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働く女性のウェルビーイング重要性とは?働く女性をサポートする取り組みを解説
働く女性にとってワークライフバランスを取りながら働ける環境は重要です。企業にとっては、働く女性のウェルビーイングは重要なことであり、多くのメリットがあります。ここでは、働く女性のウェルビーイングの重要性と企業に及ぼすメリットを事例を交えながら紹介していきます。
働く女性にとってのウェルビーイングとは?
働く女性のウェルビーイングには、女性特有の月経に伴う症状や結婚・出産などのライフイベントが影響してきます。また、キャリア形成やメンタルヘルス、働く環境などが影響してきます。働く女性のウェルビーイングとは、健康で仕事もプライベートも充実したライフスタイルを実現することになるでしょう。しかし、働く女性にとって充実した環境が整備されているところは少ないため、働く女性のウェルビーイングの改善は重要です。
働く女性のウェルビーイングに関する課題
2024年に発表された働く女性を対象とした調査では5つの課題が浮かび上がっています。
- メンタルヘルスとストレス
働く女性の半数が1年前よりもストレスが増加していると報告しており、3人に1人がメンタルヘルスの理由で過去1年間に仕事を休んだ経験があるとされています。また、職場でメンタルヘルスについて話すことに抵抗を感じている女性が多いことも報告されています。多くの女性が、高ストレスを抱えながら、相談できない場合があることが課題です。
- 女性特有の健康問題
働く女性の4分の1以上が生理や更年期、不妊に関する問題を経験しており、そのうち40%が強い痛みを感じながらも仕事を休まずに働いています。また、このような女性特有の健康問題について職場で話しにくいと答えています。働く女性の健康に対してのサポートが不十分な場合が多いです。
- 家庭内の負担
パートナーと同居している働く女性の多くが主要育児者および介護者となっており、家庭内の負担がメンタルヘルスに悪影響を与えています。家庭内の負担を減らす職場環境が必要です。
- ワークライフバランス
ワークライフバランスが取れないことや、フレキシブルな働き方ができないことが、女性が職場を辞める主な理由の一つになっています。また、ハイブリッドな職場環境は改善されているが、出社が求められるようになったことで、仕事と私生活の調整に苦労する働く女性もいます。
- 職場での安全性とジェンダー平等の欠如
働く女性の半数近くが職場や通勤中の安全に不安を感じており、ハラスメントなどを経験している女性も多いとされています。また、多くの女性が職場でのジェンダー平等に関する具体的な措置が不十分と感じており、働く女性がリーダーシップの役割に就きづらい職場環境もあるとされています。
企業にとって働く女性のウェルビーイングはどのように影響するのか
企業にとって働く女性のウェルビーイングを向上させることは、企業活動に対して多くのメリットをもたらします。
- 生産性の向上
重要な労働人口である女性のウェルビーイングを向上させることで、働く女性のストレスが減り、メンタルヘルスが改善されることで、企業の生産性は向上します。
- 人材の定着と離職率の低下
働く女性のウェルビーイングを向上させることで、優秀な人材を引き留めることが可能です。また、採用や研修にかかるコストも削減できます。特に、女性の離職理由には、ワークライフバランスやフレキシブルな働き方が影響しているため、ウェルビーイングを向上させる施策で働く女性の離職率も下げることが可能です。
- イノベーションと多様性の促進が可能
ジェンダー平等を推進し、働く女性のキャリア支援を行うことで、職場の多様性が高まります。多様な視点やアイデアが集まることで、企業内のイノベーションが促進され、競争力が強化されます。また、多様な背景を持つ人材が協働することで、より創造的な解決策や新しいビジネスモデルのイノベーションが起きやすくなり、企業の競争力を向上させることが可能です。
- ポジティブな企業文化の確立
働く女性のウェルビーイングを向上させるための取り組みは、全ての人にとってのポジティブな企業文化の確立につながり、安心して働ける環境は、従業員のモチベーションやエンゲージメントを高めます。
- 社会的評価とブランド価値の向上
働く女性のウェルビーイングを重視する企業は、社会的に評価されやすくなり、ブランド価値が向上します。また、求職者にとって魅力的な職場となり、優秀な人材の確保が容易になります。
働く女性をサポートするウェルビーイング施策を紹介
働く女性のウェルビーイングを向上させる施策には子育て支援やキャリア支援などがあります。ここでは、資生堂の取り組みについて紹介していきます。
女性リーダー育成
資生堂ではダイバーシティインクルージョンを推進しており、女性が活躍できる支援を実施しています。資生堂では、女性社員のキャリアアップを支援するため、「女性リーダー育成塾」や「メンタリングプログラム」を実施しており、多くの女性が管理職としてキャリアを築く機会を得ています。2021年時点で、日本国内の女性管理職比率は37.3%です。
フレックスタイム制度とリモートワークの導入
資生堂の働く女性を支援する取り組みとして、コアタイムのないフレックスタイム制度やリモートワーク制度を導入し、業務の目的に応じてオフィスワークとリモートワークを柔軟に組み合わせる「資生堂ハイブリッドワークスタイル」を展開しています。この取り組みにより、社員がより柔軟に働ける環境を整備しており、ワークライフバランスをとりながら女性が働くことが可能です。
健康とメンタルヘルスの支援
資生堂は社員の健康とメンタルヘルスをサポートするため、定期的なウェルビーイングセミナーを開催しています。例えば、「女性のココロとカラダのセミナー」では、妊娠、出産、更年期、仕事と育児の両立に関する情報提供とサポートを行っています。これは働く女性の健康とメンタルヘルスをサポートする取り組みです。
参照元:第3回ウェルビーイングセミナー「女性のココロとカラダのセミナー」を開催しました! | 活動報告 | SHISEIDO UNION NET
まとめ
ここまで、働く女性のウェルビーイングについて解説してきました。重要な労働人口である女性が働きやすい環境を整えることは企業にとって大きなメリットです。また、働く女性のウェルビーイングを高める施策を実施している企業では効果が現れています。
※本記事の内容についての個別のお問い合わせは承っておりません。予めご了承ください。