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原価管理システムとは?導入のメリットを解説

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適切に商品やサービスを売らないと収益の上がらなくなった現代。特に商品やサービスにかかる「原価計算」を行い、「原価管理」を行う作業は重要です。原価管理は物価や為替などの上下まで考えて適切な設定を行う必要があるため、人の大体の感覚に全て任せるのは非効率です。

原価管理システムを導入すれば、物価や為替など原価に関係する指標を適切に処理して原価計算を行い、原価管理できます。さらに将来の原価予測を立てるといった、有益なシミュレーションまで可能になるので、企業の収益を伸ばすためにもぜひ導入したいところです。

今回はそんな原価管理システムの概要やメリット・デメリット、さらには導入時に押さえておくと安心なポイントまでご紹介します。「原価管理システムの概要を知っておきたい」、「原価管理システム導入にあたって気を付けておくべきポイントを理解したい」という方はぜひご覧ください。

原価管理システムとは

原価管理システムを説明する前に、原価管理についてふれておきましょう。

原価管理とは、推定される原価(標準原価)と実際に発生した原価(実際原価)をそれぞれ原価計算して比較。違いがあった場合はその原因を調査して、適切な原価を設定できるようにする管理方法です。要はあらかじめデータをもとに推定して計算する標準原価が、実際原価に近づけば近づくほどよい状態です。

原価管理のもとになる原価計算や原価管理については、1960年代に大蔵省が制定した「原価計算基準」に記されています。政府がわざわざ方法などを示しているように、原価計算や原価管理は企業にとって重要なものです。

原価管理の目的は、企業の収益向上につながるように、適切な原価を設定してお金のやりくりができるようにすることです。

商品やサービスの販売価格は、「商品やサービスにかかった原価+企業が設定した利幅」で計算されます。そして「売上-商品やサービスにかかった原価=利益」となります。つまり極端な話、原価が減れば減るほど、企業の利益は増加していきます。

原価がかかりすぎている場合、原価管理で仕入れ方法などに課題を見出し、改善を行って適切な原価を設定してコストダウンできれば、それだけ企業の利益は向上していきます。そして原価管理をデジタル処理して、最大限適正化するツールが原価管理システムです。

原価管理システムでは原価計算に必要な各種データを自動で取得し、計算処理を行います。そして人的に処理するよりずっと高速に、そして高精度で標準原価の設定などができるようになり、原価管理が効率化します。

原価管理システムのメリット3つ

原価管理システムには、次のメリットがあります。

  • 最新の情報なども併せて、最適な原価管理ができる
  • 原価管理にかかる時間やコストの削減
  • ERPと組み合わせるとさらに効果的

最適な原価管理ができる

原価管理システムでは、資材費や労務費など、原価に関わるデータを一瞬で取り出して計算を行えます。そして取得するデータも最新の情報なので、リアルタイムに正確な原価計算ができるようになります。

人的には困難な最新の情報も併せて瞬時に原価計算を行い、原価管理を行うといった一連のステップを、原価管理システム導入で簡単に実現できます。また取得したデータから将来の原価を予測して計算することも可能で、「来年はこの工程でコストを減らして原価を調整しよう」など、原価管理のための施策も立てやすくなります。

原価管理にかかる時間やコストの削減

原価とは複数の要素から成り立ち、また業種ごとに原価に含まれるものが異なります。ですから原価管理は人的に行うとかなりややこしく、処理完了までに大幅な時間がかかってしまいます。またリソースも必要なので、人員を上手く収益の上がる仕事に割けなくなるデメリットもあります。

原価管理システムでは原価計算など、原価管理に必要な工程を自動化できるので、誰でも簡単に原価管理ができます。そして処理が自動化されることで無駄に原価管理に時間をかける必要がなくなり、原価管理に必要なリソースも少なくなります。

空いたリソースはコア業務へ回せば、それだけ自社の利益がアップします。

ERPと組み合わせるとさらに効果的

現代では、自社に必要な基幹システムを統合し一括管理する「ERP(Enterprise Resource Planning)」を導入する企業が増えています。このERPと原価管理システムを連携させれば、さらにメリットが増えます。

例えば原価を帳票に自動反映するなど、他システムと連携させて社内全体に原価の情報を共有できます。また原価についての情報入力が一度で済むので、データの正確性も上がり入力にかかる時間まで削減されます。

ERPと原価管理システムを連携させるには、もともと原価管理システムが機能として含まれているERPを導入すると安心です。

原価管理システムのデメリット2つ

原価管理システムのデメリットも覚えておきましょう。

・コストがかかる

・ベンダーの選定を間違えると効果がない

コストがかかる

原価管理システムは、導入や稼働に対してコストがかかります。ですから事前に自社の原価管理にどんな問題があって、原価管理システム導入によってどれだけ課題が解決して利益につながるのかイメージがなければ、コストがかかる一方になります。

また計算方法は企業ごとに異なるので、正しい原価計算ルールを適用しておかないと原価管理に失敗してしまうこともあります。原価管理システムが万能でない点はしっかり理解しておきましょう。

ベンダーの選定を間違えると効果がない

原価管理システムは、ベンダーごとに対応している機能が異なります。例えば製造業がメインの企業が製造業に対応していない原価管理システムを導入しても効果は挙がりません。

原価管理システムを導入するときは、自社ジャンルに合わせた機能が搭載されているかしっかり確認しましょう。

原価管理システム導入の際のポイント

原価管理システム導入の際は、次のポイントを踏まえましょう。

  • 基幹システムとの連携を考える
  • 自社に合った原価管理システムを選ぶ

基幹システムとの連携を考える

原価管理システムは、製造管理や在庫管理システムなどと連携。各システムからデータを取得して処理を行います。システムの仕組みによって自社の基幹システムと原価管理システムを連携させられない可能性もあるので、自社基幹システムとの相性を考えながら原価管理システムを選定する必要があります。

ちなみに「原価管理システム導入を考えていたら自社基幹システムの数が多くて、連携もできずにデータを活用できない状況なのに気づいた」というケースに当てはまる場合は、いっそのこと原価管理システムつきのERPを導入して、自社データを一括管理できる仕組みを整えるほうが得策かもしれません。

自社に合った原価管理システムを選ぶ

デメリットで説明したように、原価管理システムはたくさんのベンダーからいろいろな機能のものが発売されています。その中には自社業務に対応していないものもあるので、まず自社業務に対応していないベンダーの製品は外しましょう。

そしてカスタマイズはどのくらいできるのか、操作は簡単なのか少しくせがあるのかなど、自社の目的や用途などに合わせて原価管理システムを選定しましょう。

まとめ

今回は原価管理システムとは何か、そしてメリット・デメリットや導入時のポイントなどを解説しました。

原価管理を適切に行えば、商品やサービスの売上が大きく変わらなくても利益をアップさせられます。そして原価管理システムによって最大限にまで原価管理が最適化され、最大限の収益を上げられるようになって、原価変動によるリスクにも備えられます。

ぜひあなたの会社でもこの記事を参考にしっかり原価管理システムの選定を行い、原価管理を最適化してくださいね。

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