ただの移動の足じゃない!
おもしろ系鉄道の旅 「えちごトキめき鉄道 えちごトキめきリゾート雪月花」
2023/02/27 07:30
新幹線の開通で地方都市が近くなった一方で、のんびりとしたローカル線の旅は贅沢な大人の楽しみになりつつあります。北陸新幹線の金沢延伸で誕生した新潟県の第三セクター鉄道では、恵まれたロケーションを活かして海と山の景観と食をたっぷり味わえるリゾート列車を走らせて人気を呼んでいます。ぜひ一度、乗ってみませんか?
四季折々の景観と食が楽しめる、人気リゾート列車
新幹線の延伸と共に、自治体などが出資した第三セクター方式に移行する並行在来線が増えています。北陸新幹線の長野‐金沢間の開業で2015年に誕生した「えちごトキめき鉄道」もそのひとつ。新潟県と沿線自治体などが出資し、JR西日本の北陸本線とJR東日本の信越本線のうち、新潟県内を走る区間を継承したこの鉄道は、とても素敵なリゾート列車で人気を呼んでいます。
2016年4月から運行を開始したその名も「えちごトキめきリゾート雪月花」です。漢詩に端を発して日本の美しい風物に用いられるようになった愛称の通り、この列車は四季折々の素晴らしい景観と食が楽しめるのです。
同鉄道は接続駅の直江津を境に、日本海沿いを走る旧北陸本線の「日本海ひすいライン」と、妙高山麓の高原地帯を走る旧信越線の「妙高はねうまライン」に分かれます。「えちごトキめきリゾート雪月花」は、その両線を直通して、一回の乗車でダイナミックな日本海と壮麗な妙高の山並みを楽しめるようになっています。
2両編成で定員わずか38人の車両は、地元新潟の車両メーカーで新造され、内装にも地元産の木材や金具類が用いられた「all made in NIIGATA」。銀朱色のボディに国内最大級の窓を持つスタイリッシュなデザインで、グッドデザイン賞や鉄道友の会のローレル賞など、国内外の多数の賞を受賞しています。
1号車はすべての席が日本海と妙高山が見える方向を向いたラウンジ形式。2号車はレストランのようなテーブル席で、運転席後ろの特等席で旅が楽しめる、コンパートメントタイプの展望ハイデッキ席も用意されています(1グループで15,000円追加)。
各席で供される料理は、紅ズワイガニを使ったちらし寿司など、新潟県産の旬の素材を使い、地元の有名料亭やレストランが腕を振るった特製の三段重。2022年秋のリニューアルでは、直江津駅構内で炊きたてのウナギの釜めしも登場して好評を得ています。
運行は週末と祝祭日の午前便(上越妙高発)と午後便(糸魚川発)が中心ですが、春の桜から冬の雪景色まで四季折々に絶景が楽しめるだけに、運行開始以来高い人気を保ち、コロナ禍による運休期間もあったにもかかわらず、2023年1月までに約3万5000人が乗車したといいます。とくに春のシーズンは人気が高く、満席の日も多いとのこと。
予約は乗車日の3カ月前にあたる月の1日から、乗車前日から起算して5日前まで。季節により便数やダイヤが変わることもあるので、専用サイトからの早めの予約がお勧めです。
写真提供:えちごトキめき鉄道
この記事の執筆者
横田 晃(よこた あきら)
ライター
アニメーション雑誌を皮切りに、自動車雑誌や男性誌の編集者として多くの新雑誌やヒット企画の立ち上げに参画。94 年に独立後も、芸能インタビューから政治経済まで、幅広いジャンルの企画・制作・執筆に携わる。
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