損益をリアルタイムでみて経営判断に反映する
  • 年次決算で処理モレが発覚するリスクを軽減する

このように月次決算の目的は社内の管理のための色合いが強くあります。そのため、月次決算では法人税などの税金の仮計算まで実施していない会社もあるようです。

月次決算の進め方

月次決算はおおむね第五営業日以内に数字が確定することが目標です。それ以降になってしまうと、翌月の数字が動き出して検討資料としてリアルタイムな数字とはいえなくなってきます。

企業規模が大きく月次でも連結決算を組む場合は、各社の月次決算の数字確定後、親会社の経理部がグループ間取引の相殺などの調整をしますので、単体の月次決算だけ行っている企業よりスピードが求められます。

このような理由で月次決算確定の時期は会社の置かれている状況次第です。年次決算のように法律でリミットが決まっているわけではありません。

例えば、月末締めの会社の単体の月次決算であれば、翌月第5営業日までに損益計算書や貸借対照表などの年次決算で作成する決算書の月次版を決算報告書として作成します。月次決算報告書以外にも次のようなものを作成する場合があります。

  • 資金繰表
  • 予測損益検討表
  • 予算実績対比表
  • 部門別損益計算書
  • 売上高推移表
  • 費用明細表
  • 売掛明細表

通常の決算書以外のものは会社によって取捨選択して作成していないこともあります。様式も損益計算書が予算対比できるようになっていたり、前年同月との対比であったり、その会社が求める内容となります。

月次決算の実務では各担当者がポイントとなる処理をしていき、単月の試算表と残高が一致しているか、前月や前年同月の数字と比べて、理由の思い当たらない大きな差異はないかなどを確認します。

差異が処理誤りなら月次決算仕訳をして調整します。差異の内容が適正なもの、例えば新規事業開始による高額支出などであれば問題なく、月次の数字を確定し月次決算報告書ができあがります。


月次決算のポイント

月次決算では損益計算書(P/L)に反映する項目が正しく計上されているかが重要です。貸借対照表(B/S)にかかる現預金なども大切ですが、通期の見通しや予算の進捗率、経営判断を要する部門の状況などは損益計算書でみるためです。

月次決算のポイントとなる項目をみていきましょう。


請求管理

請求管理とは売上高を正しく計上することです。売上は商品を納品したり、サービスを提供した場合に計上します。商品を納品したのに売上伝票をあげていなかった、というようなことのないようにしなければなりません。

支払管理

支払管理は売上に対する原価などを正しく計上します。納品された商品の請求書が未処理となっていれば正しい月次の数字はでません。仕入先からの請求書は遅滞なく計上するようにしましょう。

経費精算

管理部門の経費も月次の会計期間に使用したものは精算します。末日に使った交通費なども精算モレのないように注意しましょう。

月末月初の泊り出張は月次の締日で切って別々に精算します。


給与計算

役員報酬、給与は対象期間分を計算して計上します。残業代は実勤務をもとに計算するため、月次決算に間に合わない場合は、前月同額など適切な方法で概算計算し未払給与として計上します。

また、賞与引当金や退職給付引当金なども対象期間をもとに月額を按分計算して計上するようにしましょう。
給与や賞与にかかる法定福利費(会社が負担する社会保険料)は月遅れで支払いますので、未払としてモレなく計上するようにしましょう。


在庫、固定資産

まだ、納品していない商品の仕入代金は棚卸在庫として損益計算から除き、在庫は資産として月次決算を進めます。
会社によっては月次の棚卸は資産管理 手続き整備のもと、実地棚卸省略としていることもあります。

固定資産は毎月償却するのが基本です。所有している固定資産の減価償却の計算にモレがないことを確認しましょう。定期的に現物実査し、必要があれば除却するようにしましょう。


仮勘定の整理

仮払金や仮受金などの仮勘定の残高を確認して適正な科目に振替します。残高が残っているときは内容を把握しておきましょう。仮勘定のなかには建設仮勘定など会計年度をまたぎ長期にわたり積みあがる勘定もありますので注意しましょう。

経過勘定など

経過勘定とは次の4つの勘定科目を指します。これらの勘定は発生分を見越して計上していたり、未発生分を繰り延べて計上しているため決算仕訳で調整が必要となります。

  • 前受収益:当期の損益計算から除外します。
  • 前払費用:当期の損益計算から除外します。
  • 未払費用:当期の損益計算に計上します。
  • 未収収益:当期の損益計算に計上します。

月次決算は月単位の期間計算です。正しい損益を計算するために経過勘定の処理はモレのないように注意しましょう。


まとめ

月次決算は法律で定められているものではなく会社が任意に行うもので、月次決算を行うことでリアルタイムに会社の状況を把握することができます。予算の進捗や通期見通し、資金繰りの状況などを知ることができるため、経営判断の材料となります。また、経理部門にとっては、年次決算で確認する項目を毎月チェックできるメリットがあります。

月次決算のポイントである売上や費用の計上は経理部門では対応できません。売上計上する営業部門や、仕入れを担当する購買部門に月次決算の重要性を説明し、全社で取り組む体制作りが必要です。

各部門に月次決算の重要性を説明するだけでは適正な基準で数字があがってこない可能性もあります。その場合は、売上や経費の計上基準を明確に統一する内部統制の業務記述書などを作成し、社内のルール作りをする必要があります。また、月次決算の実務的負担を軽減するために、会計ソフトを活用するのもひとつです。

各部門に負担の少ない方法を提案していけば理解を得やすいと思います。


月次決算早期化のための業務設計

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