更新日:2019/06/25
販売管理にまつわる業務は多岐にわたり、受発注や入出荷、請求・回収および売り上げなど、管理しなければならないデータ項目が多いです。
これらのデータ管理を統合的に行い、販売管理業務を効率化するシステムが「販売管理システム」です。販売管理システムとはどのようなものなのかと具体的にどんな機能が備わっているのか、また、導入することによってどのようなメリットが期待できるのかなどについてご説明します。
販売管理システムとは、販売管理業務を効率化するためのシステムのことを言います。
「販売管理」という字面だけを見ると、販売業にしか関係のないものだろうという印象を持たれる方もいるかもしれません。
しかし、お客様から注文を受けたり、必要に応じて仕入れを行ったりといった業務は、どんなビジネスにおいても必ず発生します。販売管理とは、「見積もりを出して受注し、必要に応じて発注・入荷を行ったうえで出荷、さらに請求を行って入金される」という一連の流れの中で、お金とモノの動きを管理する業務です。すべての企業に不可欠な業務であると言えます。
販売管理では、いつ、どの顧客に、何を(商品、サービス)、いくらで販売するのか、その代金はいつ支払われるのか、といった項目をすべて管理する必要があります。また、それにあわせた部材や在庫の仕入れや生産、それらにまつわる支払い額や時期などについても管理しなければなりません。
これらを個々に管理するのではなく、データ化して統合的に管理するためのシステムが、販売管理システムなのです。
「販売管理を効率化するためのシステム」と言っても、漠然としていてピンと来ないと思われた方もいらっしゃるでしょう。ここからは、販売管理システムで具体的に何ができるのか、多くの販売管理システムに備わっている主な機能を見ていきましょう。
受注にまつわる情報を入力してデータ登録できます。製品によっては、登録した内容に応じた見積もりの自動作成が可能です。
データ化された受注情報は、取引先や商品名などで検索できるようになります。
棚卸し情報の反映などにより、在庫情報をデータとして管理できます。在庫情報は、受注時の在庫確認などのために検索、表示が可能です。
受注に応じて出荷指示を入力すれば、倉庫へ出荷指示が送信され出荷、納品が行われます。
いつ、何を仕入れるのか予定を入力して管理したり、仕入を確定して在庫計上したりといったデータの管理ができます。
仕入にともなう支払予定管理や、支払を確定するための消込み作業にも対応しています。
納品データに応じた請求書を発行できます。それぞれの取引先に対応して請求時期や回数を設定できる製品もあります。
取引先や期間を指定して、未回収の売掛金を検索、表示することも可能です。
販売管理システムを導入することで、どのようなメリットが期待できるのでしょうか。主なものをご紹介します。
販売管理を行うには、さまざまなデータを入力・管理する必要があります。販売管理システムを導入することで、自動で登録や反映、管理できるデータが増えるため、手作業で行う入力作業を減らすことができます。見積書や出荷指示、請求書なども自動で発行できるようになるため、担当者の作業負担を大幅に軽減できるはずです。
手作業での入力が少なくなり、自動で反映されるデータ項目が増えることで、入力ミスや確認ミスなどを防ぐことにつながります。また、ミスがないかを確認するために必要だった作業や、ミスの修正対応作業などが少なくなるのもメリットです。
請求書の発行を自動で行えるため、請求漏れや間違いなどが起こりません。また、期間や取引先ごとに未回収の売掛金を把握できるため、未回収債権を減らすことに役立ちます。
販売にまつわるデータを管理しつつ蓄積していけるため、実績データをもとにより効果的なマーケティングや販売計画が可能になります。手作業によるデータ分析に比べ、より迅速かつ正確に経営判断を行えるようになるでしょう。
販売管理システムの導入によりさまざまなメリットが期待できますが、導入に際しては以下のような点に注意すべきであることを理解しておきましょう。
販売管理システムは、製品によって料金体系がさまざまです。クラウド型のサービスであれば初期費用を抑えて導入可能ですが、運用コストが発生します。また、使用する人数やどのような機能を使うかなどによっても料金が変わってくるでしょう。一方、パッケージ版は、導入時にまとまった初期費用が必要になります。現在のビジネスの規模や販売管理システムの導入目的に合わせた必要な機能などを十分に検討し、トータルコストと費用対効果を十分に検討したうえで導入するのが大切です。
販売管理システムにもさまざまな製品があり、機能や使用感、得意分野などが異なります。販売管理システム導入にあたっては、コスト面だけではなく自社のビジネス内容や規模、導入する主目的などに応じて、最適な製品を選定することが重要です。また、現在どのような体制で販売管理業務を行っているのか、現行のシステムやデータからスムーズに移行が可能な(互換性がある)製品か、などといった点についても考慮して選定することをおすすめします。
販売管理システムは、売り上げ管理はもちろん、仕入れ管理や在庫管理、調達管理や生産管理など、さまざまな管理業務に関わってくるシステムです。当然、一つの部門や部署だけで使用するシステムではなく、さまざまな部門でさまざまな業務担当者が使用することになります。それぞれの管理業務において現行の管理方法やシステムがあり、業務担当者も決められているでしょう。統合的な販売管理システムを導入するにあたって、システムに応じた業務変更や、人員配置などが必要になる場合もあります。販売管理システムの導入にあたっては、システム運用のための体制についてもしっかりと整える必要があることを念頭におきましょう。
販売管理システムとはどのようなものなのかと具体的にどんな機能が備わっているのか、また、導入することによって得られるメリットや導入にあたっての注意点などをお伝えしました。
販売管理業務を効率化する販売管理システムの導入により、さまざまなメリットが期待できることをご理解いただけたかと思います。各製品の特徴など比較しつつ、導入を検討なさってみてはいかがでしょうか。