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PMVV(ピー・エム・ブイ・ブイ)とは?策定する目的や方法を解説!

更新日:2025/04/10

ピー・エム・ブイ・ブイ

「企業の方向性が定まらない」「社員のモチベーションが低い」「ブランドが競合と差別化できていない」これらの悩みを抱える企業は少なくありません。

そんな問題を解決するカギとなるのが「PMVV(ピー・エム・ブイ・ブイ)」というフレームワークです。PMVVを策定すると企業の目指すべき方向が明確になり、社員が同じ目標に向かって動きやすくなります。

この記事ではPMVVの策定方法や目的、企業にどんな効果をもたらすのかを具体的に解説します。今後の企業成長を目指されるのであれば、ぜひご一読ください。

PMVV(ピー・エム・ブイ・ブイ)とは

PMVVは、企業が4つの指標を用いて自社の存在価値や経営目標を明確にするフレームワークです。

【PMVVの4要素】

  • 自身の存在目的(Purpose/パーパス)
  • 使命(Mission/ミッション)
  • 未来像(Vision/ビジョン)
  • 価値観(Value/バリュー)

PMVVを策定することで企業の方向性や目的を社員全員で共有しやすくなり、行動を一致させられるようになります。

企業理念との違い

企業理念とは企業の存在理由や社会的責任を示すもので、組織全体に共通の価値観や行動基準を提供することを目的に策定されます。

一方PMVVは、その企業理念を実現するための具体的な方向性を示すものであり、企業の目的や戦略に直結しているのが大きな違いです。

企業理念は抽象的な概念であるのに対し、PMVVはより具体的で実践的な要素が求められます。

MVVとの違い

MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)という言葉も、企業における活動指針(自社の使命、理想像、価値観や行動姿勢など)を示すフレームワークとしてよく使われます。

一方PMVVは、企業が存在する根本的な理由や社会的意義を強調する「P(パーパス)」が追加されています。

MVVにおいては“企業の目標や価値観”が中心となりますが、「パーパス」が加わることでより包括的な指針を示せるようになります。

項目意味
MVV企業の「ミッション」「ビジョン」「バリュー」の3要素に基づいたフレームワーク。“企業の目標や価値観”が中心。
PMVVMVVに「企業の存在理由(パーパス)」を加えた、企業の目的や戦略に直結したフレームワーク。4要素で構成され、より包括的な意味合いを持つ。

P【パーパス】

パーパスは企業の存在理由や社会的使命のことです。よりわかりやすく言い換えれば、「組織が何のために存在し、どのような社会的価値を提供するのか示したもの」とも言えるでしょう。

これは単なる利益追求にとどまらず、社会全体に貢献するための理念であり、広範囲かつ強い社会性が含まれています。

パーパスが明確であれば社員や顧客の共感を得やすくなり、企業文化や戦略が一貫性を持つようになります。

M 【ミッション】

ミッションは企業が実現すべき具体的な目標を示します。

パーパスが「なぜ存在するのか(Why)」を示すのに対し、ミッションは「何を(What)実現するのか」を具体的に表現しているのが異なる点です。

「企業の活動やビジネスがどのような価値を提供し、どのような方法で社会に貢献するのか」がミッションに集約されます。

V 【ビジョン】

ビジョンは、業が将来的に達成したい目標や姿を描いた“未来像(Where)”のことです。

ビジョンでは長期的な視点で企業が進むべき方向性を示し、その成長の道筋を描くことが一般的です。

適切なビジョンを定めることで、企業全体が一丸となって目指すべきゴールに向かって邁進しやすくなります。そして最終的には、社員のモチベーション向上にも寄与できる可能性が高まります。

V 【バリュー】

バリューとは企業の価値観や行動指針を表現する要素(How)です。

バリューでは、企業文化や日々の業務で重視されるべき価値観(1つあるいは複数)を具体的に示します。

バリューを定めることで社員がどのように行動し、どのような態度で仕事をするべきかが明確になり、組織の一体感を高められる効果が期待できるでしょう。

PMVVを策定する目的

PMVVを策定する目的は、企業が自己の存在意義や方向性を再確認し、組織全体で共有してモチベーションを高めることです。これにより、企業は以下の効果を得ることができます。

  • 戦略の明確化
  • 社員のモチベーション向上
  • ブランドの強化

戦略の明確化

PMVVを通じて企業は自身の目標や方向性を明確にし、長期的な戦略に基づいた意思決定ができるようになります。これにより企業は進むべき道を見失わず、持続可能な成長を目指しやすくなります。

例えばPMVVを策定し、常に自社の核心となる目的や価値観に沿った方向で行動することができるようになれば、短期的な利益だけでなく長期的な成長を支える基盤が強化されます。

しっかりとした戦略があれば意思決定が一貫性を持ち、迷いやブレを減らすことができます。同時に企業の方向性を社員やステークホルダーに伝える際も、説得力を持たせられるでしょう。

社員のモチベーション向上

PMVVで明確な目的や価値観が共有されれば、社員は自分の仕事がどのように企業の大きな目標に貢献しているのかを理解し、やりがいを感じやすくなります。

社員が自らの役割を認識し、企業全体の目標に対して責任感を持てるようになると、個々のパフォーマンス向上が期待できます。

また共通のビジョンや目標を持つことにより、チーム間の協力やコミュニケーションが円滑になり、全体としての生産性が高まる効果もあります。

その結果として、企業の業績向上や成長にもつながるでしょう。

ブランドの強化

PMVVを策定し明確なパーパスやビジョンを持つ企業は、顧客や社会からの信頼を得やすく、ブランド価値が向上します。

社会貢献活動を通じてポジティブな印象を与えることができれば、ブランドロイヤルティを高められます。

これにより消費者や投資家からの支持を受け、差別化が進み、持続的な成長が実現しやすくなります。

PMVVの策定方法

ビジネスマン・船

PMVVを策定する際は、まず企業の現状を把握し、その上で以下のステップを踏むことが重要です。

1.企業の歴史や文化の再評価

まずは企業がどのように成長してきたのか、どのような価値観を大切にしてきたのかを再評価します。過去の成功や失敗を分析し、それに基づいて現在の方向性を見直しましょう。

このプロセスでは企業の創業時の理念や過去に積み重ねてきた実績が反映し、現状の企業文化とどう調和させるかを検討します。

また過去に成功した要素を取り入れ、失敗を学びの機会として活かすことで、より強固なPMVVを構築できます。

2.ステークホルダーとの対話

PMVVの策定には社員や顧客、取引先、株主など、さまざまなステークホルダーと対話することが不可欠です。

利害関係者がどのような企業像や価値観を求めているのかを理解することで、企業の方向性が社会的ニーズに即したものとなります。

定期的なフィードバックを受け取ることにより、企業のPMVVが現実的で実行可能なものになり、外部の期待に応える形で発展していきます。

3.パーパス、ミッション、ビジョン、バリューの策定

これまでの工程をもとにPMVVを策定していきます。

PMVVの中でもパーパスは、企業の存在意義や社会的責任を示し、全ての戦略の基盤となる重要な部分です。

パーパスでは企業がどのような価値を提供し、社会にどのように貢献するのかを明確にする必要があります。

その後ミッション(企業の具体的な目標)、ビジョン(未来像)、バリュー(価値観)を具体的に策定していきます。

4つの要素は互いに関連したものを策定し、一貫性を持たせることが重要です。

また全社員が共通認識を持てるよう、PMVVは簡潔で理解しやすい言葉で表現し、組織内で共有しましょう。

PMVVを浸透させるには?

PMVVを策定することは重要ですが、それを実際に企業全体に浸透させることも同様に重要です。

PMVVを浸透させると、全社員が一貫した目標に向かって行動しやすくなります。これにより、組織全体が力を合わせて目的を達成しやすくなる効果が得られるでしょう。

本項では、PMVVを浸透させる方法をご紹介します。

経営陣が率先してPMVVを実践する

PMVVを浸透させるには、まず経営陣が率先してPMVVを実践することが必要です。

経営陣やリーダーがPMVVを日常業務に反映し、自ら積極的に示すことで、社員はその重要性を理解して実践しやすくなります。リーダーとなる存在がPMVVを体現していると、社員は同じ方向に向かって進む意識が高まり、組織全体の一体感が強化されます。

また、リーダーが定期的にPMVVに基づいた意思決定を行うことで、PMVVの実践が組織の文化として根付いていきます。リーダーの行動が示す方向性は社員がPMVVをどのように実践するかに直結するため、その影響力は非常に大きいといえるでしょう。

社員教育と研修を実施する

PMVVを浸透させるには、社員教育や研修を行ってPMVVへの理解を深めたり、業務にどう活用するかを具体的に示したりすることが重要です。

研修プログラムを通じてPMVVの各要素について理解を深め、実際の業務への活かし方を学ぶことで、社員一人ひとりがPMVVの意義を実感し、それを自分の行動に反映させられるようになります。

このときPMVVを単なる理論としてではなく、実際の業務や問題解決に役立つツールとして捉えさせることが重要です。

業務上での具体的な事例を挙げて「どのようにPMVVが意思決定に影響を与えるか」を示すことで、社員はその価値を実感し、積極的に活用するようになります。

PMVVの浸透を促進するコミュニケーションを行う

PMVVの浸透には、定期的に通知・共有ツールを用いてPMVVの重要性を社員に再確認させることが有効です。

例えば、定期的な全社ミーティングや部門別のミーティングで、PMVVに基づく取り組みや成果を共有するのも効果的でしょう。また社内ニュースレターや報告書を通じて、PMVVに関連する具体的な活動や成功事例を紹介することも重要です。

社員と積極的にコミュニケーションを取ることで、PMVVが実際の業務にどのように活かされているかを社員が具体的に理解でき、PMVVが日常業務にどんどん浸透していきます。

評価とフィードバックの仕組み

PMVVを浸透させるためには、社員の行動や業績がPMVVに沿っているかを評価し、フィードバックを提供することが重要です。

定期的なパフォーマンス評価によりPMVVが実践されているかを確認し、ポジティブなフィードバックを行うことで社員のモチベーションを向上させられます。

同時に評価に基づき改善点を指摘し、PMVVの実践をサポートすることも重要です。

企業のPMVV策定事例

PMVVを策定する際は、実際の企業の事例を参考にするのも良い方法です。

株式会社AZent(アゼント)の事例

科学的なアプローチを基にしたウェルビーイング経営支援「Well-being HR®」を提供する株式会社AZent(アゼント)では、以下のPMVVを策定しています。

  • パーパス: 自己実現のきっかけを提供することで、世界中に幸せを循環させる
  • ミッション: 自己認識の機会を創る
  • ビジョン: 誰もが自己実現を目指している世界
  • バリュー: 5つのバリューを提示
  1. ウェルビーイング(well-being): 健康と幸せを追求。
  2. プレイフル(playful): 楽しさと創造性を大切に。
  3. ユーモア(humor): ポジティブなエネルギーを生み出す。
  4. チャンスメイク(chance make): 新たなチャンスを作る。
  5. 三方よし(世間よし、買い手よし、売り手よし): すべての関係者が満足する形で社会貢献。

株式会社AZentではこのPMVVを基盤にして、“幸福度の高い人材”を育成し、楽しく前向きに働ける組織づくりのための支援(ウェルビーイングの向上)サービスを提供しています。

またウェルビーイングの向上を企業文化として定着させることで、企業そのものの持続可能な成長を支援することにもつなげるなど、長期目線での経営支援を実現しています。

参考リンク:ウェルビーイングカンパニー|AZent(アゼント)

ピー・シー・エー株式会社の事例

ピー・シー・エー株式会社では自社で働くすべての人が同じ方向を向き、判断の拠りどころにし、日頃から意識して業務にあたるための共通言語とするためにPMVVを策定しています。

策定したPMVVは新機能である『PCA AI アシスタント(仮)』にも反映されており、今後の自社の存在意義・方向性を示すとともに、製品やブランドの強化につなげられます。

【PCAが掲げる「パーパス・ビジョン・ミッション・バリュー」】

◎パーパス 「はたらく」に新しい価値を創出し、すべての人に豊かな時間と可能性を提供する
◎ビジョン 社会の変化をいち早く捉えて、働く人に寄り添い課題を解決する
◎ミッション 基幹業務の高度な自動化を実現するソフトウェアの提供を核に企業の円滑な経営・運営をサポートする「マネジメントサポート・カンパニー」であり続ける
◎バリュー 「Professional」 「Customer First」 「As One」

まとめ

PMVVは企業が自らの存在意義や方向性を明確にし、それを全社員と共有するための重要なフレームワークです。

PMVVを策定して企業文化として浸透させていけば、より強固な組織を作り上げることができます。PMVVを取り入れれば企業は持続的な成長を実現し、社員のモチベーション向上やブランドの強化にも繋がるでしょう。

今後、PMVVは新たなフレームワークとして徐々に浸透していくことが予想されます。

社員の共感を獲得し、長期的な組織の成長を目指すためにも、PMVVの策定および見直しを検討されてみてはいかがでしょうか。