Point 工事一覧表と合計残高試算表の不一致について

2023/12/28 10:00

以下は、『PCA 建設業会計シリーズ バージョンDX』『PCA 個別原価会計シリーズ バージョンDX』についての説明です。画面例は『PCAクラウド 建設業会計』を使用しています。
※『PCA 個別原価会計シリーズ』にも同様の処理を実装しています。名称「完成工事原価」は「当期製造原価」とお読み替えください。


お客様より、「工事一覧表の今期完成した工事の完成工事原価と合計残高試算表の完成工事原価の金額が合わない」とのお問い合わせをいただくことがあります。

よくある原因の一つとして、工事が完成し完成振替入力を行った後に、該当工事に対して未成工事原価の仕訳を追加・修正・削除し完成振替入力の再登録を行わなかったために、不一致が生じるケースになります。
不一致が生じるのは、以下のような計算方法の違いとなります。
・合計残高試算表(完成工事原価)は完成工事原価科目の金額を集計します。
・工事一覧表は、完成・未成それぞれの原価科目の金額を集計します。

今回は、上記のケースが生じた場合、「自由設定帳票」の「科目別工事一覧表」を用いて未成工事支出金の残高を確認する方法をご説明します。
上記に該当する工事の場合、完成しているにも関わらず未成工事支出金に残高が残っています。
完成しているにも関わらず残高が残っている工事を確認していただき、修正を行ってください。


<例>

① 10月30日の伝票日付で 材料費(未成)の仕訳を入力

 
 

② 12月19日の伝票日付で 完成振替入力を実行

 
 

③ 10月30日の伝票に対し、金額を訂正

 
 

④ この状態で合計残高試算表の完成工事原価と、工事一覧表の完成工事合計を比較すると金額が不一致になります。

合計残高試算表(完成工事原価)の「33,000円」は完成振替入力で発生した「(工)材料費」の金額を集計しています。
工事一覧表の「44,000円」は振替伝票入力で入力した「ミ)(工)材料費」及び完成振替入力の「(工)材料費」及び「ミ)(工)材料費」を加減算していますので、「44,000円=44,000円+33,000円-33,000円」の計算で算出しています。


⑤ 「科目別工事一覧表」を確認すると、未成工事支出金に残高が残っています。



説明は以上です。