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マイナ保険証の現在について

更新日:2026/02/16

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1.はじめに

従来の健康保険証は、2025年12月2日をもって原則使用不可となりました。政府は2024年12月から1年間ほどで段階的にマイナ保険証への移行を推し進めてきましたが、現在でもまだ完全に定着したとはいいがたい状況です。

そこで、本稿では、マイナ保険証の使い方とそのメリット、マイナ保険証を利用できない場合の代替処置、有効期限を迎えた場合の更新方法や紛失時の再発行手続きなど、改めて要点を振り返ります。

2.マイナ保険証について

(1)マイナ保険証を実際に使用するまでの流れ(図1)

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(2)メリット

マイナ保険証に切り替わることで発生するメリットは主に次の3つです。

  1. データに基づくより良い医療が受けられる
  2. 手続きなしで高額療養費の限度額を超える支払いが免除される
  3. マイナポータルでいつ、どのくらい医療費が掛かったのか確認できる

3.マイナ保険証を利用しない/できない場合

マイナンバーカードを取得していない人、マイナンバーカードの保険証利用登録をしていない人などは、引き続き、保険者から発行()される「資格確認書」をマイナ保険証の代わりとして利用できます。資格確認書は従来の健康保険証と同じ形式で発行されるのが一般的ですが、一部健康保険組合などでは電子データでの交付も行われています。資格確認書の有効期限は5年以内で保険者が定めることとされています。
*協会けんぽ管轄の場合、2025年7月下旬以降、その時点でマイナ保険証の利用登録がない方を対象に順次発送されています。

資格確認書の取り扱いは、原則的に制度改正前の健康保険証とほぼ同じと考えていただければ結構です。すなわち、退職すれば返却が必要ですし、氏名変更があれば差し替えを行います。なお、退職等の日付が資格確認書の有効期限を過ぎた後であれば返却は不要です。

※従来の健康保険証による受診に関する暫定的な取り扱いについて

マイナ保険証を利用できない状態で、資格確認書ではなく期限切れの健康保険証を持参してしまった場合、厚生労働省のガイドラインによれば、「保険給付を受ける資格を確認した上で適切に受診が行われるよう、被保険者番号等によりオンライン資格確認等システムに照会するなどした上で3割等の一定の負担割合を求めてレセプト請求を行うこととする運用は、(2026年3月末までの)暫定的な対応として差し支えない」とされています。

しかしながら、医療機関や保険者の現場では、期限切れの保険証から被保険者情報を照会するのは手作業を要するため実務上の負担が大きく、ミスの原因にもなるといわれています。こうした事情を考えますと、極力当初のルール通りマイナ保険証または資格確認書を持参して受診していただくよう周知徹底するのがよいでしょう。

4.「資格確認書」と「資格情報のお知らせ」の違い

資格確認書以外にも、実はもうひとつ新たに保険者から発行されたものがあります。それが「資格情報のお知らせ」です。

マイナ保険証は、いわばマイナンバーカードに健康保険証の機能を”インストール”しただけのものですので、従来の健康保険証に記載されていたような、加入する健康保険の記号・番号等の資格情報は印字されていません。その情報が印字されているのが「資格情報のお知らせ」です。また、マイナ保険証を読み込むためのカードリーダーが医療機関に設置されていなかったり、何らかのシステムトラブルでマイナ保険証が正しく読み込まれなかったりした場合に、マイナ保険証と合わせて「資格情報のお知らせ」を提示することで保険診療を受けることができます。資格情報のお知らせは、カード状になっている部分を切り取って携行できます。マイナ保険証は個人番号を隠すためのフィルムに入れていることが多いかと思いますので、「資格情報のお知らせ」も一緒に入れておくのがよいでしょう。今まで従来の健康保険証とマイナ保険証の両方を携行していた方は、従来の健康保険証を破棄し、「資格情報のお知らせ」に差し替えてしまって構いません。

ここまでの説明を見ますと、資格確認書と「資格情報のお知らせ」とは、非常に似通っているように思えます。実際、記載内容もほぼ同じですし、マイナ保険証の(部分的な)代替的役割を果たす点も同じです。しかし、この両者には明確な違いがあります。

資格確認書は、前述の通り従来の健康保険証と同じ扱いですから、それ単独で保険診療を受けることができます。一方、「資格情報のお知らせ」は、システムトラブルなど何らかの理由でマイナ保険証を直接読み取ることができないときにマイナ保険証と「合わせて」提示するためのものであり、単独では保険診療を受けることができません。しかしながら、あたかも健康保険証かのような情報が載っているがゆえに、健康保険証や資格確認書と誤認して単独で提示してしまい、医療機関でトラブルに発展するケースが増えています。

その他の違いとして、退職等の際の取り扱いが挙げられます。資格確認書は、前述の通り有効期限内であれば返却しなければなりませんが、「資格情報のお知らせ」はそのまま破棄することができます。

  • 資格確認書
    →有効期限内なら単独で保険診療が受けられる→万が一の不正利用防止のため返却
  • 資格情報のお知らせ
    →単独では使用できない→不正利用の余地がないので捨ててOK

という風に覚えておくと、両者の違いがわかりやすいでしょう。

5.マイナ保険証の有効期限と更新手続きについて

マイナ保険証を活用するにあたっては、有効期限に注意が必要です。マイナンバーカードそのものに10年()(未成年者は5年)、そして付随する電子証明書に年齢を問わず5年の有効期限があります。有効期限はマイナンバーカードの券面(図2)に記載されているほか、マイナポータルにログインして確認することもできます。(厚生労働省「マイナ保険証利用時には電子証明書の有効期限をご確認ください!(PDF)」)
*厳密には、発行日から10回目ないし5回目の誕生日までと定義されています。

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有効期限が切れた状態で医療機関を受診した場合は、期限切れからの経過期間に応じて状況が異なります。

  • 期限切れ翌日~3ヶ月間
    この期間は、保険資格自体は有効とみなされるので、マイナ保険証による受診が可能です。ただし、診療情報・薬剤情報の提供はできません。
  • 期限切れから3ヶ月経過後
    マイナ保険証による受診が不可能になります。

有効期限の2~3ヶ月前になると、「有効期限通知書」が郵送されますので、更新手続きを忘れないようにしましょう。なお、この手続きはオンラインではできませんので、お住まいの自治体の窓口に行く必要があります。また、通知書自体は早めに届きますが、まだ2~3ヶ月あると思っているとあっという間に期限が来てしまいますので、余裕をもって手続きをするとよいでしょう。

6.マイナ保険証(マイナンバーカード)紛失時の対応

従来の健康保険証を紛失した場合は、会社を通して再交付申請を保険者に行っていましたが、マイナ保険証はマイナンバーカードに内包されていますので、「マイナ保険証の再交付申請」という概念はありません。マイナンバーカードを紛失した場合に行う手続きを踏襲することになります。

紛失から再発行完了までの流れ

  1. マイナンバーカードの機能停止
    →24時間365日対応のマイナンバー総合フリーダイヤル(0120-95-0178)に電話します。
  2. 警察へ遺失届を提出
    →最寄りの警察署や交番に行き、遺失届を提出します。遺失物受理番号が書かれた紙を受け取ることになります。
  3. 自治体でマイナンバーカードの紛失・再交付の手続き
    →自治体窓口で上記1.2.の状況と遺失物受理番号を伝えます。
    その後、紛失・再交付にかかる書類をその場で記載した後、「個人番号カード交付申請書兼電子証明書発行/更新申請書」(以下、申請書という。)が交付されます。
  4. マイナンバーカード再発行のオンライン申請
    申請方法は「郵送又はオンライン申請」を選択できますが、本稿ではオンライン申請の場合の手順を解説します。
    申請書のQRコードを読み取ると、オンライン申請の画面が表示されます。

申請までの流れは以下のとおりです。それぞれのSTEPを確認しましょう。(図3)

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出典:地方公共団体情報システム機構「マイナンバーカード総合サイト」利用規約の確認|個人番号カード交付申請


申請にかかる時間は全体で約15分程度です。後は自治体から自宅に「マイナンバーカード交付のお知らせ」が届くのを待ち、届いたら事前に予約をして窓口に受け取りに行きます。

7.おわりに

従来の健康保険証が原則使用不可となってから2ヶ月ほど経過しましたが、実務上特に多いのが、資格確認書と「資格情報のお知らせ」を勘違いして使おうとするケースや、マイナ保険証を利用できるのに”念のため”資格確認書の発行を希望するケースです。まだまだ制度に関する理解が進んでいないために起きている事例かと思いますが、マイナ保険証に切り替えていくことで、制度の本来の目的である医療費の削減や適切な運用の実現に近づくことができます。まだマイナンバーカードを作っていない方や、保険証の利用登録をしていない方は、ぜひ本稿を参考にマイナンバーカードの交付申請やマイナ保険証の利用登録を行ってみてください。
 

高志会から一言

「高志会」は、意欲と熱い気持ちを持った社会保険労務士の集まりです。メンバー全員が能力と収入をアップさせて、令和の時代を勝ち抜いていきます。「できる(社会保険労務士業務・コンサルティング)」は当然として、「しゃべれる(講座 ・ 講演)」、「書ける(本や雑誌の原稿)」の3拍子そろった社会保険労務士を目指して日夜、スキルアップに励んでいます。

この記事の執筆者
酒井典子2
酒井 典子(さかい のりこ)

社会保険労務士法人 EE パートナーズ
特定社会保険労務士
社労士「高志会」のメンバー

平成9年12月に社労士開業登録。平成11年4月に現在のパートナーと共同事務所化、社労士法の改正により平成15年12月に社会保険労務士法人EEパートナーズを設立。
現在は、当初からのパートナー2名が法人社員、勤務社労士と社労士資格者16名、その他の資格者などをあわせて29名で運営。
業種、業界など特定せず、社会保険手続や給与計算といった管理業務から労務相談や労務監査、がん患者など長期療養者の就労支援など幅広く顧客のニーズに対応している。

この記事の監修者
星名真喜子
星名 真喜子(ほしな まきこ)

社会保険労務士法人星名事務所代表
特定社会保険労務士
社労士「高志会」のメンバー

企業の管理部門で経理・人事・総務業務全般を経験した後、平成25年11月に社労士開業登録し、平成28年1月に法人化。

前職で培った経験を活かし、労務手続・給与計算といった定型業務に加えて、人事労務システムの導入・運用支援にも取り組み、デジタル化による管理部門の業務効率化と、スムーズな情報共有の仕組みづくりをサポートしている。