Point メッセージ「貸借対照表の収支資金科目残高と収支計算書の次期繰越収支差額が一致していません」について
2024/08/06 10:00
以下は、『PCA 公益法人会計シリーズ』『PCA 社会福祉法人会計シリーズ』についての説明です。
※画面例は『PCA 公益法人会計シリーズ』を使用しています。
期首残高の登録で正しい残高が登録されていない場合や、科目登録の設定にある「資金収支科目設定」が正しく行われていない場合、合計残高試算表や決算書を集計すると「貸借対照表の収支資金科目残高と収支計算書の次期繰越収支差額が一致していません」というメッセージが表示される場合があります。
今回は、科目登録の設定にある「資金収支科目設定」が正しく行われていない場合について解説します。
【科目の設定】
資金収支計算書、正味財産増減計算書(『PCA社会福祉法人会計シリーズ』では「事業活動計算書」)、貸借対照表の3つの計算書類を互いに関連させるためには、資産、負債及び純資産が増減する仕訳に資金科目の増減が伴う場合、通常の仕訳に加え、資金科目の増減を資金収支計算書へ反映するための仕訳を起票する必要があります。
『PCA 公益法人会計シリーズ』、及び『PCA 社会福祉法人会計シリーズ』では、資金科目の増減が伴う仕訳を入力した場合、入力した仕訳を読み替えて資金収支計算書へ集計する仕組みになっています。
読み替えて集計するには、資金科目の相手となる科目(主科目・中科目・小科目・補助科目)毎に、「資金収支設定タブ」にある読替先科目欄で読み替え先の資金収支科目を設定します。
資金収支科目設定タブ欄(例:「前準備―科目の登録―中科目の登録」)
・資金科目設定:「資金科目」「非資金科目」を選択します。
資金科目として設定可能な勘定科目属性は以下です。
・現金預金 「111000~112000」
・その他の流動資産「115000~119050」
・流動負債 「131000~133950」
・読替先科目:資金科目設定が「非資金科目」の場合[借方発生時][貸方発生時]それぞれについて、読替先収支科目を設定します。
上記画面では、「主科目:事業費」(611)」-「中科目:消耗品費(621)」の読替先の資金収支科目に「主科目:事業費支出(811)」-「中科目:消耗品費支出(821)」を指定しています。
集計について
上記仕訳では「611:事業費」―「621:消耗品費」の相手の科目が資金科目(現金)の仕訳なので、正味財産増減計算書には「611:事業費」-「621:消耗品費」に、資金収支計算書には読替先科目で指定されている「811:事業費支出」-「821:消耗品費支出」に金額が集計されています。
また、読み替えた資金収支の仕訳については、「日常帳票」-「資金収支仕訳チェックリスト」で確認することができます。
【メッセージが表示されるケース】
「資金収支科目設定」タブにある「読替先科目」の設定が未入力(ブランク)の状態で、該当科目を用いた仕訳データを入力すると、資金収支計算書に読み替えて集計する科目が指定されていないため、資金収支計算書に金額を集計することができません。
その結果、入力した仕訳データは資金収支計算書に集計されない不整合仕訳となり、結果「貸借対照表の収支資金科目残高と収支計算書の次期繰越収支差額が一致していません」のメッセージが表示されます。
未設定例 読替先科目が未指定
【対処方法】
不整合仕訳の確認方法
資金収支科目設定が正しく行われていない科目を用いて入力された、不整合仕訳を検索する機能を用意しております。
「ファイル」-「データの保守」にある「不整合伝票のチェック」です。
検索する条件を指定して「実行」ボタンをクリックしますと、指定された範囲の仕訳データを調査し、不整合仕訳が見つかった場合、不整合仕訳の会計区分・伝票日付・伝票番号を表示します。
※「不整合伝票のチェック」を行う前にバックアップを実行してください。
※上記画面例では、会計区分:000 伝票日付:2024/7/22 伝票番号:1の仕訳が不整合伝票であることを示しています。
不整合仕訳の修正方法
「不整合伝票のチェック」を用いて不整合仕訳の存在が確認できましたら、不整合仕訳で使用されている科目を確認し、原因となる科目を絞り込みます。
「日常帳票」-「資金収支仕訳チェックリスト」を起動し、該当の伝票を集計します。
本来、資金収支科目が表示される箇所がーーーで表示している箇所が、不整合となっている科目の場所になります。
原因となる科目が絞り込めましたら、「前準備」-「科目の登録」から該当科目に該当するメニューを選択し、該当科目を編集で呼び出します。
「資金収支科目設定」タブを選択し、資金収支科目を入力・登録を行ってください。
科目の登録作業が終わりましたら、不整合仕訳に設定した資金収支科目を反映させるため「仕訳関連情報の再構成」を実行します。
「仕訳関連情報の再構成」の実行
メニュー「前準備」-「科目の登録」-「仕訳関連情報の再構成」を選択します。
画面が表示されましたら、対象期間を指定し、対象科目は「資金収支科目」にチェックが入っている状態で、実行を行ってください。
終了しましたら、試算表や決算書を集計していただき「貸借対照表の収支資金科目残高と収支計算書の次期繰越収支差額が一致していません」のメッセージが表示されないことを確認してください。
※「仕訳関連情報の再構成」を行う前に必ずバックアップを実行してください。
説明は以上です。
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