Point 適格請求書等保存方式に対応するための設定方法

2022/09/01 01:10

■PSS会報誌 2022年 秋号(2022.09.01発行)に掲載された記事です■
【更新日:2023年06月19日】(リンク先の資料を更新しました)

以下は、『PCA 商魂・商管シリーズ バージョン DX(じまん・jimanを含む)』の[リビジョン 3.02]からの機能についての説明です。


『PCA 商魂・商管シリーズ バージョン DX(じまん・jimanを含む)』ではリビジョン 3.02 以降で「区分記載請求書等保存方式」および「適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス)」に対応しています。ここでは、約1年後の2023年10月1日より導入される「適格請求書等保存方式」に対応した請求書を出力するための設定方法を簡単にご説明します。

また、PCAホームページ(URL:https://pca.jp/invoice/)にて「適格請求書等保存方式(インボイス制度)への対応」のサイトを公開しています。ぜひご活用ください。

処理の流れ

<会社基本情報の登録>
① [事業者登録番号]の登録
② [請求書(支払明細書)の端数調整方法]の設定
③ [端数調整を外税額と内税額で別々に計算]の設定

<得意先の登録>
④ [消費税通知]の確認

<専用帳票の出力設定>
⑤ [事業者登録番号]の出力設定


<ご注意>

設定変更により以前と計算結果が変わる可能性があります。
過去にさかのぼって再請求しないようご注意ください。
※「請求書」で説明していますが、「支払明細書」も同様ですのでお読み替えください。
※ここでは専用帳票での出力方法をご案内します。フリーフォーマットをご利用の場合は、「適格請求書を出力する為の設定方法(PDF)」の「IV.請求書の出力設定」-「8.フリーフォーマットの出力設定」をご参照ください。

操作方法

① [事業者登録番号]の登録
「前準備」-「会社基本情報の登録」を起動し、[企業情報]タブを開き、「適格請求書等保存方式」で使われる[事業者登録番号]半角14桁を入力します。

② [請求書(支払明細書)の端数調整方法]の設定
「前準備」-「会社基本情報の登録」で[消費税]タブを開き、[請求書(支払明細書)の端数調整方法]で[税率別]を選択します。

③ [端数調整を外税額と内税額で別々に計算]の設定
「前準備」-「会社基本情報の登録」で[消費税]タブを開き、[端数調整を外税額と内税額で別々に計算]で[しない]を選択します。

④ [消費税通知]の確認
「前準備」-「取引先」-「得意先の登録」にて得意先の詳細設定画面の[請求]タブを開きます。
【請求書を適格請求書とする場合】[消費税通知]を[1: 請求書一括]に設定します。
【納品書を適格請求書とする場合】[消費税通知]を[2: 納品書毎]に設定します。

⑤ [事業者登録番号]の出力設定
納品書または請求書に、「会社基本情報の登録」で登録した[事業者登録番号]を出力します。
【納品書 専用帳票をご利用の場合】
1.「販売管理」-「売上」-「売上伝票入力」を起動し、画面左上の[ファイル]-[納品書の発行方法]を開きます。
2.[出力項目]の中にある[事業者登録番号]にチェックをつけ、[設定]ボタンをクリックします。
【請求書 専用帳票をご利用の場合】
1.「販売管理」-「請求」-「請求書」を起動し、[出力項目等]のボタンをクリックします。
2.[事業者登録番号]にチェックをつけ、[設定]ボタンをクリックします。

操作は以上です。

上記①~⑤の項目設定方法や出力設定方法の詳細につきましては、PCAホームページにて資料を公開しております。
URL:https://faq.pca.jp/
「適格請求書を出力する為の設定方法(PDF)」
をご覧ください。

よくあるご質問

Q1.適格請求書保存方式に対応した設定をする時期は?

A1.実際に各項目を設定するのは「適格請求書」となる売上伝票を入力する直前となります。
設定により従来の消費税計算と計算結果が変わる場合がありますので、請求書(支払明細書)の端数調整方法や、端数調整を外税額と内税額で別々に計算する場合の詳細を確認し、設定するタイミングを決定してください。

Q2.適格請求書保存方式に対応した設定を行う必要がありますか?

A2.適格請求書を交付するのであれば必要です。
適格請求書を交付できるのは、適格請求書発行事業者に限られます。
適格請求書発行事業者となるためには、税務署長に「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出し、登録を受ける必要があります。なお、課税事業者でなければ登録を受けることはできません。

参考

適格請求書を交付できるのは、登録を受けた適格請求書発行事業者に限られますが、適格請求書発行事業者の登録を受けるかどうかは事業者の任意です(新消法 57の2①、57の4①)。  
ただし、登録を受けなければ、適格請求書を交付することができないため、取引先が仕入税額控除を行うことができませんので、このような点を踏まえ、登録の必要性をご検討ください。

また、適格請求書発行事業者は、販売する商品に軽減税率対象品目があるかどうかを問わず、取引の相手方(課税事業者に限ります。)から交付を求められたときには、適格請求書を交付しなければなりません。一方で、消費者や免税事業者など、課税事業者以外の者に対する交付義務はありませんので、例えば、顧客が消費者のみの場合には、必ずしも適格請求書を交付する必要はありません。
このような点も踏まえ、登録の必要性をご検討ください。

出典:国税庁PDF「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」
P12  1行目(登録の任意性)問11より引用