更新日:2019/05/08
社内業務の中でも特に細かく、複雑なのが経理業務です。従業員の経費精算や給与計算、請求書や領収書などの入力、書類管理や整理、銀行口座や現金の管理など、日々のルーティンワークの手間がかかりがちです。「業務効率化できないかな」とお悩みの担当の方も多いのが現状ではないでしょうか?経理業務を大幅に効率化できれば、残業時間の削減やフロントオフィスに空いたリソースを割くなど、日々の業務改善や働き方改革にもつながるのでぜひ実践したいきたいところです。
そこで今回は経理業務に時間がかかる原因や実行するときのポイント、そして給与計算システム導入による解決方法もご紹介。「経理業務を大幅に効率化して、自社の業務改善などにつなげたい」と考えている方はぜひご覧ください。
そもそも日々の経理業務は、なぜ時間がかかるのでしょうか?
経理の仕事は「簿記の知識」が必要になるため、その知識がない人は業務から遠ざかりがちです。
担当者がどんな業務をしているのか具体的にわからない場合も多々あり、担当者による独自の方法で日々のルーティンワークが行われ、経理業務自体がブラックボックスになります。その場合、担当者は日々の業務に追われて、業務効率の改善が行われにくくなり、また担当者以外が改善に手を付けようとしても、そもそも作業内容の実態がわからないため改善できない状況が生まれます。
加えて、担当者が別業務に携わる、退社するなどした場合の引き継ぎも、業務フローをマニュアル化していないケースや、マニュアル化していても内容が網羅されてない等の問題が発生します。
社内の業務はIT化によりデジタル化の割合は増えていますが、経理業務は書類が発生するため、アナログ的手法の処理が残りがちです。
例えば小口現金の処理。出張から戻った社員は、紙で発行された領収証を添付して紙で申請し、経理部の担当者は小口現金の残高を記録し、実際銀行に行って銀行振込をしたり現金を手渡ししたりします。この一連のやり取りで、経理担当者の入力は「Excel(エクセル)」や会計ソフトを使っていたとしてもそれまでのフローは紙ベースで行われていることも少なくはありません。こういった細かい処理は回数が積み重なると月に何時間ものロスにつながる可能性もあります。
また経理業務でアナログなどの人為的な処理が多すぎると、ミスの元になります。例えば計上項目の抜け漏れや数値の桁が1つ多い、数字の打ち間違いなど、場合によってはクライアントとのトラブルにもつながりかねない経理処理のミスというのは必ずといっていいほど起こり、処理方法がアナログであればあるほどミスが起こる可能性は高くなります。
「Excel」での手入力や、帳簿への筆記での記録など複数の経理処理手法を組み合わせていると、処理を集約化できずそれだけ効率は悪化します。また「Excel」でもファイルが分かれていたりする場合の管理や、関数やマクロのメンテナンスなど実際の経理業務とは異なる部分に業務時間がかかる場合が多くあります。
ここからは上記の点をふまえた上で、経理の業務を効率化するポイントをご紹介していきます。
まずは各経理業務の洗い出しを行いましょう。経理業務には社内のお金に関わる日々のルーティンワークがすべて含まれるので、工程や確認も多くなりがちです。あらかじめ経理業務の各工程を明らかにして「どの工程に無駄があるか」を確認しながら経理業務効率化を検討できる状態にしましょう
例えば「入出金合計確認」の工程は照会に時間がかかりがちなので効率的な方法はないか、「自社銀行口座の残高確認や補充」は社内ですべて完結できないかなど工程ごとに業務効率化の検討をすることで、最大限無駄な時間の削減が可能になります。
工程確認した結果、身近にできる小さなことから改善していくのも、効率化につながります。保存義務のある領収書などの書類を整理する方法を改善する、保存する書類ケースや受け取る書類ケースの区分けや置き場所を変更するなど、小さな気付きや工夫から業務改善は生まれていきます。
もちろんそれらの書類整理も重要ですが、そもそも書類や現金の取り扱いを減らす、キャッシュレス・ペーパーレス化もより有効な手段です。
キャッシュレス化・ペーパーレス化の波が押し寄せつつあります。これは経理業務も例外ではありません。
例えば銀行への入出金は最寄りの銀行で振込・入金するのではなく「ネットバンキング」を利用してインターネット上で振込・入金するなど、現金を介さずに経理処理を行うことで効率化できます。またキャッシュレス化を進めることで社内に現金を持つことの管理負担を減らすことができます。
さらにペーパーレスにすると経理処理に必要な紙が減るので、経理の処理件数が多い企業であればあるほど紙代などのコストの削減にもつながります。
また「電子帳簿保存法」の改正により、領収書や請求書などのスキャナによる電子保存が可能になりました。電子データにすることで、あとからの書類確認が容易になり、また原本廃棄が可能になるので大きな業務改善につながります。
このようにキャッシュレス化・ペーパーレス化を進めるだけで、業務効率化の面やコスト面などでメリットを受けられます。
例えば「Excel」で請求書や領収書のデータ入力しているときに、Excel関数やマクロ・VBAの計算結果を電卓で計算を行っていたりはしませんか?
作業の効率化のためにソフトを使っているのにも関わらず、検算しなくてはならない状況は、作成したExcel関数やマクロ・VBAを自社で開発していて信頼できない場合が多いときに起こります。
このような場合多くは、専門性高い「会計ソフト」を導入することで解決します。消費税が8%から10%になるなどの法改正が生じても「会計ソフト」の方で対応されるので、都度Excel関数やマクロ・VBAを再開発して検証する等「Excel」のメンテナンスも発生しません。
こういった施策でも業務効率化に限界がある場合は、これからご説明する「給与計算システム」の導入も検討してみてください。
給与計算システムとは従業員の給与を計算するシステムですが、会計システムと連携することで経理業務を効率化できます。
給与計算システムと会計システムを連携することの最大のメリットは、経理の入力業務の自動化が可能になる点にあります。毎月の給与計算を行った結果を、自動的に仕訳計上できるようになります。単純な作業時間の短縮だけでなく、経理上の入力ミスの削減につながります。
こういった給与計算システムのメリットを活用することで社内の経理業務がさらに効率化していきます。
今回は経理の業務を効率化するためのポイントや、その際に役立つ給与計算システムとの連携メリットまでご紹介しました。
「最近取引先が多くなってきたので、今までの経理業務のやり方では限界を感じる」といった場合は、将来の企業規模拡大までふまえて会計ソフト、給与計算ソフトを導入を検討してみてはいかがでしょうか。