更新日:2019/05/08
経理業務はいまだにアナログ作業で行われていることが多いです。さまざまなシステムを導入して経理業務の効率化をはかりましょう。経理業務を効率化するためのポイントなどをご紹介します。
光熱費、出張時の交通費、備品の購入費・・・社内で業務を行っていると、いろいろなコストがかかってきます。こういったコストは気づかないうちに無駄なものが増え、どんどん膨れ上がり会社の利益にも悪影響が出る場合も。安定した企業経営のためにも、適切な方法でしっかりコストカットを行いたいものです。
そこで今回は、企業がコストカットを行う重要性と、コストカットを実践する具体的な方法をご紹介。「コストカットの具体的な方法を知って、自社の業務に役立てたい」という方はぜひご覧ください。
企業がコストカットを行うことには、どのような重要性があるのでしょうか。
「企業の利益拡大=売上拡大」と考える方も多いですが、売上拡大を行うことだけが企業の利益を拡大させる方法ではありません。
実は自社の商品やサービスの売上を拡大するより、自社のコストカットを行った方がより利益拡大につながることが多いのです。自社の商品やサービスの売上拡大も当然企業の発展には重要です。しかし「自社の利益が中々上昇しない」というときは、同時にコストカットにも力を入れてみることをおすすめします。
コストカットでは、自社の各業務の工程を細かく洗い出し、業務改善を行っていきます。コストカットする際、無駄に時間のかかっている業務の原因を調べて時間を削減できれば、その分その作業で社員にかかる無駄な負担も少なくなり、作業が円滑になります。
そして作業が円滑になることにより社員の生産性も上がり、結果売上の拡大にもつながります。このようにコストカットは単なるコスト削減だけでなく、間接的に売上の拡大まで可能です。
コストカットは思い立ったときに1回だけやっても意味がありません。定期的にコストカット方法を自社で取り入れた結果しっかり効果が出ているかチェックを行い、継続的にコストカットの効果を出せるようにすることが会社にとって重要なことです。
こうすることで社内のコンプライアンスも向上し、「無駄な紙代は節約しよう」など、社員が無駄なコストをかけないように自発的に行動できるようになります。
ここからは、具体的なコストカット方法を4つほどご紹介していきます。
家庭でも光熱費や電話代など、インフラ系の料金見直しは真っ先に行いますよね? 企業でも同じです。まずは最も取り組みやすい光熱費などインフラ系の削減から行ってみましょう。
照明代は、明るいときや昼休憩中などは照明を消すなど、基本的な節約方法をこまめに実践すれば、継続的なコストカットにつながります。
エアコン代も政府が推奨している「ウォーム・ビズ(推奨温度20℃)」、「クール・ビズ(推奨温度28℃)」に合わせた、暖かすぎたり涼しすぎたりしない適切な温度設定を行いましょう。また服装を夏であれば薄着にしたり、冬になったら厚着にしたりと、季節に応じた服装を社員にも心がけてもらうようにすればさらに節約効果が上がります。
電話代は固定電話を契約している場合は光回線とセットでIP電話契約へと変更して利用するなど、契約を見直すことで経費の節約につながります。また携帯電話は社員のものを使ってもらい、「分計電話サービス」を契約して特定のプレフィックス(冒頭につく識別用のナンバー)を社員が入力した分だけ自社に請求が来るようにします。
そうすれば貸与専用の携帯電話の購入費などが浮き、無駄な経費を削減できます。ただし携帯電話は個人情報の塊であり、社員の携帯電話のセキュリティやリテラシーが不足していれば重大な情報漏れなどを引き起こすことにもなりかねません。この施策を取る場合は、社員の携帯電話セキュリティはしっかりしているか確認したり、研修を行ってリテラシー教育を行う必要性も出てくるかと思います。
紙代や印刷代などのコストも、コストカットがしやすい部分です。ぜひ積極的に見直しを行っていきましょう。
例えば印刷ミス分の裏紙をメモ帳にしたり、単価が安い紙を購入したりすれば、意外にコストカットにつながるものです。すでに多くの企業で浸透している方法ですが、自社ではしっかり実践できているかもう一度確認してみましょう。また社外で見せるものだけカラー印刷にして社内で使う分は白黒印刷で出力したり、余計に書類を印刷しないといった施策で、各書類の印刷代も節約できます。
ちなみに中小企業ではインクジェットプリンターを利用しているところもあります。インク自体は互換インクにすると確かにインク代は浮きますが、プリンターの寿命が確実に縮みます。場合によっては純正インクの方が長持ちして経済的なこともあるので、インクに付いては互換インクの方が得か、純正インクの方が得か、プリンター利用時によく考えた方がよいでしょう。
日本では、「安心できるし直接対面して打ち合わせをした方がよい」という風習が未だに根強くあります。しかし「Skype」などパソコン経由で簡単に顔を合わせられるサービスがたくさんある中、従来のように直接対面でわざわざ打ち合わせをする必要があるでしょうか?
顧客との関係性にもよりますが、許可が取れた相手とは対面ではなく「Slack」などのチャットコミュニケーションやSkypeなどのテレビ電話を利用して打ち合わせしたほうが簡単です。また相手方も打ち合わせ用の部屋やスペースの確保、接客などの手間をかけずに済むので、スムーズに打ち合わせができるのではないでしょうか。
また出張も、事前に「その出張は本当に必要か」をよく考え、不必要な分は他の出張にまとめたりなくしたりすることで、余計な出費を減らせることができて効果的です。
コストカットでは社内各作業の無駄な工程を見直し改善することで、継続的な効果が見込めます。
業務ごとに工程がダブっていることもあり、そういった工程は共有して作業を行えば無駄な時間を削減可能。また思い切って既存の書類を電子化してデジタルで作業することで、大幅な作業時間の短縮につながります。
これまで紹介したコストカット方法でも不十分という場合は、各業務システムの導入を検討してみましょう。業務システムを導入すれば書類の電子化や各業務工程の簡単な共有など、さまざまな面でコストカットに一役買ってくれます。
例えば、コストがかかりがちな経理では給与計算システムなどの、各システムを導入することでさらなるコストカットが見込めます。ただし企業によって適切なサービスが違うので、業務システムを導入するときは複数の会社をしっかり検討しましょう。また何でも業務システムに置換すればよいというわけではなく、「業務システムによりどのくらいのコスト削減が可能か」を事前にしっかり見積もっておくことも必要です。
また、業務システムの導入費も削減したい場合は、クラウド型を選んだ方がオンプレミス型よりコストをおさえられる場合もありますので、クラウド型もぜひ検討してみてください。
今回は安定した企業経営に必要であるコストカットの重要性と、具体的なコストカットの実践方法もご紹介してきました。
コストカットを行うだけで、結局は売り上げ拡大にもつながることはお分かりいただけたと思います。「この記事の方法を一気に実践するのは骨が折れる・・・」という場合は、まずは光熱費、紙代や印刷代などのコストカットを行ってみて、それから工程見直しなどの時間のかかるコストカット方法を実践しても構いません。ただしあまりにコストカットに傾注しすぎて、社員から「作業がしにくくなって効率が下がった」と苦情を言われないように、社内一丸となってコストカットに取り組めるようにしましょう。