更新日:2026/02/12
こんにちは。管理栄養士の鳴嶋廣美です。
今回のコラムではコーヒーのお話をしたいと思います。
街中やオフィスでふわりと漂う香ばしい香り。いまやコーヒーは、私たちの日常にとても身近な飲み物になりました。わたしにとっても、毎日の楽しみのひとつです。
実はコーヒー、その「豆の選び方」や「飲むタイミング」次第で、わたしたちにとってプラスにもなれば、負担にもなってしまう飲み物なのです。
今回は、コーヒー好きの方はもちろん、なんとなく飲んでいる方にも知ってほしい、コーヒーがもっと美味しくなるお話をお届けします。
まずは本題に入る前に、豆知識をひとつ。
正解は……「ホント」です!
実はコーヒーノキという植物になる「赤い果実の種」なのです。果実の種を取り出して焙煎したものがコーヒー豆。まるで果物のような出自を知ると、あの一杯が少しフルーティーに感じられるかもしれませんね。
手軽なインスタントも便利ですが、私がおすすめしたいのは、「豆(レギュラーコーヒー)」。それは、心と体への「ご褒美」がまったく違うからです。
1. 香りは「天然のアロマ」
豆を挽いた瞬間のあの香り、インスタントではどうしても再現できません。深く吸い込むだけで、脳がリラックスモードに切り替わる。淹れる時間そのものが、心の深呼吸になります。
2. 豆の力をまるごといただく
コーヒーに含まれる「ポリフェノール(抗酸化成分)」は、加工の過程で減ってしまいがち。豆から淹れる一杯は、植物としてのパワーがそのまま生きています。
「浅煎り」vs「深煎り」。今の自分に必要なのはどっち?
豆を買う時、なんとなく選んでいませんか?実は焙煎(ロースト)の深さで、得られる健康効果が少し違います。
アンチエイジングなら「浅煎り」
健康成分「クロロゲン酸」は熱に弱いため、焙煎が浅いほど多く残っています。→脂肪燃焼、シミ予防を狙うなら、酸味のある浅煎りがおすすめ。
リラックスなら「深煎り」
深く焙煎するとクロロゲン酸は減りますが、代わりに「N-メチルピリジニウム」というリラックス成分が生まれます。→副交感神経を優位にしてホッとしたい時は、苦味のある深煎りがおすすめ。
ここでちょっと脱線。お湯で割った薄めのコーヒーを日本では「アメリカン」と呼びますが、実はアメリカで「アメリカン」と注文しても通じません。
由来は諸説ありますが、昔のアメリカ人が濃いエスプレッソが苦手で、お湯で薄めて飲んでいたスタイルが日本に伝わったと言われています。アメリカでは普通に「Coffee」と言えばドリップコーヒーが出てきますし、お湯で割ったエスプレッソは「アメリカーノ」と呼ばれます。海外旅行の際はご注意を。
さて、大切な「飲む時間」のお話です。
1. 朝イチは避ける
起床直後の体は、自力で起きようと頑張っている最中。そこでカフェインを入れると、本来の目覚めのリズムを邪魔してしまいます。特に「飲まないと目が覚めない」という方は、疲れが溜まっているサイン。起床から1時間ほど空けてから飲むのが、体をいたわるコツです。
2. 午後は「13時(ランチタイム)」まで
実は私自身、コーヒーは大好きなのですが、「夕方近くに飲むと夜眠れなくなる」という体質です。これは気合いの問題ではなく、肝臓でカフェインを分解する「酵素」の働きによるもの。お酒に強い・弱いがあるのと同じで、この分解スピードには個人差があります。私のように分解がゆっくりなタイプだと、お昼に飲んだ分が夜まで体内に残ってしまうことも。だからこそ、「コーヒーは午後1時まで」と早めの門限を決めてあげたり、カフェインレスにするのが賢い付き合い方です。
コーヒーには利尿作用があり、飲んだ以上の水分を体の外に出してしまいます。これが意外と知られていない「隠れ脱水」や「冷え」の原因になることも。
そこで、「コーヒー1杯に対して、お水(または白湯)も1杯」。
これをセットにしてみてください。失った水分を補うだけで、体への負担はぐっと軽くなります。
また、南国育ちのコーヒーは体を冷やしやすい性質があります。
冷えが気になる方は、仕上げにシナモンをひと振りしてみてください。
スパイシーな香りがアクセントになるだけでなく、体を内側から温めてくれる頼もしい相棒になりますよ。
あえて手間をかけて豆を挽き、お湯を注いで、ゆっくりと落ちる雫を待つ。その琥珀色の一杯が出来上がるまでの「時間」こそが、何よりの贅沢であり、心のサプリメントなのかもしれません。
たとえ1日1杯でも、その一杯を丁寧に味わうことができれば、それは何にも代えがたい至福の時間になります。
あなたにとっての今日の一杯が、体も心も温める、最高の一杯になりますように。
パナケアヘルス
管理栄養士・食生活アドバイザー・カウンセラー
日本の“食”で健幸を全力応援!
発酵食や野菜を中心とした食事を通して、自然治癒力を高める食べ方や暮らし方を提案しています。
【執筆者HP】パナケアヘルス なるしまひろみ