Point 決算処理と期末更新処理について

2024/04/23 10:00

以下は、『PCA hyper 会計シリーズ』『PCA 会計/医療法人会計シリーズ バージョン DX(じまん・jimanを含む)』の機能についての説明です。

 


会社の経理業務において決算日を迎えますと翌日から2ヶ月以内に法人税等や消費税等の申告と納税を行う必要があります。
また、決算整理仕訳の入力など決算書を作成する重要な作業のほか、新年度の伝票入力など同時進行していく時期でもあります。

今回は、この時期によくお問合せいただく期末更新処理を含めた、決算処理の操作の流れについてご案内します。
なお、『PCA 会計シリーズ』は個人事業者の青色申告決算書の作成、消費税申告書・付表や電子申告には対応しておりませんのでご注意ください。
ただし、「随時」-「所得税連動データの作成」で出力したデータを『PCA所得税』に取り込めます。
※『PCA hyper 会計シリーズ』『PCA 医療法人会計シリーズ』には所得税連動データの出力機能はありません。

 
 

① 期末更新処理(新規更新)[仮締め]

期が変わり決算が確定するまでに2ヶ月ほどありますので、新年度のデータを入力する為、「ファイル」-「期末更新処理」で[新規データ領域に更新する(新規更新)]を実行します。
「期末更新処理」の[消費税の更新方法]について[税抜更新][税込更新]のどちらを選択したらよいかご相談いただくため、下記の内容を参考にしてください。または、会計士、税理士にご確認ください。


「期末更新処理(新規更新)」[仮締め]の方法については以下の動画をご覧ください。


※上記「期末更新処理(新規更新)」は新年度を作成する仮締めの操作です。
決算確定後は、「期末更新処理(再更新)」を実行し、期末残高を期首残高に反映させる必要があります。
「期末更新処理(再更新)」の方法については、後述の「⑤期末更新処理(再更新)[本締め]」をご覧ください。


② 決算整理仕訳の入力

前年度のデータ領域において決算整理仕訳を入力します。
決算整理仕訳の入力は、「決算処理」-「決算整理仕訳入力(コクヨ式)」または「決算整理仕訳入力(連想摘要)」で行います。
「振替伝票入力(コクヨ式)」「振替伝票入力(連想摘要)」から[月次仕訳]として入力もできますが、『PCA会計』では、決算整理仕訳を[月初仕訳][決算整理1次][決算整理2次][決算整理3次]に分けて入力することで、各帳票において残高や仕訳の確認する際、仕訳区分を指定する便利な機能をご利用いただけます。
詳しくは、Q.試算表や元帳で決算整理仕訳のみの集計する方法や決算整理仕訳を除いて出力する方法を教えてください。をご覧ください。

メニューバーの[設定]-[仕訳区分]で[月初仕訳][決算整理1次]、[決算整理2次]、[決算整理3次]の切り替えができます。
または、ツールバーの[仕訳区分]ボタンからの切り替えも可能です。

 

決算整理仕訳の登録

[月初仕訳][決算整理1次][決算整理2次][決算整理3次]でご入力いただく仕訳についてご紹介します。
[決算整理1次]に棚卸処理、現金過不足の整理、固定資産の減価償却費の計上、費用収益の見越と繰延の計上に関する仕訳を登録し、[決算整理2次]には、各種引当金の計上に関する仕訳を登録します。
こちらの内容は一例のため、実際にはお客様がお決めいただいたルールでご利用いただけます。
なお、[決算整理仕訳3次][月初仕訳]の仕訳例は、④決算書の作成と⑤期末更新処理(再更新)[本締め]でそれぞれご案内します。

※税区分について
 00:対象外 B5:売上10% P0:非課税仕入 A0:非課税売上


③ 消費税申告書・付表の作成

事前確認

「前準備」-「会社基本情報の登録(法人基本情報の登録)」の[消費税情報]タブで設定した課税方法に従い、消費税納付税額の計算を行うことができます。
なお、期中で消費税管理方法を変更した場合、入力済みの伝票の税区分変更が必要になる場合もありますのでご注意ください。
※会社ごとに選択する項目が異なりますので、詳しくは会計士、税理士、税務署にご確認ください。

 

消費税申告書・付表の作成

一年間の月次仕訳や決算整理仕訳の入力後、「決算処理」-「消費税申告書・付表」(会計hyper:「決算処理」-「消費税」-「消費税申告書・付表」)を集計し、申告時に義務付けられている添付書類などを出力します。
また、インボイス制度を機に、免税事業者から課税事業者になることを選択された方は、納付税額を売上に係る消費税額の2割とすることができる「2割特例」を選択することも可能です。
「2割特例」を適用する場合は、Point 期中で免税事業者から課税事業者へ変更した場合の設定方法をご覧ください。

積み上げ計算・割戻し計算

令和5年10月1日以降の売上税額および仕入税額の計算は、適格請求書に記載のある消費税額等を積み上げて計算する「積み上げ計算」と適用税率ごとの取引総額を割り戻して計算する「割戻し計算」を選択することができます。
ツールバーの[申告書項目]ボタンより[申告書の項目設定]を起動し、[金額等2]タブより設定してください。
ただし、売上税額を「積み上げ計算」により計算する場合には、仕入税額も「積み上げ計算」により計算しなければなりませんので、売上の税額を積み上げにチェックすると仕入の積み上げ方式のチェックを外すことができません。

 

電子申告

『PCA 会計シリーズ』では、「消費税申告書・付表」で作成した電子申告データに電子署名を付与して[直接送信]することができます。また、電子申告データ(e-Tax形式)を出力する[ファイル出力]も可能です。
電子申告を行うには、e-Taxを利用するための事前準備が必要です。
詳細は、「e-Tax」ホームページ(https://www.e-tax.nta.go.jp/index.html)をご覧ください。
また、「消費税申告書・付表」-「電子申告データ出力」の「住所氏名等」タブで「利用者識別番号」を入力していない場合は、「決算処理」-「電子申告」を起動することはできません。
詳しくは、Q.電子申告データを出力できますか。をご覧ください。

 
 

④ 精算仕訳と決算書作成

精算仕訳の登録

消費税・法人税の納税額が確定した後、精算仕訳を入力します。
「決算処理」-「決算整理仕訳入力」の[決算整理3次]を利用して入力します。
仕訳例は一例となりますので、納税額に合わせた仕訳を登録してください。

※税区分について
 00:対象外

決算書の作成

確定税額の精算仕訳を含めすべての決算整理仕訳の入力後、「決算処理」-「決算書」にて決算書を出力します。
『PCA 会計シリーズ』では[貸借対照表][損益計算書][製造原価報告書][販売費及び一般管理費明細書][株主資本等変動計算書][個別注記表]が作成できます。
なお、[個別注記表]についてはツールバーの[決算書編集]ボタンより追記します。
詳しくは、Q.「決算書(報告書)」の「個別注記表」に追記できますか。をご覧ください。

 
 

⑤ 期末更新処理(再更新)[本締め]

前年度にて仕訳データの追加・修正を行った場合、「ファイル」-「期末更新処理」で前年度残高を新年度の期首残高へ反映させる必要があります。
[更新先データ領域を選択する(再更新)]は何度でも行うことができます。

「期末更新処理(新規更新)」[本締め]の方法については以下の動画をご覧ください。

 
 

⑥ 再振替仕訳と納税に関する仕訳 

再振替仕訳の登録

決算が確定し、新年度のデータ領域にて年度の決算整理仕訳で入力した費用収益の見越・繰延の再振替仕訳を入力します。
「決算処理」-「決算整理仕訳入力」の[月初仕訳]を利用します。また、消費税・法人税の支払時の仕訳は、「データ入力」-「振替伝票入力」で登録します。
これら新年度で入力する仕訳の一例をご案内します。

※税区分について
 00:対象外 B5:売上10% Q5:仕入10% P0:非課税仕入 A0:非課税売上

納税に関する仕訳

※税区分について
 00対象外


関連FAQとワンポイント

【関連FAQ】

Q.期末更新処理の[税抜更新][税込更新]について教えてください。

Q.振替伝票入力で設定した税区分を一括で変更することはできますか。

Q.期中で、[一般課税(一括比例配分方式)]から[一般課税(個別対応方式)]に変更できますか。

Q.PCAの会計ソフトでは、インボイス制度をどのように対応しますか。

Q.積み上げ計算方式と割り戻し計算方式を変更するにはどうしたらいいですか。

Q.中間納付税額を支払った際に仕訳データを入力しても、「消費税申告書」に反映されません。

Q.電子申告データを出力できますか。

Q.「決算書(報告書)」の「個別注記表」に追記できますか。

【ワンポイント】

Point 期中で免税事業者から課税事業者へ変更した場合の設定方法

 

説明は以上です。