ただの移動の足じゃない!
おもしろ系鉄道の旅「JR 東日本 リゾートしらかみ」
2022/03/18 00:00
■本記事は、PSS会報誌 2022年 春号(2022.03.18発行)に掲載された内容を一部修正して掲載しています。現在の情報とは異なる場合があります■
目的地に辿り着くための味気ない移動手段ではなく、乗ること自体が目的になる、楽しい列車が増えています。
風光明媚な五能線を走るリゾートしらかみなら、車窓も味覚も触れ合いも、たっぷりと満喫できるはず。
この春はぜひ心を洗いに、東北へ足を運んでみませんか?
「のってたのしい列車」のパイオニア、リゾートしらかみ
たとえ仕事の出張でも、知らない街へと向かう列車に乗ると、わくわくするもの。目的地より道中にあるそんな非日常感覚こそが、旅の醍醐味なのでしょう。
JR 東日本では、車窓や車内での飲食・体験などを楽しむことができる、乗ること自体が目的となる列車を「のってたのしい列車」と名づけて多数運行しています。そのパイオニアとなったのが、1997 年4 月から運行されている「リゾートしらかみ」です。
奥羽本線の秋田駅から、同じ奥羽本線の弘前駅または青森駅を結び、東能代駅~川部駅間は日本海沿いを走る五能線を経由します。列車種別は快速ですが全席指定席で、147.2km、43 駅の五能線内だけでも所要時間は約4 時間。無人駅の千畳敷駅に15 分も停車して、目の前に広がる千畳敷海岸の広大な岩棚を散策できる列車もあります。
ほかにも、世界遺産に登録された白神山地や、ブナの林に幻想的な水の色を湛えた湖が点在する十二湖、海岸べりの岩場に露天風呂がある黄金崎不老ふ死温泉など、沿線の見どころには事欠きません。車内でも、津軽三味線のライブ演奏や地域の昔話を津軽弁で実演する「語りべ」、地元のお店による弁当や銘菓などの「ふれあい販売」など、心温まるおもてなしが用意されています。
4 両編成の専用車両は、ハイブリッドシステムを搭載した橅、青池と、従来型ディーゼル車のくまげらの3 編成があり、12 ~ 3 月の厳冬期以外は一日最大3 往復を運行。全編成に展望室やイベントスペースを備えるほか、橅編成、青池編成には2号車の特設スペースにセルフレジが設置され、飲料や菓子類、鉄道グッズなどを購入することができます。
厳寒期には吹雪、ほかの季節にも強風や高波による臨時運休があるという厳しい自然環境も、北国の日本海沿いを走るこの列車ならではの風物詩。GW や夏休みには満席の日も少なくない人気列車だけに、HP で運行日をお確かめの上、早めの予約がお勧めです。
写真提供・JR 東日本秋田支社
この記事の執筆者
横田 晃(よこた あきら)
ライター
アニメーション雑誌を皮切りに、自動車雑誌や男性誌の編集者として多くの新雑誌やヒット企画の立ち上げに参画。94 年に独立後も、芸能インタビューから政治経済まで、幅広いジャンルの企画・制作・執筆に携わる。
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