休憩だけじゃもったいない!おもしろ系サービスエリア/パーキングエリアの旅
「新東名高速道路・清水パーキングエリア」

2024/09/27 10:00

多くの人が集まる公共の施設は、誰にでも安心して立ち寄れる代わりに、面白みには欠けることが多いもの。ところが静岡県の新東名高速道路にある清水パーキングエリアは、クルマやオートバイというテーマを前面に出した、個性的な空間になっています。ドライブの気分を盛り上げるには打ってつけのここを目的地に、走り出してはいかがでしょう。

自動車メーカーやサーキットがある静岡県らしいコンセプト

2012年4月14日の御殿場ジャンクション-三ケ日ジャンクション間開通を皮切りに建設が進む新東名高速道路は、従来の高速道路(制限速度時速100㎞)より速い時速120㎞で安心して走れる、ドライブ好きにはたまらない快走路。先に開通していた東名高速道路より標高の高い山側を走るため、ダイナミックな眺望も楽しめるルートです。

同高速道路の最初の開通区間に位置し、NEXCO中日本の新世代サービスエリア/パーキングエリアのブランドであるNEOPASAの名が冠された静岡県の清水パーキングエリアも、展望台から富士山が望める抜群のロケーション。でも、このエリアの見どころは、「くるまライフ、コミュニティパーク」をコンセプトとした施設です。

上下線用に分かれたパーキングスペースの間に、両線の利用者が共用する形で建てられた建物は、ガレージをイメージしたモダンなデザイン。トイレも2015年に政府が創設した第一回日本トイレ大賞において「国土交通大臣賞」を受賞した、洗練された造りです。

建物内には、メーカーやチューニングショップの協力を得て、レース用のオートバイやカスタマイズされたクルマなどが随時展示されていて、クルマ好き、オートバイ好きの視線を集めています。

展示スペースのレーシングカーやオートバイ、カスタムカーなどは折々に入れ替わる。(オートバイの展示は、2024年8月で終了しました)

出店する店舗も他のエリアとはひと味違います。核となるのは、県内の浜松市に本社を置き、レザーツナギなどのオートバイウェアで世界的に知られるクシタニが運営する「KUSHITANI PERFORMANCE STORE」と「KUSHITANI CAFE」。オートバイに乗らなくても、オシャレなタウンウェアとして着こなせる革ジャンやキャップ、小物なども揃い、おいしいコーヒーや軽食を楽しみながら、旅の疲れを癒せます。

クシタニのショップには、モータースポーツムード満点のウエア類や革ジャンが勢揃い。

物販店も、オリジナルのTシャツや雑貨を扱う「グラニフ」や、日本の民芸をモダンにアレンジした和雑貨を扱う「倭物やカヤ」、おもちゃ箱のような楽しさでおなじみのドンキホーテの世界観を凝縮した「ミチドンキ」など個性派揃いで、買い物が楽しめます。

日本の民芸をモダンにアレンジした和雑貨「倭物やカヤ」。

全国に熱狂的なファンを持つ「伝説のすた丼屋」を始め、フードコートも和・洋・中の幅広いメニューが揃っています。

「伝説のすた丼屋」は東京・国立のラーメン店のまかない飯に起源を持つ、ボリューム満点のメニューが人気。

敷地には、高速道路外からも訪れることができる多目的広場「ぷらっとパーク」も併設されており、2024年6月には世界のオートバイレースに参戦している有名チューニングブランド、「ヨシムラ」が主催するファンミーティングを開催。9月には大の大人たちが真剣勝負を繰り広げるラジコンカーレース「KYOSHO CUP 2024」の中京予選が開催されるなど、乗り物好きの「聖地」とも呼べるエリアとなっています。

ドライブ中にふらりと立ち寄るのはもちろん、わざわざ足を運んでもきっと満足できる、休憩だけでは終わらないパーキングエリアなのです。

NEOPASA清水(清水パーキングエリア) 上り

NEOPASA清水(清水パーキングエリア) 下り

写真提供・NEXCO中日本(中日本エクシス)

この記事の執筆者

横田 晃(よこた あきら)

ライター

アニメーション雑誌を皮切りに、自動車雑誌や男性誌の編集者として多くの新雑誌やヒット企画の立ち上げに参画。94 年に独立後も、芸能インタビューから政治経済まで、幅広いジャンルの企画・制作・執筆に携わる。