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インストール型の会計ソフトとは? クラウド型との違いやメリット・デメリットを比較

更新日:2026/01/09

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会計ソフトの導入を検討する際には「インストール型とクラウド型のどちらが適しているのか」で迷うケースが多く見られます。

インストール型はローカル環境で動作するため、セキュリティ面の安心やオフライン利用などの利点があります。一方で、更新作業や複数拠点との共有など、注意すべき点も存在します。

本記事では、インストール型会計ソフトの特徴やメリット・デメリット、クラウド型との違いをわかりやすく整理。自社に合った方式を検討するための視点をご紹介します。

「自社にはどちらが合っているのか知りたい」というご担当者さまは、本記事をぜひご参考になさってください。

インストール型会計ソフトとは?

インストール型会計ソフトとは、企業のパソコンにソフトウェアを直接導入し、ローカル環境で運用するタイプの会計ソフトです。

そのため、データの保存先や処理が自社内で完結し、会計情報を外部サーバーへ預けない運用が可能です。

また、クラウド型と比較するとインターネット接続に依存しにくく、オフライン環境で作業できる点が特徴です。

インストール型が選ばれ続けてきた背景

かつてはインストール型が主流であり、特に中小企業の経理部門では長年活用されてきました。

ローカルPCや社内サーバーで運用する企業が多く、物理的にデータを管理したいニーズに応える方式といえます。

  • 専用の社内ネットワークで運用しやすい
  • 長年使い続けた資産(PC・サーバー・周辺機器)を活用できる
  • 会計データを外部に置かない安心感がある

クラウド型の普及が進む中でも、「外部にデータを置きたくない」「社内で情報を管理したい」といった方針を持つ企業では、インストール型のニーズが続いています。

インストール型会計ソフトのメリット

インストール型には多くの企業が評価してきた利点があります。

クラウド型との比較に迷う担当者の判断材料として、本項ではインストール型会計ソフトのメリットを詳しく解説します。

データの管理とセキュリティが自己責任でできる

データが社内PCやサーバーに保存されるため、データ管理やバックアップ、セキュリティ設定を外部の通信経路を介さずに、自社で設定・調整できます。

その結果、外部からの不正アクセスや第三者によるクラウド障害の影響を受けにくくなる点は大きなメリットです。

特に以下のようなITリテラシーの高い企業ではインストール型会計ソフトが評価されています。

  • 金融情報を扱う企業
  • 社内規定で外部クラウドの利用を制限している企業
  • 情報管理担当者がデータを自社で保有する方針を重視している企業

クラウド型もセキュリティは強固ですが、物理的・心理的な安心感を重視する企業にはインストール型会計ソフトを導入するケースが多く見られます。

買い切り型で長期的にコストを抑えやすい

インストール型は「買い切り型」が多いため、長期間利用する場合の支出を管理しやすくなります。

長年同じバージョンを使い続ける企業では、月額料金を支払い続けるクラウド型より総額を抑えやすいケースがあります。

※ただし税制改正時のアップデート費用が別途必要な場合もあるため、購入時の契約内容を確認しておくことが重要です。

ベテラン担当者が使い慣れているケースが多い

長期間変わらない画面構成や操作感を評価する担当者は多く、特にベテラン層に支持されています。

  • 操作フローが変わりにくい
  • これまでの業務習慣のまま運用しやすい
  • 社内マニュアルが継続して使える

クラウド型のようにUIが頻繁にアップデートされる環境に抵抗がある場合、インストール型は安定した運用が可能です。

インターネット環境に依存せず、オフライン環境でも作業できる

インストール型はローカルPCで処理が完結するため、通信回線やネットワーク混雑の影響を受けにくい点が利点です。

クラウド型では通信遅延が発生すると操作が重くなったり、操作ができなくなるケースがありますが、インストール型はオフラインの環境でも作業ができるので、ネット回線が不安定な場合でも、安定した動作が期待できます。

経理業務のように入力量が多い作業では、この安定性が生産性の向上につながります。

インストール型会計ソフトのデメリット

インストール型には多くの企業が評価してきた利点がある一方で、導入前に把握しておきたい制約も存在します。

更新作業や運用環境の制限など、クラウド型とは異なる負担が発生するため、自社の運用体制との適合性をあらかじめ整理しておくことが重要です。

ここでは代表的なデメリットを解説します。

ソフトの更新や法改正対応は手動作業

インストール型では、税制改正や機能改善があった際に手作業でアップデートファイルを適用する必要があります。

更新のタイミングを誤ると、次のようなリスクが生じます。

  • 法定調書の書式が古い
  • 消費税率への対応が遅れる
  • 電子帳簿保存法対応が不十分になる

OSアップデートとの互換性リスク

Windowsの大型アップデート後にソフトが起動しない事例もあり、運用上の注意が必要です。

特にPCの買い替えタイミングでは互換性の確認が欠かせません。

複数拠点・テレワークと相性が悪い

インストール型の会計ソフトはローカル保存が基本のため、以下のような環境では運用が難しくなります。

  • 在宅勤務
  • 営業所・店舗など複数拠点
  • 外部の会計事務所とのデータ共有

VPNやリモートデスクトップでの共有も可能ですが、運用負荷が高く、速度が不安定になる場合もあります。

1ライセンスあたりの利用台数が制限される

インストール型は「1ライセンス=1台のPC」での利用が前提の製品が多く、複数端末での併用が難しいケースがほとんどです。

追加の担当者が必要になった場合や、チーム内で共有したい場合はライセンス費用が増える可能性があります。

OSの互換性(Windows中心/Macでは動作しないケースが多い)

インストール型の多くはWindows向けに設計されており、MacOS対応のソフトは種類が限られます。

そのため将来的なPCの入れ替えや、部署全体のOS統一方針との整合性を確認したうえで導入を検討する必要があります。

PCのストレージ容量を消費する

ソフト本体だけでなく、会計データやバックアップ用ファイルもPCのストレージを占有します。

長期運用でデータ量が増加すると、保存容量の管理が必要になり、HDD/SSDの増設や換装が必要になるケースもあります。

サーバー・端末の管理が必要(IT負荷が高い)

インストール型は以下の管理業務を自社で担います。

  • PC・サーバーのメンテナンス
  • バックアップ
  • ウイルス対策
  • 障害発生時の復旧

外部にデータを保存するクラウド型と比べると、IT管理の負担が増えることを理解しておく必要があります。そのため、ITリテラシーがあまり高くない企業はクラウド型を選択するほうが安心です。

【会計ソフト】インストール型とクラウド型の違い・比較

会計ソフトについて、インストール型とクラウド型の違いを理解すると、自社に合った方式が選びやすくなります。

ここでは比較のための主要ポイントを整理します。

自社の業務フローを起点に、どちらのタイプが向いているかを比較してみましょう。

インストール型とクラウド型の比較表(拡張版)

項目インストール型クラウド型
導入コスト初期費用が高め初期費用を抑えやすい(月額制)
稼働環境PC固定。オフラインでも利用可ネット環境があればどこでも利用可
更新手動更新自動更新(法改正も即時反映)
データ保存ローカルPC・社内サーバークラウドサーバー(遠隔バックアップ)
セキュリティ社内ネットワークで管理・完結しやすいベンダー側の大規模セキュリティで保護
障害対応自社で復旧が必要ベンダー側が復旧
複数拠点利用不向き得意(同時編集も可)
モバイル対応基本不可対応しているサービスが多い

用途別の向き・不向き

項目インストール型が向いているケースクラウド型が向いているケース
利用環境社内PCで完結したい/オフライン運用を重視自宅・外出先・複数拠点で利用
セキュリティ方針データを外部に置かず自社内で保持したい外部の強固なセキュリティ環境で管理したい
法改正対応年1回の更新を自社タイミングで管理したい自動更新で最新制度に常に対応したい
運用体制ベテラン担当者が既存環境を継続したいIT担当者が少なく保守作業を軽くしたい
コスト観点買い切りで長期利用する方針月額で段階的にコスト管理したい
拠点数単一拠点での運用が中心複数拠点・テレワークに対応したい

【総括】

インストール型・クラウド型は、どちらも特定の運用環境で強みを持ちます。

重要なのは、自社の「働く場所の広がり」「法改正への対応方針」「IT管理体制」との整合性です。

社内完結型の運用を重視する企業ではインストール型が安定した選択肢になり、複数拠点や柔軟な働き方に対応したい企業ではクラウド型の利便性が優位に働きます。

ケース例:企業規模・運用体制による選び分け

小規模企業(経理担当 1〜2名)

経理担当が少人数の企業では、会計処理が特定のPCで完結するケースが多く、インストール型の安定した動作やローカル運用との相性が良い傾向があります。

端末数の追加が発生しにくく、買い切り型の料金体系とも整合しやすいため、導入後の費用を見通しやすい点が選ばれる理由です。

複数拠点・営業所を持つ企業

複数の拠点から会計データを参照・集約する必要がある企業では、クラウド型の利便性が生きます。

拠点ごとにデータを管理する必要がなく、常に最新の情報を共有できるため、管理部門が全体の数値をタイムリーに把握しやすくなります。

テレワークを導入している企業

在宅勤務の普及や税理士・会計事務所との協業が増えている企業では、インターネット環境があればアクセスできるクラウド型が運用しやすいでしょう。

専用のVPNやリモート接続環境を構築しなくても、安全に同じデータを共有できるため、担当者が場所に依存せず業務を進められます。

情報セキュリティを自社で厳格に管理したい企業

社外クラウドにデータを置くことに慎重な企業では、インストール型でローカルに管理する方式が最適です。

データ保存場所やアクセス権限、バックアップ方法などを自社で統制できるため、情報管理の方針を維持しながら運用を続けられます。

IT担当者の人数・スキルが限られている企業

法改正対応やアップデート、バックアップなどの維持管理に割ける時間が限られる場合は、クラウド型の運用が適しています。

更新作業が自動で適用され、障害発生時の復旧もベンダー側で対応されるため、社内のIT負荷を抑えながら安定した運用が可能です。

インストール型会計ソフトを選ぶ時のポイント

インストール型の会計ソフトを検討する際は、単に機能面だけで判断するのではなく、運用期間や更新負荷、社内ネットワークとの相性などを総合的に確認することが重要です。

導入後のトラブルや追加コストを避けるためにも、事前に押さえておきたい選定ポイントを整理しておきましょう。

運用期間と総コストを把握する

買い切りの安さだけで判断すると、以下の点を見落とす場合があります。

  • 更新料
  • バージョンアップ費用
  • OS変更時の買い替え
  • サーバー・端末の維持費

5〜7年程度のスパンで比較すると、クラウド型の方が総額が安くなるケースも珍しくありません。

社内ネットワーク構成やセキュリティ要件を確認する

インストール型を選ぶ企業では、次の事項も併せて確認します。

  • アクセス権の管理方法
  • データバックアップの仕組み
  • サーバーの障害対応手順
  • 情報セキュリティの社内ルール

「自社で守りたい」方針を明確にすることで、適した方式が見えてきます。

法改正への対応スピード

毎年の税制改正や会計基準の変更は避けられません。

更新作業を誰が担当するのか、どのくらいの手間がかかるのかを事前に確認しておくと、導入後の負担が予測しやすくなります。

他ソフト・システムとの連携性

会計ソフトの選定では、データ連携の有無が業務効率に大きな影響を与えます。

  • 給与ソフト
  • 販売管理
  • 請求・債権管理システム
  • 経費精算ツール

インストール型の多くはCSV形式での取り込みが中心ですが、クラウド型ではAPI連携による自動連携が可能なケースが増えています。

まとめ|自社の業務にあった会計ソフトを選択しよう!

インストール型会計ソフトは、ローカル環境でデータを管理したい企業や、オフラインで運用したい企業に適した方式です。長年の利用実績があり、操作性になじんだ担当者が多い点もメリットです。

一方、複数拠点の共有や法改正への自動対応など、クラウド型の利便性が優れるポイントも増えています。

インストール型・クラウド型のどちらが最適かは、自社の運用体制・セキュリティ要件・コスト構造によって変わります。

両方式の特徴を理解し、将来の業務フローまで見据えて検討することで、自社に最適な会計ソフトを選びやすくなるでしょう。