更新日:2020/09/15
事務業でも製造業でも、作業に使う資材の発注は必須です。そして資材にかかった経費や発注数、支払いなどの情報を管理するためには、「購買管理」をしなければいけません。購買管理は時間も手間もかかり、正確性も求められるため人的リソースだけで行うには限界があります。
しかし「購買管理システム」を利用することで簡単に効率化することができます。「購買管理システム」は自社の購買状況を可視化し、課題解決に役立てることも可能です。
今回は「購買管理システム」でどんなことができるかを知りたい方や、「購買管理システム」の導入を検討している方に、「購買管理システム」とは何か、そしてメリットやデメリット、選定のポイントを解説していきます。
「購買管理システム」とは、購買管理を効率化するためのシステムです。
購買管理では購買に必要な各工程を管理して、適材適所のタイミングで足りない資材を、適切な価格で購入できるようになる状態を目指します。しかし購買の業務プロセスは複雑で、目視だけで資材調達量や価格などを把握してデータ化するのは大変です。
「購買管理システム」では、購買管理に必要なプロセスを自動化できます。そして購買工程作業を簡略化して、業務の効率化が可能になります。
購買管理システムを導入すれば、次のメリットが得られます。
購買においては、発注伝票の作成、帳票の一括管理などの作業が必要になります。しかし発注伝票を手書きしたり、手作業で帳票をまとめるのはとても大変な作業です。
「購買管理システム」では発注伝票をシステム上で簡単に作成、自動入力機能を使えばその都度同じ内容を手書きして発注を行う必要はありません。帳票も電子化により自動でまとまるので、ばらつく心配もありません。結果、購買に関係するプロセスが簡略化され、業務時間の削減につながります。
さらに発注書や帳票などを電子化すると、ペーパーレスで書類管理ができます。印刷コストも不要となり、削減された業務時間は自社の重要な業務へ回せるようになるので、生産性も向上するのです。
購買管理を人力で行っていると、仕入れ数など同じ項目を「Excel」に何度も入力したりする場面に遭遇します。仕入れ数や購入金額などは1桁でも間違えれば正しいデータになりません。そして人力での作業が多くなればなるほどミスが増えやすくなり、関係者間でも整合性がとりにくくなります。
「購買管理システム」では、仕入数など購買情報を、関係者間で簡単に共有可能です。入力は一度で済み、単純な入力ミスも起こりにくくなります。また発注履歴や納入状況も一目で把握できるので、「この資材はすでに発注しているから再発注の必要はない」「この資材の納入が遅れているから催促しよう」という判断が簡単にできるようになるのです。
このように「購買管理システム」を利用すれば、情報を共有・可視化して人的エラーを防止できます。
「購買管理システム」には、購買履歴が保存されていて、必要な情報を簡単に検索することができ、履歴データを利用することで今後の購買計画を立てやすくなります。
例えば「この発注先は納入も早く、資材価格も安いので継続して利用しよう」「今期はこの資材をあまり使わず、在庫が余ってしまったので来期は調達量の調節が必要だ」といった経営判断に必要な購買計画の立案が簡単になります。
購買管理システム導入の際は、次のデメリットにも注意しておきましょう。
「購買管理システム」の導入にはベンダーと契約するためコストがかかります。そのため、自社の事業規模や予算に合うシステムの選定が必須です。また事業規模が小さければ、導入してもあまりメリットが得られない可能性もあります。「購買管理システム」を導入する際には、導入によって自社にどんなメリットが得られるかをしっかり考えましょう。
「購買管理システム」は、IT初心者でも簡単に操作できるように工夫されているものが多くあります。ただしIT初心者でも操作できることと、直感的に操作できることはイコールではありません。
どんな業務システムにもいえることですが、自社でITシステムに慣れている社員が少ない場合、導入時には使用者への研修が必要です。「購買管理システム」にはさまざまな機能が搭載されており、導入・運用ができる社員の育成も重要になってきます。
購買管理システムを選ぶときは、次のポイントを押さえておくと便利です。
「購買管理システム」は業務の根幹を支える「基幹業務システム」の一つです。そして「購買管理システム」は単独で利用することは少なく、「在庫管理システム」などの基幹システムと連携させて業務効率化を図るケースが多くあります。
すでに利用している「基幹業務システム」に「購買管理システム」を追加導入する場合は、プログラム・データが連携できるかなどを事前にしっかり確認しましょう。また「ERP(企業資源計画)」のパッケージごと「購買管理システム」を導入すれば、ERP内の他システムとすぐに「購買管理システム」を連携できます。
「購買管理システム」と一口に言っても、利用する業者の業種・用途によってさまざまなベンダー・製品があります。例えば「サプライチェーン」の最適化をしたいために購買管理システムを利用したい業者もいれば、他システムとの連携で相乗効果を出したい業者もいます。そしてベンダーでも各業者の希望に対応して、異なる機能を持った各購買管理システムを発売しています。
「購買管理システム」を導入する際はまず、自社の業種・用途に合わせた購買管理システムの選定を行い、業務にフィットする機能からシステムを選定する方法がオススメです。
また「購買管理システム」には以下の2種類があります。
オンプレミス型はカスタマイズ性が高く、より自社にフィットした形でシステム導入できますが、コストが高くなり、自社でのシステム管理やセキュリティの対応が必要となります。反面、最近登場したクラウド型の購買管理システムは、カスタマイズ性は低いですがコストを安く抑えて利用でき、サーバーの管理をベンダー側で行えます。自社の運用にマッチするシステムを選定してください。
購買管理システムを導入する際は、提供タイプの違いも知った上で選定を行ってください。
「購買管理システム」はさまざまなベンダーから発売されており、サポート・対応などもベンダーによって異なります。「購買管理システム」を選ぶ際は、ベンダーの実績もしっかり確認しておきましょう。電話対応などのサポートも選定の重要なポイントとなります。万が一トラブルが起こった場合の解決には、丁寧なサポートが必要になるので、導入の際は目の前のコストだけでなく選定を行ってください。
今回は購買管理システムとは何か、そしてメリット・デメリットや選定の際のポイントをご紹介しました。
複雑な購買管理を簡単に可視化できる「購買管理システム」は、業務効率化や人的エラーの削減などを図れる便利なシステムです。購買管理業務の効率化・生産性の向上の実現を目指し、導入をご検討ください。