Point 「共通原価配賦入力」の操作方法と便利な新機能
2022/09/01 01:20
■PSS会報誌 2022年 秋号(2022.09.01発行)に掲載された記事です■
以下は、『PCA 建設業会計シリーズ バージョン DX』『PCA個別原価会計シリーズ バージョンDX』の[リビジョン 6.00]の機能についての説明です。画面例は、『PCA サブスク 建設業会計』を使用しています。
※『PCA個別原価会計シリーズ バージョンDX』にも同様の処理を実装しています。名称「工事」は「プロジェクト」とお読み替えください。
『PCA 建設業会計シリーズ バージョン DX』では、旧製品である『PCA 建設業会計 V.7シリーズ』と比較して90以上の新機能追加・改善が実装されています。その中でも大幅に機能強化された「共通原価配賦入力」について、基本的な操作の流れと、便利な新機能を紹介します。
処理の流れ
1.「工事データ入力」-「共通原価配賦入力」を起動すると「条件指示」画面が表示されますので、[集計期間]に配賦対象としたい発生金額の期間を指定します。
2.[配賦選択]で配賦方式を選択します。
[共通原価配賦]:配賦先として工事、工種を指定します。※V.7方式
配賦元の勘定科目(補助科目)の金額を、同一の勘定科目(補助科目)の別工事、工種に配賦できます。[自由配賦]:配賦先として勘定科目、補助科目、部門、取引先、工事、工種を指定します。
配賦元の勘定科目(補助科目)の金額を、別の勘定科目(補助科目)の別工事、工種に配賦できます。
3.[配賦元指定]で登録済の配賦パターンを使用するか否かを選択します。
[共通原価配賦パターン指定]:「工事情報処理」-「共通原価配賦パターン」-「共通原価配賦パターンの登録」で登録した共通原価配賦パターンを使用して配賦を行います。
[個別指定]:配賦元となる部門、勘定科目を指定して、配賦を行います。※V.7方式
機能強化により、複数科目、税区分を最大50件まで一括指定できるようになりました。
[完成・未成]:集計する原価勘定を選択します。
4.[実行]ボタンをクリックすると、設定条件で配賦元金額を集計し、「共通原価配賦入力」画面が表示されます。
5.「共通原価配賦入力」画面に配賦金額が表示されますので、伝票日付、配賦元行に設定する摘要を入力し、配賦先となる工事、工種、部門、勘定科目、補助科目、取引先ごとに比率、または配賦金額を手入力します。※V.7方式
入力する勘定科目が工事原価科目の場合は、ツールバーの[完成・未成切替]ボタンで入力する勘定科目を切り替えることができます。
機能強化により「勘定科目の残高、発生実績を基準にした配賦金額の計算」「工事等の配賦先一括設定」も可能になりました。
「勘定科目の残高、発生実績を基準にした配賦金額の計算」をするには
①「共通原価配賦入力」画面のツールバーの[実績基準]ボタンをクリックすると、「実績基準」画面が表示されます。
②集計する金額を[残高][発生]から選択します (後述の[実績項目]を選択した場合は選択不可になります)。
③集計する勘定科目を選択します。[原価科目][計算項目][実績項目]から選択します。
[原価科目]:一つの勘定科目(黒字)か、青字の費目、原価合計から選択できます。※V.7方式
[計算項目]:「前準備」-「配賦パターン」-「実績計算項目の登録」でパターン化した任意の複数の勘定科目を選択できます。
[実績項目]:請負高実績、出面実績から選択できます。※V.7方式
④「配賦比率の算出方法」を[百分率の比率を算出する][集計金額を比率とする]から選択します。
[百分率の比率を算出する]:配賦比率=(工事、工種別金額÷工事、工種別金額合計額)×100
(小数点第2位未満切り捨て)
[集計金額を比率とする]:配賦比率=工事、工種別金額 ※V.7方式
⑤[設定]ボタンをクリックすると、設定条件で配賦金額が表示されますので、必要に応じて金額を修正します。
「工事等の配賦先一括設定」をするには
①「共通原価配賦入力」画面のメニューバー「編集」-「配賦先の選択」をクリックします。
②「配賦先の選択」画面が表示されますので、工事、工種から設定したい工事を選択します。
[Ctrl]キーを押しながら飛び飛びの工事を複数選択したり、[Shift]キーを押しながら連続した工事をまとめて選択したりできます。
③[設定]ボタンをクリックすると、②で選択した工事、工種が「共通原価配賦入力」画面の明細に一括設定されます。
機能強化により設定した配賦先、比率を他の勘定科目に一括設定できるようになりました。
他の勘定科目への一括設定は「条件指示」画面の[配賦元科目]で複数の勘定科目が選択されていて、[配賦選択]が[共通原価配賦]の場合に設定することができます。
①「共通原価配賦入力」画面のメニューバー「編集」-「配賦比率の一括設定」を選択すると、「配賦比率の一括設定」画面が表示されます。
②各勘定科目に反映する伝票日付、配賦摘要、比率、摘要を入力して、[設定]ボタンをクリックします。
設定内容を各勘定科目に一括設定したい場合は、[伝票日付を一括設定する][配賦摘要を一括設定する][配賦先工事・工種の設定を一括設定する]のうち設定したい項目にチェックを付けて、[設定]ボタンをクリックします。
※「条件指示」画面の[配賦元集計条件]タブの[配賦選択]が[自由配賦]の場合は、[配賦先工事・工種の設定を一括設定する]を設定することはできません。
さらに、機能強化により今まで設定した部門、科目、工事、配賦基準(工事ごとの比率)まで含めた配賦データを複数パターン登録しておくことができるようになりました(共通原価配賦パターンの登録)。
「共通原価配賦入力」画面で入力済の内容が表示されている状態で、ツールバーの[配賦パターン]ボタンをクリックすると、「共通原価配賦パターンの登録」が起動し、配賦金額以外の入力済の内容が自動でセットされますので、登録しておくことで次回以降、「条件指示」画面の[配賦元指定]で[共通原価配賦パターン指定]から登録した[配賦パターン]を選択するだけで、途中の工程を大幅にカットすることができます。
操作は以上です。
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