消費税
税区分と税区分の決定方法
入力された勘定科目について、税区分管理が必要な科目の場合に税区分の入力が必要です。
『PCA hyper 会計シリーズ』の税区分を使用することができます。
税区分は、請求書明細の場合、「前準備」-「商品」-「商品の登録」で設定されたものが初期値として設定されます。設定されていない、あるいは請求書明細以外の場合、「前準備」-「取引先」-「請求先の登録」「支払先の登録」の優先科目で設定されたものが設定されます。取引先にも設定されていない場合、勘定科目、補助科目に設定された税区分が設定されます。
ただし、「前準備」-「使用科目の設定」で「残管理」にチェックマークの付いた勘定科目を債権伝票、債務伝票、債務予定伝票で入力すると、税区分は「00対象外」固定となります。
伝票消費税と締め実行時の期間消費税の調整
消費税の端数調整について説明します。
≪消費税の調整が必要になるケース≫
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◇ 請求先マスターの「消費税集計」が「請求締一括」「債権伝票毎」に設定されている
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◇ 支払先マスターの「消費税集計」が「精算締一括」「債務伝票毎」に設定されている
【消費税端数調整とは?】
税率8%で税抜535円の債権を計上したときの債権額は535×1.08=577.8円(切り捨てなら税額42円)となります。税率8%で税抜535円の債権を2つ計上したときの債権額は535×2×1.08=1,155.6円(切り捨てなら税額85円)となります。
ただし、債権明細上は535×1.08=577.8円(切り捨てなら税額42円)の明細が2つ表示されますので、42×2=84円で85円とは1円の差がでてしまいます。
この1円の差を埋めることを消費税調整と呼びます。
【会社基本情報の設定による計算方法の違い】
会社基本情報の「消費税端数の計算方法」によって、端数調整の計算方法が2通りあります。
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外税のみ :初版での計算方法となります。例は上記「消費税端数調整とは?」を参照ください。
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外税と内税:適格請求書要件に対応した計算方法となります。
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(1) 税率毎に外税自動計算から端数込みの税額を算出し、税込額(端数込み)と加算 ※総額の決定
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(2) (1)の総額を税込→税抜換算し、総額-税抜額=税額を決定
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(3) 税額-外税のみの税額(端数調整額を含む)=内税額(端数調整額を含む)とする
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【制限事項】
残高管理しない科目が含まれていると、消費税調整額の計算結果に問題が発生しますが制限事項となります。
例)債務伝票の中に運賃があり、これだけ別途現金で支払った場合
仕入高 |
XXX,XXX |
/ |
買掛金 |
XXX,XXX |
運賃 |
X,XXX |
/ |
現金 |
X,XXX |
上記の仕訳が発生しますが、端数調整の対象は仕入高と運賃となります。
ただし、実際は運賃については既に現金で支払っていますので、本来は消費税端数調整をする必要はありません。
≪消費税端数調整仕様≫
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※ 『債権管理オプション』での仕様です。
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「消費税集計」が「請求締一括」 |
「消費税集計」が「債権伝票毎」 ※請求締一括で伝票の設定が都度請求のとき |
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作成のタイミング |
請求締実行時 |
債権伝票作成時 |
削除のタイミング |
請求締履歴削除時 |
債権伝票削除時 |
作成された消費税調整明細は伝票明細で薄黄色で表示されます。明細を修正することはできません。明細の削除と、フセンの設定は可能です。
専用帳票の消費税表示
≪税率の出力≫
明細行に商品明細の税率を出力します。以下の帳票で出力できます。
請求書
軽減税率が適用された商品明細は、税率の右側に「※」マークを出力します。
税率の出力は任意で、発行方法の「出力項目」で指示をします。
≪税率別内訳の出力≫
「適格請求書」の要件を満たすために、税率毎かつ税種別毎に集計した「税率別内訳」を出力します。出力は任意で、発行方法の「出力項目」で指示をします。
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税率:税率を出力します。軽減税率は税率の右側に「※」マークを出力します。
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課税対象額:税抜価格を出力します。
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消費税等:消費税額を出力します。
請求書の消費税
≪消費税集計による出力制御≫
請求書では、請求先マスターの「消費税集計」によって出力内容が異なります。また、「品名版」「伝票版」「合計版」によっても異なりますが、ここでは「品名版」で説明しています。「伝票版」の出力内容は「品名版」とほぼ同様です。「合計版」はコメント付きで「内消費税等」と「税抜御買上額」を出力しているだけですので、ここでの説明は省略します。
≪鏡部の御買上額≫
合計版は請求期間内の債権伝票の債権金額合計(端数調整額含)です。
品名版と伝票版は出力する内容を選択できます。
「繰越金額」と「今回御請求額」の間にある2欄の出力内容を指示します。2欄のタイトルも指示した内容で印字します。
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御買上額+内消費税等
御買上額:請求期間内の債権伝票の債権金額合計(端数調整額含)内消費税等:請求期間内の債権伝票の(外税合計+内税合計+端数調整額)
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税抜御買上額+消費税等
税抜御買上額:請求期間内の債権伝票の債権金額合計(端数調整額含)-(外税合計+内税合計+端数調整額)
消費税等:請求期間内の債権伝票の(外税合計+内税合計+端数調整額)
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御買上額
御買上額:請求期間内の債権伝票の債権金額合計(端数調整額含)
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※ 左欄には何も出力しません。
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≪合計行、消費税行≫
「消費税集計」によって異なりますので、分けて説明します。
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◎消費税集計が請求締一括かつ都度請求しない場合
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明細行に続けて消費税合計や金額合計を出力します。
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御買上計:税抜明細の外税を抜いた額と内税明細の内税を含んだ合計です。
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消費税等:外税の合計(端数調整分を含む)です。
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税込御買上計:上記の御買上計+消費税等です。
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内消費税等:外税と内税の合計(端数調整分を含む)です。
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出力例(税抜明細だけと税込明細だけの2伝票を出力した例)
品名
単価
金額
税率
A商品(税抜明細)
1,000
1,000
10.0%
B商品(税抜明細)
1,000
1,000
8.0% ※
C商品(税込明細)
1,100
1,100 *
10.0%
D商品(税込明細)
1,080
1,080 *
8.0% ※
【御買上計】
4,180
消費税等
180
【税込御買上計】
4,360
(内消費税等)
(360)
税率 課税対象額 消費税等
10.0 ¥2,000 ¥200
8.0※ ¥2,000 ¥160
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◎消費税集計が債権伝票毎・債権明細単位の場合
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伝票ごとの消費税を出力します。明細行に続けて消費税合計や金額合計を出力します。
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消費税等:債権伝票の外税合計です。
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御買上計:税抜明細の外税を抜いた額と内税明細の内税を含んだ合計です。
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消費税等:外税の合計(端数調整分を含む)です。
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税込御買上計:上記の御買上計+消費税等です。
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内消費税等:外税と内税の合計(端数調整分を含む)です。
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出力例(税抜明細だけと税込明細だけの2伝票を出力した例)
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品名
単価
金額
税率
A商品(税抜明細)
1,000
1,000
10.0%
B商品(税抜明細)
1,000
1,000
8.0% ※
消費税等
180
C商品(税込明細)
1,100
1,100 *
10.0%
D商品(税込明細)
1,080
1,080 *
8.0% ※
【御買上計】
4,180
消費税等
180
【税込御買上計】
4,360
(内消費税等)
(360)
税率 課税対象額 消費税等
10.0 ¥2,000 ¥200
8.0※ ¥2,000 ¥160
免税事業者等からの課税仕入れの仕訳データの作成
免税事業者等からの課税仕入れで、全額が仕入税額控除の対象とならない場合に、仕訳データの作成で税区分と金額に調整が入ることがあります。
≪経過措置税区分の設定≫
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◇ 債務伝票の事業者区分が「0:適格」以外の場合は、経過措置税区分を設定します。
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◇ 支払伝票の支払先事業者区分が「0:適格」以外の場合は、経過措置税区分を設定します。
設定する経過措置税区分は下記の通りです。
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事業者区分が「非適格(経過措置あり)」:会計税区分の「経過措置税区分(80%控除)」を設定
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事業者区分が「非適格(経過措置なし)」:会計税区分の「経過措置税区分(控除なし)」を設定
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※ 伝票日付が2023年10月1日より前の場合、経過措置税区分の設定は行いません。
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※ 明細毎の税込金額が1万円未満の場合、インボイス制度の経過措置(1万円未満)の対象となり全額を仕入税額控除できるので、経過措置税区分の設定は行いません。
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※ 勘定科目が「仮払消費税」「仮受消費税」の場合、経過措置税区分の設定は行いません。
≪経過措置を考慮した消費税計算≫
『PCA hyper 会計シリーズ』の「会社基本情報の登録」の「インボイス情報」-「免税事業者等からの課税仕入れの経理方法」の設定に従って、経過措置を考慮した消費税計算を行います。
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[入力時に自動計算]
経過措置を考慮した消費税計算を行い仕訳データの作成をします。
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[手動で調整]
経過措置を考慮した消費税計算は行いません。仕訳データを転送した後に、『PCA hyper 会計シリーズ』で経過措置を考慮した調整を行います。