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源泉徴収とは?その計算方法とは。

公開日:2019/11/12

源泉徴収とは?その計算方法とは。

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経理で働いている人であれば「源泉徴収」という言葉を頻繁に耳にすると思います。源泉徴収簿や源泉徴収票の作成などは、経理に欠かすことのできない業務のひとつです。従業員の給与や、納税にかかわってくる部分でもありますので、源泉徴収についてはその概要をしっかりと把握しておく必要があります。

今回は、経理の業務に欠かせない源泉徴収とはどのようなものなのか、また、源泉徴収を始めとした経理業務の効率化に役立つクラウド給与ソフトとはどのようなものなのかご紹介します。

源泉徴収とは?

「源泉徴収」とは、会社が従業員に支払う給与から、あらかじめ所得税分を天引きすることをいいます。

天引きされるものには所得税のほかに、厚生年金や健康保険、雇用保険や介護保険など、保険関連のものもあります。また、住民税も給与から天引きされる税金のひとつです。

  • 健康保険
    病院で診察、治療などを受ける際に、3割負担の支払で済むよう加入する保険です。基本的に保険料は会社が半額負担しますが、もう半分の保険料を天引きという形で徴収しています。
  • 厚生年金
    将来受給する年金のために支払う掛け金です。掛け金は健康保険同様、会社側が半額負担してくれます。
  • 雇用保険
    失業手当を受給するための保険です。
  • 介護保険
    介護サービスを1~2割負担で受けられるようにするための保険。40歳以上で加入義務が生じます。
  • 所得税
    所得にかけられる税金(給料のうち旅費や交通費など、非課税になる手当を除いた部分にかけられる)です。所得税は基本的に年収にかけられ、年収が高くなればなるほど税率が上がる累進課税方式が適用されています。
  • 住民税
    従業員が住んでいる都道府県、市町村などの地方自治体に納める税金です。納税額は前年の年収によって変動します。こちらの税金も毎月の給与から天引きされる形で納税されます。

そして所得税に関する天引きを「源泉徴収」といいます。
なぜ個人が支払うべき所得税について会社側で天引きをするのか。それはこれらの税金は毎年会社によって支払われているからです。

所得税は個人にかけられる税金ですが、会社で働いている人々が毎年全員一斉に納税手続き(確定申告)をする場合、膨大な量の書類と時間が必要になります。確定申告の会場は申告者でごった返し、事務手続き上のミスも増えます。また税務関係の複雑な手続きを個人が行うのも容易ではなく、納税手続きに追われ、会社の業務に集中できなくなるということもあるかもしれません。
つまり、会社が納税手続きを肩代わりする「源泉徴収」が、従業員(納税者)と税務署の負担を減らしているということになります。

肩代わりするのはあくまで「手続き」だけのため、納めるべき所得税は従業員が支払う必要があり、その分が毎月の給与から天引き(源泉徴収)する仕組みになっています。

源泉徴収の対象期間

源泉徴収の対象期間は、その年の1月から12月の12か月で、その間の所得税分の源泉徴収を行います。
源泉徴収は前年の給与をベースに年収を計算し、その年収から算出された所得税分をあらかじめ天引きすることになるのですが、その年の年収が前年と変わることがあります。その場合、納税者は実際に支払わなくてはならない所得税額よりも多い、または少ない額の税金を納めていることになります。

そのような納税額のズレをなくすために行うのが年末調整です。12か月間の総年収が確定納税前の年末に、源泉徴収した所得税の過不足分を会社側が調整することをいい、過不足分は12月の給与に加算、もしくは給与から再度天引きという形で処理されます。

源泉徴収票の交付期間

源泉徴収に関する情報は、すべて源泉徴収票に記載する必要があります。源泉徴収票は年末調整や確定申告の際に必要になる書類のことで、発行は会社側が負う義務です。従業員からの要請があったにも関わらず発行しないでいると、所得税法により懲役または罰金の刑罰を受けることになります。

源泉徴収票を交付する期間は、基本的に年末調整を行う12月です。また、どうしても源泉徴収票の発行が12月に間に合わない場合は、年明けの1月に発行しても問題ありません。ただし、あまりにも発行や提出が遅れると税務署から指導、もしくは税務調査に入られることもありますので、できるだけ早めに準備・発行をするようにしましょう。

源泉徴収票に記載されるもの(構成)を以下にご紹介します。

① 支払金額
額面上の年収(控除や源泉徴収される前の給与額)

② 給与所得控除後の金額
支払金額から給与所得控除を差し引いた金額

③ 所得控除額の総額
給与所得控除後の金額から、社会保険料控除や生命保険料控除などの控除を引いた額

④ 源泉徴収税額
差し引かれる源泉徴収税額の合計

⑤ 控除対象配偶者の有無
控除の対象になる配偶者がいるかいないか

⑥ 控除対象扶養家族の人数
控除の対象になる扶養家族の人数

⑦ 社会保険料などの金額
厚生年金料や健康保険料などの合計金額

⑧ 生命保険料の控除額
民間の保険会社や個人年金に支払っている金額

源泉徴収の業務効率化には給与クラウドソフトの利用が最適

源泉徴収は、複雑な計算を行い従業員の所得税額を算出するための重要な給与計算業務です。納税にかかわるものですので、ミスがないよう効率的に作業をしていきましょう。

源泉徴収におけるミスを少なくし、給与計算業務そのものを効率化するのにおすすめなのがクラウド給与ソフトの利用です。
複雑な計算をする必要がある源泉徴収を人間の手作業で行うと、どうしても計算ミスが発生してきます。しかし、給与クラウドソフトを利用すれば、ソフト側で計算してくれるのでミスが格段に減ります。

また、給与クラウドソフトを利用すれば、源泉徴収以外の給与計算業務も効率化できます。

勤怠管理・勤務管理も効率化できる

クラウド上で勤怠管理・勤務管理を行うことで、そのデータをソフトがリアルタイムに集計して、残業時間などを自動で計算。給与計算や給与明細の作成が簡単に行えるようになります。

年末調整も効率化できる

源泉徴収と同様、複雑な計算を要する年末調整も、クラウド給与ソフトの利用で効率化可能です。また、労働保険の年度更新、算定基礎届の作成、住民税の更新など、年に1度発生するような業務にも対応しているので、担当者の負担を大幅に軽減することができるでしょう。

法令改正にも対応できる

法令はいつまでも変わらないわけはありません。

法令が改正されると、それまでのやり方を続けることができなくなり、新制度への対応が必須となります。税率や保険料率の変更が行われると、計算方法を刷新する必要がありますので、より対応作業は煩雑になるでしょう。

給与クラウドソフトは、自動アップデートにより法令改正に即座に対応できます。

また、手作業での対応業務に追われることがなくなり、ミスの減少、業務の効率化が期待できます。

まとめ

源泉徴収とはどのようなものか、また源泉徴収の業務を効率化に役立つ給与クラウドソフトについてご紹介しました。

源泉徴収は税金にかかわる業務のひとつです。給与クラウドソフトを利用してミスをなくし、効率的に業務が行えるよう職場環境を整えていきましょう。