運用開始時の残高登録の考え方

運用開始時の“期首残高”は、以下の点に留意してください。

  1. 「前準備」-「期首残高の登録」で、期首の残高を登録します。運用開始時の残高ではありません。

    期首残高のため、損益に関する勘定科目残高、補助科目残高、部門別期首残高はすべて0です(入力できません)。

  2. 補助科目や取引先を使用したり、部門別管理を行ったりする場合は、それぞれの内訳ごとの残高登録が必要です。補助科目残高、取引先残高、補助科目別取引先残高(取引先別補助科目残高)、部門別残高は、勘定科目残高とは独立していますので、それぞれ登録してください。

  3. “貸倒引当金”“減価償却累計額”“償却累計額”“減損損失累計額”は、それぞれ貸方にプラス金額で入力します。「試算表」「決算書」上では、借方で控除する形式で表示・印刷されます。

  4. 前期からの繰越利益剰余金については、科目属性が“繰越利益剰余金”の勘定科目(初期状態でコード桁数が3桁の場合、コード“437”)を使用します。
    前期利益→プラス金額で入力します。
    前期損失→マイナス金額で入力します。

  5. 工事別残高には、期首日までの累計額を登録します。

  6. 補助科目や取引先を使用している場合は、それぞれの内訳ごとの残高登録が必要です。

    補助科目残高、取引先残高、補助科目別取引先残高(取引先別補助科目残高)は、勘定科目残高とは独立していますので、それぞれ登録してください。

“繰越利益剰余金”の扱い

前期末の“繰越利益剰余金”の金額を“繰越利益剰余金”の期首残高として登録します。

この場合、株主配当金などの剰余金の配当は“繰越利益剰余金”を使用し、株主総会等の決議があった日に仕訳をすることになります。

例)12月決算の会社の場合

前期末の繰越利益剰余金100万円は翌期の“繰越利益剰余金”に残高登録し、2月25日に20万円の配当が確定したら「繰越利益剰余金/未払配当金 20万円」の伝票を起こして入力する必要があります。

期中から『PCA 建設業会計シリーズ』の運用を開始する場合

各取引の明細が必要な場合には、「前準備」-「期首残高の登録」、「工事情報処理」-「工事別残高の登録」でそれぞれの残高を登録後、期首から導入時までの取引をそれぞれ入力します。

「データ入力」メニューの中の入力しやすい方法で入力してください。

未成工事支出金の期首残高について

未成工事支出金の期首残高は、“未成工事支出金科目”に登録しますが、その金額の内訳を“未成原価科目”にも登録します。

未成原価科目ごとの金額を登録後、その合計金額を“未成工事支出金”に反映することもできます。

次項の「仕掛工事の工事残高について」も合わせてご覧ください。

工事原価科目に補助科目を設定している場合や取引先の入力をする場合に登録する残高も、未成工事支出金の内訳金額として扱います。

  • ※ 未成工事支出金は、その内訳として工事原価とその補助科目、取引先のすべての組み合わせと対応しています。

仕掛工事の工事残高について

工事別の残高は、導入時に仕掛として継続している工事がある場合に入力します。

工事の未成、完成に関わらず、導入後にも引き続き取引がある場合、残高を登録することで工事別の帳票に正しい金額が集計されます。ただし、導入以前の明細は出力されません。

  • 完成工事高:期首までに売上として計上した合計金額を入力します。

  • 未成工事受入金:期首時点での“未成工事受入金”の残高を入力します。

  • 完成工事未収入金:期首時点での“完成工事未収入金”の残高を入力します。

  • 材料費、労務費、外注費、経費:
    「工事仕訳形式」がP/L型の場合は、未成、完成に関わらず、着工してから期首日までの工事原価の累計額を入力します。

    「工事仕訳形式」がB/S型の場合は、期首以前に完成した工事の完成工事原価の金額を入力します。

  • 未成工事支出金:

    「工事仕訳形式」がB/S型の場合、未成工事支出金の残高と、その内訳となる未成原価科目の残高を登録します。未成原価科目に補助科目を設定している場合や取引先の入力をする場合は、補助科目ごと、取引先ごとに登録します。

    未成原価科目に登録した金額の合計額を未成工事支出金に反映することもできます。

  • その他:その他、工事入力をする勘定科目に、補助科目ごと、取引先ごとの残高を登録します。

【ご参考】

工種別の管理を行う場合、工種別に登録した金額を工事原価に反映します。

期中から『PCA 建設業会計シリーズ』の運用を開始する場合の棚卸資産(商品、製品、原材料、仕掛品)の扱い

  1. 毎月の棚卸処理をしていない場合

    期首の各棚卸資産科目の金額を登録します。

    例)期首商品100万円の場合

    科目属性“棚卸資産(商品)”の勘定科目(例:「172商品」)で100万円を残高登録します。

    期末において、期首棚卸分の振替仕訳(期首商品棚卸高/商品)、期末棚卸分を計上する仕訳(商品/期末商品)が必要となります。

  2. 毎月の棚卸処理をしている場合

    以下のように登録します。

    例)期首商品100万円、月末商品80万円の場合

    期首残高として、科目属性“棚卸資産(商品)”の勘定科目(例:「172 商品」)で100万円を残高登録します。

    以下の仕訳を計上します(記載されている数字は、初期設定されている勘定科目の3桁コードです)。

  3. 借方

    貸方

    941(兼)期首商品

    100万円

    172商品

    100万円

    172 商品

    80万円

    947(兼)期末商品

    80万円

     

    翌月末商品110万円とすると、

    借方

    貸方

     

    947(兼)期末商品

    80万円

    172商品

    80万円

    ←前月分の洗替

    172商品

    110万円

    947(兼)期末商品

    110万円

    ←当月末分の計上

 

こちらの「月次決算整理仕訳について」も併せてご覧ください。