導入事例
株式会社アクト・玄々堂ホールディングス 様

20社超の会計を一つに
若きリーダーが挑んだ
グループ経営の基盤改革
会計ソフトがバラバラ、転記作業が必要で、経営判断に必要な数字が1~2カ月遅れて届く。これは、現在、約20法人の企業グループを展開するアクト・玄々堂ホールディングスが、かつて抱えていた課題だ。この停滞に“待った”をかけたのが、若き代表。自ら先頭に立ち、『PCAクラウド』を軸としたグループ全体の業務改革を行った。FinTech(フィンテック)機能なども活用し、数字のリアルタイム化とクラウドならではの安心感を手に入れている。業種も規模も異なる多様な企業を束ねながら、いかにして変革を実現したのか。その舞台裏をうかがった。
導入の狙いと効果
- 導入の狙い
-
- 数字の遅れをなくし、経営判断のスピードを上げたい。
- 拠点ごとに異なる会計運用を標準化したい。
- 手作業と属人化を減らし、基幹業務の持続可能な運用体制を築きたい。
- 導入の効果
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- 月次決算がリアルタイムで共有可能に。意思決定のタイムラグを解消。
- グループ企業の20社近くの会計を『PCAクラウド 会計』で統一し、共通基盤を確立。
- 『PCAクラウド』導入で業務量は最大5分の1に削減。小規模拠点でも1名体制で経理を回せる見通しが立つように。
導入システム
- PCAクラウド 会計
- PCAクラウド 商魂
- PCAクラウド 商管
- PCAクラウド 社会福祉法人会計
- PCAクラウド 給与
- PCA FinTechサービス
導入企業とプロフィール

株式会社アクト・玄々堂ホールディングス
本社 | 〒879-0453 大分県宇佐市大字上田2111番地1 |
---|---|
資本金 | 3,000万円 |
設立年月日 | 平成28年11月1日 |
従業員数 | 1,212名 |
主業種 | 生活産業・医療・福祉介護 |
業務内容 | 主業種3本の主格業務を中心とした子会社・関連会社の経営及びコンサルティング |
URL | https://ag-holdings.jp/ |
企業理念 | 志が未来を切り開く 結集がグループ力の源 挑戦が成長を生む 想いをひとつにやってみよう! 【A】 MBITIOUS:志 【C】 ONCENTRATE:結集 【T】 RY:挑戦 |
導入前の運用と課題
複数の会計ソフトが混在。ホールディングス経営を阻む“数字の遅れ”
株式会社アクト・玄々堂ホールディングスは、九州エリアを中心に医療・福祉・製造・農業・物流など、多岐にわたる事業を展開する企業グループ。医療法人においては、手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」を用いた手術実績が九州トップクラスを誇り、農業分野でも大規模なイチゴ農園の運営など、地域に根差しながらも専門性の高い事業を多数擁している。
同社は20社規模の法人を束ねるホールディングス体制を敷いており、グループ各社がそれぞれ独立した経営を行う一方で、本部による会計業務の一元化を進めようと考えていた。以前は、一部の企業がパッケージ版の『PCA 会計』を利用していたが、その他の企業は他社ソフトをそれぞれ独自に利用していたため、経理業務の標準化が困難だった。
「月次決算は主にExcel®や紙で集計し、本部にて再転記するという手作業が主流で、数字の反映までに1〜2カ月のタイムラグが生じていました。4月の数字が6月にならないと見えない。このままではスピード感のある経営判断ができないと考えていました」(代表取締役社長 西山徳哉氏)
「人手が限られているのに紙ベースの運用が残っている点も、大きなボトルネックでした。例えば販売・在庫データを印刷し、仕訳を経理が手入力するなど、二重作業が常態化している部署もありました」(管理本部 部長 原西正典氏)
また、オンプレミス環境の維持にもリスクを感じていたと西山氏は語る。
「雷や台風、計画停電などでサーバーが停止する恐れは常にありました。台風による倒木が引き金になりサーバーが止まり、誰もどうにもできないという状況も現実にあったんです。加えて、拠点ごとにバージョンアップの対応が必要になり、熊本や三重の事業所まで、担当者が出張することもありました」
さらに、銀行取引については「通帳を記帳して、入出金をすべて手入力していました。非効率だとは思いながらも、当時は代替手段がありませんでした」と振り返る。
こうした情報共有の遅延、非効率な作業、インフラ面の不安を背景に、「経営者が現場を理解し、自ら変革をリードすべき」と西山氏が判断。自ら先頭に立ってDX化を実行へと移していった。

代表取締役社長
西山 徳哉 氏

管理本部 部長
原西 正典 氏
選定のポイント
複数拠点・リアルタイム経営に応える。代表自らが選んだ『PCAクラウド』の決め手
ソフト選定においては、「経営者が自分で触って確かめずに、人任せにするのはナンセンス」と、西山氏自身が複数のソリューションを比較検討した。まずクラウド環境を大前提とし、雷や台風など自然災害によるトラブルで業務が止まる環境を変えることを喫緊の課題と位置づけた。その中で、西山氏が最も注目したのが『PCAクラウド』だった。
「特に決め手となったのは、『PCAクラウド』が複数拠点やグループ企業での利用について柔軟性が高く、またすでに『PCA会計』を利用していたグループ会社との親和性もありました。他のクラウド製品も検討しましたが、複数業種・複数拠点で共通運用できる点では、『PCAクラウド』が最適だと判断しました」
また、FinTech(フィンテック)機能への期待も高かった。「家計簿アプリができるのに、企業会計でできないわけがない。銀行明細は自動で取れるべきだと思っていました」と西山氏は語り、実際に『PCA FinTechサービス』の入出金の受入機能を体験すると、即座に「これを使おう」と導入を決断した。このように代表取締役社長である西山氏のリーダーシップのもとで『PCAクラウド』の導入が推進された。



導入のメリット
リアルタイム会計から証憑連携、FinTech活用まで。進むグループ各社の業務改革
現在、同社の会計システムについては医療・福祉・製造・農業・物流など主要な法人においては、『PCAクラウド 会計』へ移行している。これにより、本部と各社間での数値共有がリアルタイム化され、経営判断のスピードが飛躍的に向上した。
製造系のグループ会社では、『PCAクラウド 会計』に加えて『PCAクラウド 商魂・商管』を導入。『PCAクラウド 会計』と『PCAクラウド 商魂・商管』との連携により、売上などの仕訳データの直接連動を行い、証憑処理の効率化を実現したことで、請求書や領収書の電子提出から承認、仕訳登録までの一連の流れを自動化。紙運用の非効率さと、ミス・遅延のリスクを大幅に軽減できている。
医療法人や社会福祉法人においては、それぞれ業界特有の勘定科目や制度要件に対応するため、『PCAクラウド 社会福祉法人会計』と『PCAクラウド 医療法人会計』を用いて運用されている。証憑処理との連携などは今後の展開となるが、まずは会計基盤の統一により、経理業務の安定化が進んでいる。
製造部門の一部法人において、『PCA FinTechサービス』を使用して入出金データを『PCAクラウド 会計』に取り込み、仕訳にすることによって、資金管理の効率化が実現している。
また、グループ横断で導入を進めている『PCAクラウド 給与』については、勤務体系や手当計算が法人ごとに異なるため、現在はカスタマイズと運用調整を進めながら移行を進めている段階である。2025年度中には全社での本格運用を目指しており、給与データの一元化と会計連携が期待されている。
このように、グループ全体で『PCAクラウド』を中核とした業務基盤が徐々に整備されつつあり、各社の特性に応じた形での運用が進行中だ。

全社導入を可能にしたのは「トップの決断」と「本部の支援体制」
これだけ多様な法人を抱えるグループにおいて、このように『PCAクラウド』を軸とした業務基盤を全社的に展開していくには、段階的かつ着実な推進体制が不可欠だった。その推進プロセスを主導したのは、代表の西山氏自身である。
複数のクラウドサービスを比較検討する最初のステップから代表自ら着手し、導入を決定した後は、各社の業務負担や混乱を最小限に抑えるため、グループ本部内に支援体制を構築。原西氏が導入支援の役割を担当し、法人ごとの要件ヒアリングから運用設計、初期教育、フォローアップに至るまで、段階的に伴走を行った。
原西氏は、「現場によって運用や慣習が違う中で、一律に押しつけるのではなく、できることから少しずつ変えていくという姿勢を徹底した」と振り返る。
導入を加速できた要因として、クラウド環境ならではの特性も大きかった。『PCAクラウド』は原西氏と各社の会計担当者が同じ画面をリアルタイムで確認できるため、操作方法の説明や各種設定のフォローもリモートで実行でき、遠隔地の法人でもスムーズに初期運用を立ち上げることができた。
業務負荷の1/5化、資金繰りの見える化。PCA導入がもたらした現場の変化
製造系法人では、これまで転記作業や帳票整理にかかっていた手間が大幅に削減され、業務量は「従来の5分の1になった」との声も上がっているそうだ。特に紙中心だった運用からデジタル化への移行は、作業効率だけでなくヒューマンエラーの防止にもつながっている。
『PCA FinTechサービス』の導入も経営層から高く評価されている。これまで通帳を記帳し、入出金データを手入力するという煩雑な作業が当たり前だったが、現在はすべての銀行口座の最新の動きを翌営業日にはポータル画面で確認可能となり、「資金繰りの状況をその場で把握できるようになった」と西山氏は語る。
また、クラウド化によって物理的なサーバーが不要となり、災害や停電、人的な引き継ぎミスによるシステムトラブルといったインフラリスクも大きく軽減された。加えて、西山氏自身が出張先や外出先から業績を確認できる環境を整備できたことで、トップ層の意思決定にも貢献できている。
会議資料の準備においても、従来は事前集計に時間を要していたが、最新の実績データを即時抽出できるようになったことで、会議の中身を「分析と対話」にシフトさせることが可能になった。さらに、小規模な拠点でも1名体制で経理業務をこなせる見通しが立つなど、人手不足が課題となる地方拠点においても導入効果は着実に現れている。
今後の課題と展望
アクト・玄々堂ホールディングスでは、『PCAクラウド』を軸に業務基盤を整備し、グループ経営における会計の標準化とリアルタイム化を実現した。今後は販売管理や給与領域にも活用範囲を広げ、DXの次のフェーズとして、データを活かした業務最適化を見据えている。
また、小規模拠点の経理業務を限られた人員で維持できるようにした仕組みは、人手不足に悩む地方企業にとっても有効な運用モデルとなるだろう。多業種・多法人を抱える同社の実践は、複数拠点を展開する企業にとっても業務変革の参考となるだろう。

https://ag-holdings.jp/
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ピー・シー・エーから一言
いつも「PCAクラウド」をご利用頂き誠にありがとうございます。
数多くのPCA製品をご導入頂いておりますが、経営者様ご自身でソフトを操作し、他製品と比較してみて導入を検討される姿勢に非常に感銘を受けております。
会計のFintech機能やPCA Hub eDOC等、非常に細かいメニューまで触って頂き、利便性高くご利用頂いている事を大変嬉しく思っております。
会計周りでは経費精算、給与周りでは年末調整のWebサービス等、まだまだお役立ち出来るサービスが御座いますので、適宜ご提案させて頂ければと思っております。
今後ともピー・シー・エー製品を末永くご愛顧賜ります様、宜しくお願い致します。
『PCAクラウド 会計』『PCAクラウド 社会福祉法人会計』『PCAクラウド 医療法人会計』をご利用いただき、誠にありがとうございます。
業務量の軽減やスピードアップなど、業務改善に貢献できたことを大変嬉しく思います。
『PCA FinTechサービス』との連携により、データを直接取り込むことで入力ミスを減らし、仕訳作成ルールを活用することで
仕訳入力の手間を削減できる機能をご提供しています。 この機能を評価していただけたことも、心より感謝申し上げます。
今後も引き続き機能改善に努めてまいります。 今後ともPCA製品をご愛顧賜りますようよろしくお願い申し上げます。