データの管理

登録したマスターや伝票は、データベースに保存されます。本ソフトでは、このデータベースのことを便宜上「データ領域」と呼んでいます。「データ領域」は最大9999個持つことができます。

1. データ領域と会社

『PCA 会計シリーズ』や『PCA 給与シリーズ』は、会計事務所が利用することを想定し、複数の会社(顧問先)のデータを扱えるようにしています。これらのソフトは「期末更新」等の処理で新年度のデータ領域を作成していきます。このとき作成されるデータ領域は“同じ会社”のデータ領域となります。

この仕様はPCAソフトの共通仕様ですので、『商魂/商管』も同じ考え方になります。この仕様の注意点として以下の事柄があります。

○データ領域を新規作成したときは必ず“別会社”の領域になります。

○領域複写やリカバリ処理で新規領域を作成するとき、指示によって“同じ会社”の領域にすることができます。

 

  • 「システムツール」処理で、“別会社”や“同じ会社”のデータ領域に再編成することができます。「システムツール」の詳細はシステムツールをご覧ください。

2. データの繰越

本ソフトには、新年度用のデータ領域を作成する“繰越”のような処理はありません。何年間でも1つのデータ領域で運用できるように設計されています。もし、年度ごとにデータを管理したいときはここに書いた手順を実施します。

  • 前期が終わってすぐに実施してしまうと期をまたいだ請求ができなくなるなどの問題が発生します。前期が終わってから3か月程度立ってから実施する事をお勧めします(例:3/31付で繰越処理を行う場合、実際の処理は6月末頃に行うなど)。

  • データ量が多くなりますと集計速度が必然的に遅くなってしまいます。その場合にも、ここに書いた手順を実施しデータを減らします。

 

操作手順は次のようになります。

(1)  必ずデータのバックアップを取っておきます。

メニューの「ファイル」-データ領域のバックアップを起動し、現在のデータのバックアップを行います。

(2)  データ領域を複写して複写先を前期のデータ領域として残します。

メニューの「ファイル」-データ領域の作成を起動します。

現在の領域を選択した状態で[複写]ボタンをクリックします。

表示された画面で、「新しい領域に複写する」を選択し、「会社名」と「フリガナ」には使用中のデータ領域と同じ内容を入力します。「会社の扱い」も使用中のデータ領域の会社名を選択します。

指示後、[複写]ボタンをクリックして処理を開始します。

複写が終わるとデータ領域の切り替え確認のメッセージが表示されます。

【重要】

今まで使っていたデータ領域を新年度も使う運用にします。ネットワーク版をご利用のお客様の場合、複写先のデータ領域を新年度で使う運用にすると、他のクライアント(ユーザー)が複写元のデータ領域をそのまま使用してしまう危険があります。

 

データ領域を切り替えないことを意味する[キャンセル]ボタンをクリックします。

最初の画面に戻りますので[閉じる]ボタンをクリックして処理を終了します。

(3)  新年度データ領域の名称などを変更します。

メニューの「前準備」-会社基本情報の登録をクリックして起動します。

「データ領域名」を新しい期に合わせて変更します(令和7年度データなど)。

「基本情報」タブの「伝票入力可能期間」を新しい年度に合わせて変更します。

(4)  売掛残高・買掛残高を確定します。

メニューの「ファイル」-データの保守を起動します。「保守メニュー」から残高の締切を選択し、[残高締切日]を前期の末日に設定します。[実行]ボタンをクリックして処理を開始します。

(5)  繰越在庫数を確定します(『商管』をご利用の場合)。

メニューの「在庫管理」-在庫の締切を起動します。[在庫締切日]を前期の末日に設定します。[実行]ボタンをクリックして処理を開始します。

(6)  残高締切日・在庫締切日以前の伝票を削除します。

メニューの「ファイル」-データの保守を起動します。「保守メニュー」からデータの削除を選択し、[削除日]を前期の末日に設定します。[実行]ボタンをクリックして処理を開始します。

(7)  以上でデータの繰越は終了です。

3. 月次データ

本ソフトでは、売上伝票と仕入伝票の金額・数量を月単位に、取引先別や商品別に集計したデータを保存しています。このデータのことを「月次データ」と呼称し、以下の目的で利用します。

○数年前の売上実績・仕入実績を参照する。

○前年実績との比較をする。

○予算との比較をする。

  • 売上伝票や仕入伝票は何年分でも保存できますが、データ容量の増大、集計速度の悪化が考えられるため「月次データ」として保存し利用します。

月次データを更新する処理

○売上伝票と仕入伝票を作成・更新・削除する処理のすべてで月次データを更新します。

○「データの保守」-月次実績の再計算

指示した年月の月次データを、売上伝票と仕入伝票から再計算します。

○「データの保守」-月次データの削除

指示した年月の月次データを削除します。

月次データから集計する処理

○月次売上データ

当月実績の照会、月次実績の照会、月次売上表、比較売上表、ABCランクの登録、予算の登録、予算実績対比表、予算実績推移表

○月次仕入データ

当月実績の照会、月次実績の照会、月次仕入表、比較仕入表