B/S型の仕訳について
B/S型とは、未成工事に関する取引のうち、原価の発生については“未成工事支出金”に、入金については“未成工事受入金”に計上しておき、工事が完成したときに、それぞれを“
1. 勘定科目の読替
工事原価に関する仕訳
仕訳に工事を入力した時などに、その工事マスターに登録されている“完成日”と“伝票年月日”の比較により、未成、完成の科目の読み替えを行います。
例)
借方に“601 (工)材料費”、貸方に“311 工事未払金”を入力します。
(1) 工事が未成工事の場合は、入力画面上では「材料費」は未成原価科目名「ミ)(工)材料費」で表示されます。
(2) 工事が完成工事の場合は、勘定科目名「(工)材料費」で表示されます。
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※ 勘定科目名、未成原価科目名は「勘定科目の登録」で編集することができます。
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※ 「仕訳チェックリスト」や「仕訳帳」のように、仕訳を帳票に表示・印刷するときに、“未成工事支出金”として表示・印刷する方法と、入力のときと同様に未成原価科目名で表示・印刷する方法を選択することができます。
“未成工事支出金”として表示・印刷する場合は、補助科目欄に勘定科目名が表示・印刷されます(工事原価科目に補助科目が設定されていても、その補助科目の表示・印刷は行いません)。
未成原価科目名で表示・印刷する場合は、その工事原価科目に補助科目が設定されていれば、補助欄にその補助科目までが表示・印刷されます。
工事の入金に関する仕訳
工事の入金があった場合の相手科目は、その工事が未成工事であれば“未成工事受入金”を、完成工事であれば“完成工事未収入金”を入力します。
勘定科目“461
個々の工事の進捗状況を意識することなく入力することが可能です。
例)着工前に手付金を受け取った場合
借方 |
貸方 |
---|---|
111 現金 |
461 |
工事を指示すると ↓
借方 |
貸方 |
---|---|
111 現金 |
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例)完成後に残金を受け取った場合
借方 |
貸方 |
---|---|
111 現金 |
461
|
工事を指示すると ↓
借方 |
貸方 |
---|---|
111 現金 |
|
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※ “461 工事受入金”を使用せず、直接“324 未成工事受入金”“152 完成工事未収入金”を使用して仕訳を入力することもできます。
2. 完成時振替仕訳
工事が完成したときには、売上の計上を行い、未成工事支出金で計上していた分を完成工事原価科目に振り替える作業を行います。
例)工事が完成したので、売上を計上する場合
借方 |
貸方 |
---|---|
324 未成工事受入金 152 完成工事未収入金 |
511 完成工事高 |
例)工事が完成したので、完成工事原価を計上する場合
借方 |
貸方 |
---|---|
601(工)材料費 616 (工)賃金手当 |
601 ミ)(工)材料費 616 ミ)(工)賃金手当 |
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※ 振替仕訳を作成するには、「工事原価台帳」などを参照して、科目ごとの振替金額を集計しておきます。『PCA 建設業会計シリーズ』では、これらの面倒な処理を省くため、振替金額を自動で集計する機能を持った仕訳入力処理「完成振替入力」をご用意しました。
操作方法については、「完成振替入力」をご覧ください。