更新日:2020/07/22
新型コロナウイルスの感染拡大は中小企業や個人事業主に大きな影響を与えています。事業を継続することが難しい状況の事業者もいます。
国は継続して事業を続ける意思のある事業者を救済すべく給付金を設けました。それが、「持続化給付金」です。
持続化給付金は新型コロナ発生前の2019年を基準に事業収入が減った事業者を対象にしたもので、給付金は広く事業を継続する目的に使用できます。
この記事では持続化給付金の対象や申請手順、必要書類について詳しく解説します。
持続化給付金とは新型コロナの感染拡大により大きな影響を受ける事業主が事業を継続できるように資金面で支える国の給付金です。銀行の借入のように返済する必要はありません。
給付額は、最大で
法人:200万円
個人事業主:100万円
となります。
必ず最大額が支給されるわけではなく、2019年と比べて1年間の売上減少額が上限となります。
給付額は次のように計算します。
給付金額の算定例
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
30 | 20 | 10 | 30 | 30 | 20 | 30 | 30 | 30 | 20 | 20 | 30 |
2020年度年間事業収入(例)
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
40 | 20 | 20 | 13 | - | - | - | - | - | - | - | - |
直前の事業年度(2019年度)の年間事業収入:300万円
直前の事業年度(2019年度)の 4 月の月間事業収入: 30万円
2020年 4 月の月間事業収入: 13万円
直前の事業年度(2019 年度)の 4 月分の月間事業収入が30万円、 2020年4月の月間事業収入が13万円であり、前年同月比で50%以上減少しているため給付 対象となります。
144万円=300万円-13万円×12
144万円<200万円(上限額)
給付額 144万円
出典:持続化給付金事務局|持続化給付金申請要領 中小法人等向け
https://www.meti.go.jp/covid-19/pdf/kyufukin_chusho.pdf
また、一度給付を受けた場合は再度申請できないので覚えておきましょう。
一般的な給付金はその利用目的が制限されていることが多く、事業計画書などを作成して申請しますが、持続化給付金は事業の継続のため使用する目的で給付されるので幅広く事業全般に使え、詳細な事業計画がなくても受けられるのが特長です。
持続化給付金の対象となるための大前提は、今後も事業を継続する意思があることです。他の給付金の申請に比べ対象となる要件のハードルが低いので該当する法人や個人事業主も多いと思います。要件を確認していきましょう。
法人とは医療法人・農業法人・NPO法人など事業会社以外の法人も含まれます。
具体的には次のように計算します。
前年の総売上(事業収入)―(前年同月比▲50%月の売上×12ヶ月)
前年の総売上は法人税の確定申告書で申告した売上金額です。新型コロナウイルス感染症対策として地方公共団体から休業要請に伴い支給された協力金や現金給付は含まず計算することができます。
資本金の額又は出資の総額が10億円未満(資本金が定めていない場合は常時使用する従業員が2,000人以下)
フリーランスを含む個人事業者が広く対象となります。
幅広い事業者を対象にした持続化給付金ですが、以下に該当する場合は申請しても不支給となります。
持続化給付金はオンラインからの申請が基本となります。オンラインの電子申請が難しい事業者向けの申請サポート会場も5月12日(火)より全国で順次開設されています。
申請サポート会場はこちらの経済産業省の「申請サポート会場一覧(6月16日時点)」で確認できますので電子申請が難しい方は参考にしてください。
https://www.meti.go.jp/covid-19/pdf/shinsei-support.pdf
他にも中小企業庁「持続化給付金サイト」から会場を検索して予約することができます。
オンラインの電子申請は中小企業庁「持続化給付金サイト(https://www.jizokuka-kyufu.jp/)」から行います。サイトのトップページは下の画像のようになっており、画面上に申請ボタンが表示されます。
引用:中小企業庁|持続化給付金サイト
https://www.jizokuka-kyufu.jp/
入力には次のような項目が必要となりますので事前に準備してから始めましょう。
【法人の入力必須事項】
出典:持続化給付金事務局|持続化給付金申請要領 中小法人等向け
https://www.meti.go.jp/covid-19/pdf/kyufukin_chusho.pdf
【個人事業主の入力必須事項】
出典:持続化給付金事務局|持続化給付金申請要領 個人事業者等向け
https://www.meti.go.jp/covid-19/pdf/kyufukin_chusho.pdf
申請手続を始めると申請要件を確認する宣誓と同意事項が表示されます。同意しなければ申請できませんので内容を確認して進めましょう。
給付金の申請期間を確認します。オンラインによる申請ですので申請データの送信完了の締切時間もおさえておきましょう。
申請期間:令和2年5月1日(金)から令和3年1月15日(金)まで
オンラインによる子申請の送信完了の締切:令和3年1月15日(金)の24時まで
申請した内容や書類に不備がある場合は申請時に登録したメールアドレスに修正依頼のメールが届きます。メールでの連絡のみですので申請時に登録するアドレスは必ず受信できるものにしましょう。
申請の修正は申請と同じサイトの「持続化給付金申請マイページ」にログインして行います。
引用:持続化給付金|不備による修正申請の流れについて
https://www.jizokuka-kyufu.jp/news/20200605.html
誤ってサイトの初期画面の「申請する」から再登録すると審査に時間を要して振込が遅くなる可能性があるので気を付けましょう。
新型コロナの影響で売上が減少した事業者の資金繰りは非常に厳しい状況です。資金調達の方法は色々あると思いますが、持続化給付金は返済不要な資金として活用できます。
通常の給付金に比べて申請対象のハードルも低く、電子申請が可能で、不備などがなければ支給までも2週間ほどです。資金繰りでお困りなら申請を検討してみてはどうでしょうか。