更新日:2026/03/11
高速道路のサービスエリアやパーキングエリアが、没個性的なただの休憩地点だったのは昔のこと。近年は運営会社でも、それらを通過点ではなく、目的地にしてもらえる魅力的な場所にすることを目指しています。新しい施設だけでなく、高速道路黎明期からの老舗サービスエリアも続々と進化中。「そういえばしばらく行っていない」あのサービスエリアに、次のドライブでは寄ってみませんか?
東名高速道路の東京(用賀)インターチェンジから、およそ1時間。御殿場インターチェンジ周辺は、巨大アウトレットモールやサーキット場、有名温泉地や美術館・絶景ポイントが集積した、首都圏ではおなじみの観光地です。その出口の少し手前にある足柄サービスエリアは、東名高速道路が全通した1969年5月に開業した古株の施設。東京都心からドライブしてくると、ちょうどひと休みしたくなる位置にあり、開設当時から多くのクルマで賑わっていました。
ただし、当時の施設は他のサービスエリアと見分けがつかないような、ありふれたレストランと売店があるだけ。目的地に向かう途中の休憩に立ち寄っただけの利用者にとっては、長居をする場所ではありませんでした。
そこに変化の兆しが見えたのは1977年のことでした。上り線に高速道路のサービスエリア初となる宿泊施設と入浴施設が開業し、滞在型施設の顔を持つようになったのです。さらに2005年に高速道路の運営が民営化されると、各社が魅力的な高速道路を目指すようになりました。そうして、2010年に東名高速道路を運営するNEXCO中日本(中日本高速道路株式会社)が管内のサービスエリア/パーキングエリアに、人気店舗や快適施設を誘致して商業施設としての魅力を高めた「EXPASA」ブランドを導入。足柄サービスエリアも同ブランドの一員として大幅リニューアルを受けたのです。
以後も進化を続けた足柄サービスエリアには、昔は考えられなかったような施設が並びます。上り線の宿泊施設は今も営業中ですが、下り線にもサービスエリア初というリラックスラウンジが設けられ、富士山を眺めながらの足湯や、角質を食べてくれるドクターフィッシュが楽しめます。
小型犬用と全犬種用に分かれたドッグランは、東名高速沿線では最大かつ最古。1曲100円で4名まで利用できるカラオケボックスや、会員ではなくても1回110円で使えるトレーニングジムのチョコザップもあって、運転の疲れを癒すだけでなく、セルフサービスのネイルや脱毛まで利用可能という充実ぶりです。
もちろんグルメも見逃せません。展望台から望める富士山を模した「富士山麻婆チャーハン」や、地元の勇者(?)金太郎にちなんで餅などのガッツリ系食材を使った「金太郎パワーラーメン」に「金太郎肉まん」は腹もち抜群。近くの由比港で作られた「まぐろの缶詰」も名物ですが、広報担当者は、「秘伝のタレに漬け込んだイカを高温で一気にプレスする『イカの姿焼き』が、はじけるような音と香ばしい匂いともども、ライブ感たっぷりでお勧め」と熱弁してくれました。
ほかにも地元の食材をトッピングした朝限定の「朝がゆ」や、じつは地元静岡県が日本一の生産量を誇る缶詰づくしの販売コーナーなど、それ自体を目当てに足を運びたくなる逸品が勢ぞろいしています。
施設内では折々にイルミネーションや人気インスタグラマーによるライブ、愛犬用品を集めた「わんわんフェスタ」などのイベントも開催。金時山が一望できる展望風呂目当ての高速道路利用者のリピーターはもちろん、一般道沿いの駐車場からの利用もできるため、ドッグランやジムに通う地元の常連客も多いといいます。
これまでのサービスエリアの滞在時間はドライブプラン上ではロスタイムですが、足柄サービスエリアはそれ自体を楽しんでから観光地に向かう、れっきとした目的地のひとつ。たっぷりと滞在時間を取ったプランを組んでみてはいかがでしょう。
写真提供:NEXCO中日本(中日本エクシス)
足柄サービスエリア
・下り線:https://sapa.c-nexco.co.jp/sapa?sapainfoid=4
・上り線:https://sapa.c-nexco.co.jp/sapa?sapainfoid=3
アニメーション雑誌を皮切りに、自動車雑誌や男性誌の編集者として多くの新雑誌やヒット企画の立ち上げに参画。94 年に独立後も、芸能インタビューから政治経済まで、幅広いジャンルの企画・制作・執筆に携わる。