分散処理の概要

USBメモリ、LAN、公衆回線、またはインターネットなどを経由して複数の相手とのデータの受け渡しが行えます。『PCA 会計シリーズ バージョンDX』と『経理じまん(jiman)』での双方向のデータ転送も可能です(原則として部門管理をしない場合)。

処理対象は「部門」「勘定科目」「補助科目」「仕訳」「期首残高」「予算区分」「予算(摘要別)」「予算(補助別)」「銀行(会社口座)」「振込先」です。

分散処理は、仕訳データやマスターなどを同期する形で運用したい場合にご使用ください。

支店などの仕訳データを本社で一括管理したい場合などは、支店などで仕訳の「汎用データ」を作成(メニューの「日常帳票」-「仕訳伝票発行・チェックリスト」「仕訳帳」)し、本社で受入(メニューの「随時」-「汎用データの受入」)を実行することをお勧めします。

複数コンピュータ間での会計データのやり取りをすることができます。

この時、一度転送したデータを再度転送しないよう、差分転送でデータの出力を行います。

  • 差分転送:前回転送した後に追加されたデータのみを転送することです。

 

例1)

複数の支店で分散データの作成を行い、本社で受け入れる場合

→本社で全データを管理することができます。

例2) 会計事務所と各顧問先のそれぞれで分散データの作成、受け入れを実行する場合

(会計事務所側で決算時の修正仕訳を入力し、各顧問先で日常の取引データを入力するなど双方向でデータをやり取りする場合。)

→会計事務所と各顧問先の両方で全データを管理することができます。

ヒントと注意事項

  1. 「分散処理」を行う際は、他の処理を必ず終了してから行ってください。

  2. 分散処理を実行する場合は、「前準備」-「会社基本情報の登録」-「管理情報」タブの「重複伝票番号」を「許可する」に設定してください。

  3. 分散処理は以下のソフト間で行うことができます。

    (1)  『PCA 会計シリーズ バージョンDX』と『PCA会計シリーズ バージョンDX』

    (2)  『PCA会計シリーズ バージョンDX』と『経理じまんDX(jiman)』

    (3)  『経理じまんDX(jiman)』と『経理じまんDX(jiman)』

    (4)  『PCA会計シリーズ バージョンDX』と『PCA 会計シリーズ バージョンX』『経理じまんX』

    (5)  『経理じまんDX(jiman)』と『PCA 会計シリーズ バージョンX』『経理じまんX』

    • (4)と(5)の場合、『PCA会計シリーズ バージョンDX』と『経理じまんDX(jiman)』のデータは、分散処理を行う旧『PCA会計シリーズ』からコンバートされたデータであることが必要です。また、『PCA会計シリーズ バージョンDX』と『経理じまんDX(jiman)』で作成した分散データを旧『PCA会計シリーズ』で受け入れることはできません。旧『PCA会計シリーズ』で作成した「銀行(会社口座)」「振込先」の分散データを『PCA会計シリーズ バージョンDX』と『経理じまんDX(jiman)』で受け入れることはできません。

  4. 『PCA 会計シリーズ バージョンDX』で作成した分散データを『経理じまん』で受け入れる場合は、「部門」「部門別期首残高」「予算区分」「予算(摘要別)」「予算(補助別)」の各データは受け入れません。また、「仕訳」については、入力プログラム区分「6:高速入力」「8:配賦入力」「11:入出金データ受入」「12:銀行振込依頼書」「13:ほのぼのNEXTデータ受入」「14:税区分の一括変更」を「1:コクヨ式」に変換して受け入れます。その他の入力プログラム区分の仕訳は「部門管理しない」状態で受け入れます。

    仕訳の分散データを『PCA会計 システムA』で受け入れる場合は、入力プログラム区分「6:高速入力」「8:配賦入力」を「1:コクヨ式」に変換して受け入れます。

    仕訳の分散データをパッケージ版をご利用でPSS会員に未加入の場合(「製品サービスライセンスが無効の状態」)で受け入れる場合は、入力プログラム区分「16:取引明細受入」を「1:コクヨ式」に変換して受け入れます(製品サービスライセンスは、「システムツール」-「製品サービスライセンスの管理」で登録します)。

  5. 「導入時確定処理」や分散データの作成、実行を行う前にデータのやり取りを行う全拠点の部門・勘定科目・補助科目・銀行・振込先マスターなどのデータが同じ状態であることを確認してください。出力する領域と、受け入れる領域のデータ領域作成時の「勘定科目コードの桁数」や「会社基本情報の設定」の「会計期間」「消費税自動計算」「製造原価」の設定も統一させておく必要があります。
    「データ領域のバックアップ」「データ領域のリカバリ」を実行すると、同じ状態のデータを各拠点で持つことができます。ただし、各拠点で会社コードの設定、本社支社情報の設定を実行し直す必要があります。導入時の手順については後述の「導入の手順」をご覧ください。

  6. 1つのコンピュータ上に同一コードの会社が複数存在すると、正しく処理が行われません。ただし、繰越などによって複数の領域で同一会社コードが存在する場合は問題ありません。

  7. 分散データの受け渡しを行う各拠点に同一の会社コードが複数存在すると、正しく処理が行われません。

  8. 受け渡しを行うデータの階層の飛び越しはできません。

  9. 『PCA eDOC』のリンク情報は受け入れません。

  10. 期末更新(新規更新)実行後の新年度領域では更新前の差分情報が失われてしまうため、更新後の差分だけが分散データに出力されます。また、分散データの作成回数を示す分散データファイルの拡張子も“001”から再スタートとなります。

  11. 旧『PCA会計シリーズ』(『PCA 会計シリーズ バージョンX』『経理じまんX』を除く)では、期末更新後に「導入時確定処理」を実行する必要がありましたが、『PCA会計シリーズ バージョンDX』と『経理じまんDX(jiman)』では実行する必要はありません。

  12. 大文字小文字のみが異なる英字のコードが設定されているマスターを使用している場合、照合順序の設定が異なる相手とは、分散機能を使用してマスターの同期を取ることはできません。

    『PCA 会計シリーズ』で使用するデータベースの設定によって、照合順序が異なる場合がありますが、照合順序が異なると、『PCA 会計シリーズ』のマスターのコードで使用する英字の大文字と小文字の取扱が異なります。大文字と小文字のみが異なるコードを使用している場合は、事前に相手先の環境でも使用できるかどうか確認してください。

    • SQL版に同梱している「SQL Server」をそのままセットアップした場合など、照合順序が「辞書順」で設定されていると、大文字と小文字は区別されません。大文字と小文字のみが異なるコードが設定されているマスターは登録することができません。

    • クラウド版(緊急時用プログラムを含む)をご利用の場合や導入済の「SQL Server」で後から『PCA 会計シリーズ』を運用した場合など、データベース照合順序を「バイナリ順」に設定している場合、英字の大文字と小文字が区別されます。大文字と小文字のみが異なるコードが設定されているマスターを登録することができます。

  • 6.7.8.については、「制限イメージ図」を参照してください。

1. 制限イメージ図

ここでは「分散処理」を行うための導入の手順を説明しています。

導入時の手順の大まかな流れは以下のとおりです。

運用中に新拠点を追加する必要が生じた場合の操作については、「◎新拠点追加の手順」をご覧ください。

 

◎手順1:本社のデータを確定する(支社のデータを集める)

◎手順2:本社で元データのバックアップをとり、各支社でリカバリする

◎手順3:本社を含むすべての拠点に会社コードを振る

◎手順4:本社・支社情報を登録する

◎手順5:導入時確定処理を実行する

◎手順1:本社のデータを確定する(支社のデータを集める)

支社のデータを、汎用データ等を利用して本社に集め、1つのデータにまとめます。

本社に集めて1つにしたデータが元データとなります。

ここでは汎用データを利用する場合を例に説明しています。

(1)   各支社で仕訳の汎用データを作成します。

→「日常帳票」-「仕訳伝票発行・チェックリスト」「仕訳帳」の説明をご覧ください。汎用データレイアウトについては、オンラインヘルプ、または製品内のDocフォルダのPDFファイルを参照してください。

(2)   本社で(1)で作成した汎用データの受け入れを行います。

→「随時」-「汎用データの受入」をご覧ください。

  • 各支社で汎用データを作成した後は「導入の手順1~5」が終わるまで本社・各支社ともデータの変更・登録等を一切行わないでください。

  • 汎用データを作成した後の各支社のデータは不要になります。

◎手順2:本社で元データのバックアップをとり、各支社でリカバリする

手順2で集めた元データ(本社と各支社のデータ)のバックアップをとり、各支社でリカバリします。

  • 『PCA 会計シリーズ』 バージョンDX』以外の『PCA会計シリーズ』と分散データの受け渡しを行う場合、各拠点が旧『PCA会計シリーズ』である状態でデータのバックアップ、リカバリをする必要があります。

    本社で※『『PCA 会計シリーズ』 バージョンDX』の運用を開始できるのは、手順2が終了し、データのコンバートが終了した時点です。

(1)   メニューの「ファイル」-「データ領域のバックアップ」で本社の元データのバックアップをとります。

(2)   バックアップした元データを「ファイル」-「データ領域のリカバリ」によって各支社でリカバリします。

→「データ領域のバックアップ」「データ領域のリカバリ」の操作方法については、データ領域のバックアップ」「データ領域のリカバリ」をご覧ください。

  • 本社で※『『PCA 会計シリーズ』 バージョンDX』を使用する場合は、この時点で旧『PCA会計シリーズ』から※『『PCA 会計シリーズ』 バージョンDX』へデータのコンバートを実行してください。

◎手順3:本社を含むすべての拠点に会社コードを振る

本社を含むすべての拠点にメニューの「前準備」-「会社基本情報の登録」で会社コードを設定し直します。

各支社でリカバリしたデータ領域には元データの会社コードが設定されていますので、下記の例のように重複しない会社コードを割り振って、各拠点でそれぞれ設定する必要があります。

「会社基本情報の登録」の操作方法については、会社基本情報の登録」をご覧ください。

 

<例>

◎手順4:本社・支社情報を登録する

本社を含むすべての拠点ごとにメニューの「分散」-「本社・支社情報の登録」で本社・支社情報を登録します。

「本社・支社情報の登録」の操作方法については、本社・支社情報の登録」をご覧ください。

<例> 本社と大阪支社、本社と福岡支社でデータをやり取りする場合

◎手順5:導入時確定処理を実行する

手順2により、すべての拠点で同じデータを持っていることになります。

「同じデータを持っていて分散データの受け渡しを行う準備ができている」ということを設定するのが、この手順の内容です。

「導入時確定処理」を行った後のデータについては、分散データの作成・受け入れを実行する際も不要なデータを転送せずにデータの整合性をとることができます。したがって、すべての拠点が同じデータを持っていない状態で「導入時確定処理」を行うと、以降のデータも整合性がとれない状態となってしまいますので、ご注意ください。 「導入時確定処理」は、データの不整合が起こった場合は手順1からやり直しになりますので、必ず「導入時確定処理」を実行してください。

  • 本社を含むすべての拠点ごとに「導入時確定処理」を実行してください。操作方法については、「導入時確定処理」をご覧ください。

◎新拠点追加の手順

ここでは新拠点追加の手順を説明しています。

新拠点の追加では、以下の2つの場合が考えられます。

  • 新しく設立した支社で分散処理を行いたい場合(仕訳データがない場合)

  • 以前からある支社で分散処理を行いたい場合(仕訳データが入力済みの場合)

下記のどちらかの手順に沿って操作を実行してください。

新しく設立した支社で分散処理を行いたい場合

  • すべての手順が終了するまで、本社・支社ともにデータの変更・登録等を一切行わないでください。

(1)   本社のデータを確定します。(このデータが元データになります) 設立した支社以外の支社のデータを本社に集めます。

→「分散データの作成」、「分散データの受入」参照

(2)   本社で元データのバックアップをとり、新しく設立した支社にリカバリします。

データ領域のバックアップ」「データ領域のリカバリ」参照

(3)   設立した支社で、リカバリしたデータの会社コードを変更します。 この時、他の拠点と会社コードが重複しないよう注意してください。

会社基本情報の登録」参照

(4)   本社と設立した支社で「本社・支社情報」を登録します。

→「本社・支社情報の登録」参照

(5)   本社と設立した支社で「導入時確定処理」を実行します。

→「導入時確定処理」参照

以前からある支社で分散処理を行いたい場合

  • すべての手順が終了するまで、本社・支社ともにデータの変更・登録等を一切行わないでください。

(1)   本社のデータを確定します。(これが元データになります) 新たに分散処理を行う支社のデータと、それ以外の支社のデータをすべて本社に集めます。 この時、新たに運用を開始する支社のデータは汎用データ等で本社に集めてください。

→「分散データの作成」、「分散データの受入」参照

→ 汎用データの作成」(「仕訳伝票発行・チェックリスト」処理など)、「汎用データの受入

(2)   本社で元データのバックアップをとり、新たに運用を開始する支社にリカバリします。

データ領域のバックアップ」「データ領域のリカバリ」参照

(3)   導入する支社で、リカバリしたデータの会社コードを変更します。 この時、他の拠点と会社コードが重複しないよう注意してください。

会社基本情報の登録」参照

(4)   本社と導入する支社で「本社・支社情報」を登録します。

→「本社・支社情報の登録」参照

(5)   本社と導入する支社で「導入時確定処理」を実行します。

→「導入時確定処理」参照

分散処理の概要-動作仕様

ここでは実際に「分散処理」を運用する際の手順を説明しています。

運用時の手順の大まかな流れは以下のとおりです。

操作方法については、各処理の説明をご覧ください。

  • 以下の手順を行う前に、「導入の手順」を必ず実行してください。

手順1

分散データの作成(メニューの「分散」-「分散データの作成」)

手順2

分散データの受入(メニューの「分散」-「分散データの受入」)

1. 動作仕様

  1. メニュー「分散」-「分散データの受入」の「重複マスターの優先設定」により、データ転送時の条件が異なります。
    以下では、動作仕様を「1.各マスター・予算処理仕様」「2.仕訳処理仕様」の2つに分けて説明しています。

  2. 各マスターのコード変更・削除、補助科目の補助区分変更には対応していません。
    コード変更・削除、補助科目の補助区分変更が行われた場合は、各拠点で『PCA 会計シリーズ』を起動し、全拠点でマスターの内容が一致するように手動で修正・削除してください。

    1.各マスター・予算処理仕様

    • 各マスターは同一グループ内で共通のコードを使用してください。

    • 各マスターは、受け入れる領域内に同一コードが存在するかチェックします。同一コードのマスターが存在しない場合は、新規マスターとして登録されますが、同一コードのマスターが存在した場合、「分散データの受入」時の「重複マスターの優先設定」により転送内容が異なります。

    【現領域のマスターを優先する】

    更新処理はありません。

    【作成側のマスターで上書きする】

    作成元の内容で同一コードのマスターを上書きします。

    • ただし、予算データについては、つねに作成元のデータで上書きされます。

    2.仕訳処理仕様

    • 仕訳に関しては、すべてのデータを出力します。▶①

    • 存在しない科目・補助科目・部門マスターを使用した仕訳の受け入れは行いません。

    • 同一の仕訳をそれぞれが修正した場合は、以後別の仕訳としてみなされます。▶②

    • 受け入れた仕訳は、登録ユーザー(入力担当者)はログインしているユーザー、入力部門は、ログインしているユーザーの所属部門(『経理じまん』で受け入れる場合は、共通部門)で登録されます。

    【ログの作成について】

    分散処理では、各種のログを以下の場所に保存します。

    C:\ProgramData\PCA\Acc20\分散\P20V01C001ACCXXXX

    • 下線部分は、データベース番号になります。

     

    作成されるファイルは以下のとおりです。

    ログファイルはメモ帳などで参照することができます。

    • CommXXXX.log:出力したデータと日付等を記録します。